昨年7月の西日本豪雨で高梁川(たかはしがわ)や小田川が決壊する要因となった岡山県高梁市の新成羽川(しんなりわがわ)ダムをめぐり、国と地元自治体、中国電力などでつくる減災対策協議会が豪雨を見越して水位を下げておく事前放流の実現性を議論し、早ければ今年の梅雨から実行する方向であることが分かりました。4月22日の参院決算委員会で、日本共産党の仁比聡平議員に対し、国土交通省が明らかにしました。
新成羽川ダムは高梁川上流にある中電の水力発電ダム。昨年の豪雨で異常放流され、高梁川の急激な増水、小田川への大量逆流(バックウオーター)や決壊を招きました。発電用ダムでは、治水目的でないことを理由に事前放流が行われず、各地で洪水の一因となっています。
国交省の塚原浩一水管理・国土保全局長は、「中電が社内検討会で事前放流の実現性を検討している。協議会でも議論し、可能なら梅雨から実行に移すと聞いている」と述べました。
仁比氏は、同協議会について「豪雨災害を受け、ダム管理者である中電を構成員に加え、河川の国直轄・県管理の区別なく一緒に対策を練る、わが国で初めての試みだ」と強調。塚原局長はその意義を認めました。(しんぶん赤旗 2019年4月24日)
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