仁比議員参加
「堤防閉め切りから13年間じっと耐えてきた漁民も、もう限界です。(堤防内の)調整池の水質が最悪の状態に陥る前に、一日も早い開門を」―。九州・有明海沿岸の漁業・農業の再生のため長崎県諫早湾干拓事業潮受け堤防の常時開門を求めて、長崎地裁に提訴した湾内の漁協代表の漁民らが3月17日、参院議員会館で開かれた「提訴報告集会」に参加し、切々と訴えました。集会は「よみがえれ!有明訴訟」原告団・弁護団・支援する会が主催したもの。
訴えたのは、全会一致で水門開放を決議した長崎県雲仙市の瑞穂漁協の室田和昭副組合長。組合員64人が署名した開門要望書を赤松広隆農水相に同日提出することを明らかにし、「潮受け堤防閉め切り後、漁場環境は潮流の低下、赤潮・貧酸素水塊の頻発などで悪化した。主要水産物のアサリ、魚介類の激減により、漁業経営は厳しい状況にあり、漁家にとっては漁業経営継続にかかわる重大な問題がでている。できるだけ早く開門してほしい」と発言しました。
「よみがえれ!有明訴訟」の松永秀則原告団長も「開門に大きな期待をもっている。漁民の期待を裏切らないことを願っている」と訴えました。
馬奈木昭雄弁護団長は「与党内で開門開始の検討を始めたが、5月の開門が漁民にとっては最善の時期。長崎県の瑞穂、国見の2漁協の漁民が11日に開門を求めて提訴したことで全漁協の組合員が開門を求めたことになった。すみやかな開門を決断してほしい」と要請しました。
集会には、今月9日に協議を始めた与党の諫早湾干拓事業検討委員会のメンバーらが多数出席しました。
日本共産党の仁比そうへい参院議員が「13年間じっと耐え、もう限界という漁協の漁民の発言と、諫早湾内のすべての漁協の組合員が裁判に提訴してまで開門を求めていることを、国会は重く受け止め、すみやかな開門のためにがんばりたい」と激励しました。
農水省に要望書
長崎県雲仙市の瑞穂漁協の代表らは17日、農水省に「諫早湾干拓排水門開門」を求める要望書を提出しました。
同漁協の室田和昭副組合長は「環境にやさしい水門開放をお願いしてきた。私たちが一番因っていることは、調整池から出る排水の水質。きれいにしてから海にだしてもらえるのか。濁った腐った水でみんなが困っている」と発言。有明海沿岸漁民の実情を、カラー写真などを示して潮受け堤防開門を迫りました。
要請には、「よみがえれ!有明訴訟」原告団・弁護団・支援する会のメンバ1も参加。日本共産党の仁比そうへい参院議員が同席しました。(しんぶん赤旗 2010年3月18日)