日本共産党広島県委員会は8月22日、厚労、国交、環境、農水の各省と広島市の会場をオンラインで結び、県民の切実な要求を届ける政府交渉を行いました。
要請は、「黒い雨」被爆者健康手帳申請と交付について、住民から河川や地下水の汚染、盛り土の危険性に不安の声が広がる上安産業廃棄物処分場の問題、新型コロナ感染拡大下での診療報酬対策など10項目。
国会からは3年ぶりに議席を奪還した仁比聡平参院議員、上京した広島市議の藤井敏子県議予定候補、広島会場からは大平喜信元衆院議員が全交渉に参加しました。
「黒い雨」の交渉には国会から井上哲士参院議員、広島からは「原爆『黒い雨』被害者を支援する会」の牧野一見、佐久間邦彦両共同代表らも参加しました。
昨年の「黒い雨」訴訟広島高裁判決は、内部被爆を認め、被爆者健康手帳の交付要件から11疾病の発症を外しましたが、厚労省は、4月から開始した「黒い雨」体験者の被爆者健康手帳申請の要件に11疾病を加えていることから、これを「撤廃」するよう求めました。厚労省は「従来の援護行政との整合性を保っている」と回答。佐久間氏は「11疾病を加えることは間違いで高裁判決に沿うべきだ」と訴え。「新たな差別を持ちこんでいる」と強調した牧野氏はさらに、「内部被爆は容認できない」と主張する菅義偉首相(当時)を「法治国家の政府がとるべき態度ではない」として撤回を要求。ここでも厚労省は「従来の援護行政と整合性を保っている」との姿勢に終始しました。(しんぶん赤旗 2022年8月24日)