長崎県の国営諫早湾干拓事業で、潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう国が求めた訴訟の差し戻し審の第6回口頭弁論が 4月28日、福岡高裁(岩木宰裁判長)でありました。高裁は、訴訟の審理が大詰めを迎えていると、和解勧告をしました。
高裁の「和解協議に関する考え方」によると、長期にわたる開門をめぐる問題が複雑・深刻化し、同裁判の判決だけでは解決できず「話し合いによる解決の外に方法はない」と指摘。和解協議が「国民的資産である有明海の周辺に居住し、あるいは同地域と関連を有する全ての人々のために、地域の対立や分断を解消して将来にわたるより良き方向性を得る」ため「国民の利害調整を総合的・発展的観点から行う広い権能と職責とを有する控訴人の、これまで以上の尽力が不可欠」と控訴人・国の主体的・積極的な関与を求めています。
馬奈木昭雄弁護団長は「説得力ある内容で異論はない」と述べ、意見陳述した堀良一弁護団事務局長は「100点満点の回答」と評価。その上で「国は徹底して抗戦してくるだろう。それを許さない大きなうねりを国会、地方議会、地域住民の間から起こそう」と呼びかけました。
漁業者の平方宣清さんは「有明海復活へ開門阻止派と話し合いの場をたくさんつくりたい」と述べました。
日本共産党の仁比聡平前参院議員、立川由美福岡県議らが参加。弁護団の一員の仁比氏は「運動を広げて対話による農漁共存の解決の道を切り開こう」と訴えました。(しんぶん赤旗 2021年4月29日)
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