米軍基地問題で現地を調査する仁比議員=2010.03.14

 沖縄県北部の東村高江で、米軍ヘリパッド(離着陸帯)建設をめぐって、抗議と監視を続ける地元住民を国が提訴するという前代未聞の裁判の第一回口頭弁論が3月19日に那覇地裁で行われます。裁判を前に、日本共産党の仁比そうへい参院議員が3月13日に現地入り。翌日まで精力的に住民との懇談・現地調査をしました。

 13日は終日、沖縄各地で懇談会に出席した仁比さん。高江に到着したのは午後10時をかなり回ってからです。国から〝脅迫的″な提訴をされた伊佐真次さんをはじめ現地で監視行動を続ける労働者や研究者、この日東京からやってきた男女学生らが待ち受けていました。

 「これは正面から平和を問う裁判です」「こんなに静かな夜に、へリ騒音なんて信じられない」―。交流は夜を徹して続きました。

 「やっぱり、いい」。翌早朝、鳥のさえずりで目覚めた仁比さんが伸びをします。

 東村には、すでに15カ所のヘリパッドがあります。日米両政府は高江地区を取り囲むように、新たに6カ所建設しようとしています。建設予定地の一つ「N4」前の監視テントで、琉球大学の阿部小涼准教授から建設計画の経緯や問題点を聞きました。「裁判も異常ですが、新たにヘリパッドを造る必要があるのでしょうか」と尋ねる仁比さん。

監視小屋で=2010.0314

 さらに各地の建設予定地を調査。「アメリカではダムの近くで軍事訓練などとんでもない話。それが沖縄で許されていいんでしょうか」。案内する伊佐さんが語気を強めます。

米軍基地問題で現地調査=2010.03.14

 豊かなヤンパルの森は県民6割の水をまかなう沖縄の水がめ。しかし、それが新川ダムなどダムの集中する一帯はヘリパッドのすぐそばでした。高江小中学校では、伊佐さんが教室の窓から外を指し、「夕方、ここをヘリが飛ぶんです」。

小学校を訪問調査=2010.0314

 「N4」の近くで、評判の「カフェ山甌」を経営する安次嶺雪音さん(39)が訴えます。「夜の11時くらいまで飛びます。2、3機ずつ、パイロットの顔が見えるくらいの低空で何度もきます。何とかしてほしい」

 7年前、自然に魅せられて嘉手納から移ってきました。「静かだと思ってきたら、嘉手納よりうるさいのでびっくりしました」。8月に6人目の出産を控えています。
 
 現場を見た学生たちも「ここに造る意味が分からない」「どれだけひどいか、見ないと分からない」と口々に語っていました。(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年3月16日)