山口県萩市と秋田市に地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備が狙われている問題で、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動萩実行委員会」は5月20日、国会内で、計画撤回を求める安倍晋三首相宛ての署名9720人分を提出しました。

 同実行委の藤井郁子共同代表、萩市に隣接する阿武町(あぶちょう)の米津高明氏、日本共産党の宮内欣二萩市議が出席。同党の仁比聡平参院議員、大平喜信衆院比例予定候補が同席しました。

 署名提出と合わせ、各省庁へのヒアリングを実施。迎撃ミサイル発射時に随時切り離されるブースター等の落下地点について、防衛装備庁は「1段目は基地内に落とす」としつつ、「一概には言えない」とも述べ、住家や農地などに落ちる可能性を認めました。

 防衛省は、米国を標的にしたミサイルを迎撃する可能性を「集団的自衛権の新3要件を満たせばありうる」と認めました。

 イージス・アショアの電波がペースメーカーなど電子機器に与える影響について、総務省は「調査していない」と答え、防衛省は「今後、説明する」と述べるだけでした。

 藤井、宮内、米津の3氏は、政府が、農漁業やIターン(都会からの移住)への支援など地域振興に力を入れる萩市や阿武町の取り組みを認めたことに対し、「配備は、まちづくりの努力を全て覆す」と強調。「回答は配備ありきだ」「住民の安心・安全を守る対策も説明もない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2019年5月21日)