○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
政府は、辺野古でも、そして本土の各地でも、民意に背を向けて米軍基地の増強、整備を推し進めております。米軍の空母艦載機は、厚木から山口県岩国基地に移駐を完了して一年になりますが、深夜一時過ぎまであるいは夜明け前から、周辺住民がこんなはずじゃなかった、戦争でも始まったのかとたまらず声を上げる爆音を傍若無人にまき散らし、十二月には高知沖で空中給油訓練中に墜落して、六人が亡くなりました。
岩国基地は、米軍オスプレイの拠点にもされ、さらにF35Bも配備され、米軍嘉手納基地とともに極東最大級の出撃拠点に変貌させられています。今政府は、その空母艦載機が空母の甲板に見立ててタッチ・アンド・ゴーを繰り返す激しい空母離発着訓練、FCLPの訓練基地を強引に鹿児島県の馬毛島に造ろうとしているわけです。まず、この問題についてお尋ねをいたします。
防衛省の資料をパネルにしましたけれども、(資料提示)御覧のとおり、馬毛島というのは、種子島から西に十二キロ訪ねますと、まさに指呼の間ですね、屋久島と三つの島で大隅諸島を構成していますが、トビウオを始めとした豊かな漁業の拠点としてにぎわい、代々の生活を支えてまいりました。希少な固有亜種のマゲシカも生息し、生物多様性の点でも貴重な宝の島です。住民の皆さんは、朝な夕な馬毛島を眺めて一日を振り返る、心のふるさとだとおっしゃっております。
ところが、政府は、八年前の二〇一一年、この島を勝手にFCLPの候補地にした。地元住民や自治体から猛反対の声が続いてまいりました。防衛大臣、地元自治体、住民の皆さんの同意、これは得られていませんね。
○国務大臣(岩屋毅君) このFCLP、いわゆる空母艦載機の離発着訓練でございますけれども、私ども、馬毛島を候補地として検討を進めているところでございます。
本年一月に原田副大臣が、防衛副大臣が西之表市長や鹿児島県知事等とお目にかかり、現地調査の説明を行った上で、今調査を実施しているところでございます。
地元の御理解と御協力が重要であることは認識しております。引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 説明したと、引き続き説明するというだけで、同意はつまり得られていないわけです。にもかかわらず、防衛省は、この島の九九%ほどを所有する地権者、ここにありますが、タストン・エアポート株式会社と水面下、ひそかに取得交渉を続けてきました。挙げ句、一月に突如、破格の百六十億円で仮契約という報道がされ、これ、まさに寝耳に水の話ですね。住民の怒りは爆発をしております。
今お話のあった日に、西之表市長に、仮契約ではないが、一月九日、互いに合意できている部分について確認する文書は取り交わしたと防衛省は認めておられますし、私もそう説明をされました。これ、大臣、仮契約でないというんだったら、これ、何なんですか。文書まで交わして何を合意をされたんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 防衛省としては、御指摘のあった一月九日に、馬毛島の土地の大半を所有するタストン・エアポート社との間でその時点までに合意した内容を確認する文書を取り交わし、今後売買契約を正式に締結できるように今引き続き協議をしているところでございます。
協議中のことでございますから、その中身については控えさせていただきたいというふうに思います。
○仁比聡平君 いや、何でそんなことができるんですか。馬毛島を米軍機の空母離発着訓練場にするということは、これ、種子島の自然豊かで静かな生活を根底から覆すものですよ。屋久島や大隅半島、九州本土の住民の安全、安心にも重大な影響をもたらすことになります。地元の自治体の同意はないわけでしょう。同意もないのに頭越しに買収交渉を進める。今大臣おっしゃったけれども、正式に売買契約を取り交わすんだということで合意文書までこれ交わすというのはもってのほかじゃありませんか。
この馬毛島には、西之表市の港、あるいは市の管理する道路、市道があります。住民の入会地もあります。最近、古代の遺跡も発見されまして、種子島は鉄砲伝来の島ですけれども、種子島開発センター鉄砲館で、今月初め、馬毛島の暮らしの風景という特別企画も行われたんですね。
大臣御存じかどうか、市長は二月、市議会の施政方針演説でこうおっしゃっています。馬毛島は単なる無人島ではありません、種子島にとってかけがえのない同胞の島であります、種子島の地域住民の幸せのために島を出た旧島民が島を去ったかいがありません、地元住民の生命、財産を守り、市民の幸福に資する利用を図るべき首長として、今後国に対して市の意見、要望を明らかにしてまいりたいと述べておられる。
馬毛島はただの無人島ではないと、そのとおりですよ。これ、交渉中だから明らかにできないとおっしゃいましたけれども、それは交渉の中身そのものがうさんくさいからではないんですか。交渉中のこの地権者、タストン・エアポートは、二〇〇〇年以来、乱暴な島の根こそぎの造成、無許可の空港建設など、重大な違法乱開発を続けてまいりました。環境アセスも一切行われておりません。
これ、パネルにいたしましたのは二〇一一年の八月の朝日新聞の記事ですけれども、「馬毛島開発野放し 市、業者に調査拒まれる」という見出しですが、これ、三つの写真御覧いただきたいと思うんです。一番上はそうした乱開発が行われる前、それが、一番下、二〇一一年の八月時点ではこんな無残な姿になってしまっている。
次のパネルを見ていただきたいと思いますけれども、この島の図面に色づけがされているのは、これは鹿児島県にいただいている資料ですけれども、馬毛島における伐採届状況というふうにありますが、森林法によって、森林の抜根、つまり根っこからもう取ってしまうというその開発許可を出したのは、県が出したのは、グレーの僅かな部分なんですよ。ところが、その隣の写真でも明らかなように、これ、根こそぎの乱開発がもうはるかに超える形で、許可をはるかに超える形で行われ、これが土砂の流出、漁業に深刻な被害をもたらしてまいりました。こうした業者によって、県も市も長年、本当に大変な苦労を強いられてきているんですね。
鹿児島県は二月の県議会で、改めて、違法開発の疑いがあり、現地調査を申し入れたと答弁をしております。西之表市は、馬毛島にある市道がどうなっているか、現況確認のための立入りを求めているとおっしゃっています。
これ、防衛大臣、御存じですか。
○国務大臣(岩屋毅君) まず、その大前提として、FCLPにつきましては現在硫黄島で暫定的に実証いたしております。岩国飛行場から約千四百キロと極めて遠く、硫黄島への往復の際にトラブルが発生した場合に緊急着陸用の飛行場が確保できないと、そういう問題もございまして、防衛省としてはこのFCLP施設の確保は安全保障上も極めて重要な課題だと思っておりまして、恒久的な施設を整備したいと考えているところでございます。
それから、鹿児島県が、今先生御指摘あった県議会において、その開発行為について林地開発許可に基づく開発の状況等の現況確認のため現地調査の日程調整を申し入れている旨を答弁したということは承知をいたしております。開発行為に係る事柄については、一義的には開発事業者と鹿児島県において対応されるべきものと考えておりまして、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、土地の取得に当たりましては、その状況等も踏まえ、関係法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 話をごまかしちゃ駄目でしょう。
何でFCLPかというお話がまず最初にありましたけれども、議員の皆さんにはお手元に資料を配っていますが、二〇一一年の日米合意において、その移設の問題について、長年にわたる問題の解決は同盟への極めて重要な前向きな貢献となるというふうにおっしゃっている。
そういう必要性があるんだというのを今大臣おっしゃろうとしているんでしょうけれども、だからといって、その是非、私は断固として反対ですけれども、この馬毛島のその開発が、これだけ違法乱開発が行われてきている。その問題をまるで国が全くの第三者であるかのように言うのは、これは話が違うんじゃないですか。だって、これ買収しようというわけでしょう。それ買収するというのは、環境や漁業の破壊、そうした乱開発のツケを引き受けるような交渉をやっているということですか。それ、違法開発による環境破壊に乗じてこれを取得して米軍基地にする、これ、およそ倫理に反することなんじゃありませんか。
私に対して防衛省は、国は第三者でコメントする立場にないとか、開発事業者の行為をどこまで承知して交渉に当たっているかは、交渉中であるから差し控えるべきだというふうに説明をいたしました。
これ、先ほど県議会の答弁だけはお認めになりましたけれども、違法に乱開発をされてきたものを、これは国がそれを引き受けて買い上げると、そんな交渉をしているんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 先ほども申し上げましたように、開発行為に係る事柄については、一義的には開発事業者と鹿児島県において対応されるべきものだと考えておりますが、いずれにしても、土地を取得するに当たりましては、私ども関係法令等に基づき適切に対応してまいることは当然のことだというふうに考えております。
○仁比聡平君 関係法令に合わせてというのがどういう意味なのかと。
違う角度で聞きますけど、この地権者の資金繰りというのは極めて不透明なんです。何度も仮差押えを受けたり、破産を申し立てられたり、土地登記簿を見ますと極度額百四十億円という巨額の抵当権が付いているんですね。いかにもいわく付きです。ところが、衆議院の予算委員会で防衛副大臣が抵当権などが付いたままの取得もあり得ると答弁をされ、島では、悪行の限りを尽くしてきたタストン・エアポートに破格の優遇をするのかと、住民の怒りの火に油を注いでいます。
これ、抵当権付きのまま取得もあり得るという答弁ですが、大臣、そんな例は過去ないでしょう。
○国務大臣(岩屋毅君) 原田副大臣は、予算委員会の分科会でしたか、そういう答弁をしたというふうに私も報告を受けましたが、防衛省においては、土地を取得する際には、所有者との契約において、その土地の上に所有権以外の権利が設定されているときはあらかじめこれらを消滅させた上で取得することとしておりまして、原田副大臣の答弁はあくまで一般論を述べたものというふうに承知をしております。
いずれにしても、先ほど申し上げたように、FCLP施設の確保は安全保障上の重要課題と防衛省としては考えておりまして、売買契約を締結できるよう引き続き協議を進めていきたいと思いますし、その際、関係法令等を遵守して行うことは当然のことと考えております。
○仁比聡平君 つまり、馬毛島について、この巨額の百四十億円、抵当権付きのまま買収することなどできないということですね、確認です。
○国務大臣(岩屋毅君) 繰り返しになりますが、防衛省においては、土地を取得する際には、所有者との契約において、その土地の上に所有権以外の権利が設定されているときはあらかじめこれを消滅させた上で引渡しを受けることとしており、これまでもそのようにしてきているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、できないということなんですよ。
防衛省は、以前、この交渉で買収価格を四十五億円と提示をしたことがあります。これは報道されて、広く知られていることなんですね。それが何で突如、百六十億円なんですか。この巨額の抵当債権、これ百四十億、極度額ということですけれども、これとちょうど符合するんじゃないのか。乱開発で土地評価額が飛躍的に上がるわけもないじゃないかと。これは大問題になっているんですよね。
そこで、ちょっと麻生財務大臣に御感想を伺いたいと通告をしておりますけれど、国有財産の取得に当たって適正な評価を求めているというのが国有財産法なわけで、こういう事業者に破格の利得を得させるようなやり方は、これはないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じだと思いますが、行政目的で新たに国有財産というものを取得する場合には、まずその財産を取得する各省庁においてこれ判断をしていただかにゃいかぬところなんであって、いきなり言われましても、お尋ねの事案のこの馬毛島ですか、の取得につきましては現在防衛省が土地の所有者と話をしておられるんだと理解をしておりますので、私の方から確たることを、今の話を一方的に言われましても、私の方で確たるお返事を今この場で申し上げることはできません。
○仁比聡平君 これも財務省と相談をしながら防衛省はやっているんでしょうけれども、だけれども、こんな事態で適正な評価だとなんて言えるはずもないし、こんなやり方で自治体、住民の納得あるいは同意、これ絶対に得られないですよ。これ島では逆森友じゃないかというような声も上がっているわけですね。これいかなる軍事施設も反対というのは極めて固い意思です。
次のパネルは西之表市議会の二月議会での意見書です。
「これまで幾度となく馬毛島への米空母艦載機離発着訓練(FCLP)及び自衛隊施設整備に反対の決議を行い、頭ごなしの政府の対応に抗議してきた。」と。少し飛ばしますが、「これまで一貫して軍事施設整備に強く反対してきた。 自然豊かな種子島、美しい景観を眺望でき、農業と観光産業の振興を土台とした島の将来造りを目指している本市においては、国と地権者だけで、地元の意向を無視した土地の売買交渉を看過することはできない。」と述べられているわけですね。
安倍総理、これ同意どころか、これほど厳しく抗議されながら地元自治体の頭越しに交渉し合意するなど、およそ許されないじゃありませんか。交渉は直ちに中止をして、一切の経過を明らかにすべきではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鹿児島の馬毛島については、米空母艦載機の着艦訓練、FCLP施設の候補地として現在防衛省が土地所有者との間で売買契約の締結に向けた協議を行っているところでございますが、また本年一月に原田防衛副大臣が、地元の西之表市長と市議会議長、鹿児島県知事と県議会議長にお会いをして、事前に御説明を行った上で現地調査を行っているところと承知をしておりますが、我が国を含むアジア太平洋地域の平和と安定を確保するためには米軍による抑止力が必要不可欠であり、その中核になるのが米空母を始めとする米軍の前方展開兵力であります。米空母の運用能力を確保するためには、空母艦載機が洋上の空母に安全に着艦できるよう、事前に空母を模擬とした陸上施設で訓練を行い、パイロットの技量を維持、確認することが死活的に重要であります。
現在、当該訓練は暫定的に硫黄島で実施をされていますが、硫黄島は、空母艦載機の拠点である、先ほど答弁させていただきましたが、岩国飛行場から約千四百キロメートルと極めて遠く、硫黄島への往復の際に機体にトラブルが発生した場合に緊急着陸用の飛行場が確保できないため、安全面で極めて問題のある状況にあります。また、天候の影響により硫黄島で訓練できない場合に、訓練が住宅密集地である厚木飛行場で行われたこともありまして、一日も早い訓練施設の確保は安全保障上の重要な課題となっています。
このため、平成二十三年六月の日米2プラス2において、岩国飛行場から約四百キロメートルの位置にあり、離島のため騒音等の影響が少ない馬毛島を候補地とすることで合意をしたものでございます。これは、当時の民主党、菅内閣のときに合意したものでございますが。
訓練施設の確保は安全保障上の重要課題であり、地元の皆様の御理解と御協力を得られるよう、一つ一つ丁寧に御説明を行いながら進めていく考えでございます。
○仁比聡平君 いや、同意は得られていないと。
総理の答弁を前提にされておられるわけですが、これ、勝手に候補地にしておいて騒音は少ないなんて、これ、とんでもない話ですよ。抑止力だとか前方展開能力だとかというようなことを言ってここに造れば、これ、岩国基地から一っ飛びで四百キロです。米航空部隊の自由度というのは、これ飛躍的に上がる。インド太平洋に近い佐世保など九州の港が空母の準母港にされるのではないかという懸念も専門家からは示されているわけで、これ、地元の住民、自治体を置き去りにして、そういって日米合意だと言って強引に米軍基地の増強を推し進めるというのはとんでもないことだと思います。
民主主義も地方自治も関係ないと言わんばかりのこの馬毛島の米軍基地化はきっぱり断念すべきだと強く求めて、次に、航空自衛隊築城基地、新田原基地について伺います。
パネルは、これ防衛省の資料ですけれども、政府は、この航空自衛隊の二つの基地に米軍の庁舎、米兵の宿舎、駐機場、倉庫、そして燃料タンクと弾薬庫まで造ると、来年度予算案で築城基地に百二十億円、新田原基地に百十五億円を計上をしております。さらに、築城基地の滑走路を、米側の要請だと言って、戦闘機や大型輸送機が兵器を満載しても離発着できる二千七百メートルに延長すると、そのために海を更に埋め立てるというふうに言うんですね。
築城基地は、戦後、米軍に接収されました。朝鮮戦争に当たって米軍の出撃拠点にされ、米兵による事件、事故が引き起こされ、幾人もの女性たちが暴行に遭いながら、それを隠して生きていかざるを得なかったというつらい歴史があります。米軍から返還された後、専守防衛の自衛隊だからと基地の爆音被害にも耐えてきた人たちからも、こんな米軍施設の整備は絶対に許せないと強い声が上がっているんですね。
これ、大臣、どんなというか、そうした周辺住民の思いを御存じなんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) まず、先ほどの馬毛島については、引き続き関係自治体に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに思っております。御理解をいただくべく努力をしてまいります。
それから、ただいまのこの築城あるいは新田原基地の米軍施設の整備はやはり沖縄の負担軽減の一環でございまして、普天間基地の機能の一つである緊急時の受入れ機能を担っていただくべく、この築城と新田原に施設を整備しようとするものでございまして、最終的には普天間基地の全面返還につなげていくための大事な事業だというふうに考えております。
これにつきましても、地元自治体の皆様に丁寧に説明し、御理解をいただいてまいりたいと思っておりますが、既にこの件については御理解をいただいているわけですけれども、今後どういう施設をどういうふうに造るかということについて、更に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 まず、馬毛島の件について、住民の同意が得られることは絶対にないと改めて申し上げておきますが。
今、築城、新田原の件について、最後に大臣言われたように、地元に説明しているのはどのように施設を造るのかだけなんですよ。とにかく施設を造ると言っているだけなんですよ。だから、そもそもお伺いしたいと思いますが、この築城、新田原に移すという普天間飛行場が有している緊急時の航空機受入れ機能、これ、この資料にあるじゃないですか。これ、どんな機能なんですか。どんな米軍の部隊がどんな使い方するんですか。そこ、ちゃんと説明してくださいよ。
○国務大臣(岩屋毅君) 普天間飛行場が有する緊急時における航空機の受入れ機能は、緊急時に築城、新田原のそれぞれの基地において、十二機程度の戦闘機、一機程度の輸送機及び二百人程度の米軍人を受け入れられるようにするため整備するものでございます。
緊急時における使用でございますから、その事態の状況によってどういうものが来るというのは決まってくるわけで、あらかじめ確定的には申し上げられませんけれども、基本的には今のようなことを考えているところでございます。
○仁比聡平君 十二機だとか二百人程度だとかいうふうに言うけれども、これ、普天間の移設条件付返還の九六年SACO合意の翌年、九七年の二月に、本院、参議院の国際問題に関する調査会が米軍普天間基地の調査を行っています。その際、普天間実施委員会のメンバーでもある司令官のキング大佐に我が党の上田耕一郎議員が、SACOの議論で、緊急時にはアメリカ本国から三百機のヘリコプターが来るということをアメリカ側が明らかにしたという報道について質問したところ、キング大佐は、三百機が必ずアメリカ本国から来るということではないが、三百機を受け入れる装備能力が必要だということだと答えている、それが調査会で報告をされているんですね。
本国から三百機、もちろんその要員が来る、米軍は実際にこうした計画を持っているんじゃないんですか。普天間飛行場に関するSACO最終報告に書いてある緊急事態対処計画というのはそういうものであって、政府もそうした説明を受けてきたんじゃないんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) その今先生がおっしゃったやり取りについては詳細を承知しておりませんが、先ほど申し上げたように、緊急時に十二機程度の戦闘機、一機程度の輸送機及び二百人程度の軍人を受け入れられるようにするために整備をしていきたいと思っておりますが、ただ、その緊急時における、その緊急時がどういう緊急時であるかということによって、やはりそれぞれの事態に応じて日米間で調整をしなければいけないだろうと思っております。
米側からは、基本的には空軍が使用することを想定しておりますけれども、事態の状況によっては陸あるいは海、あるいは海兵隊が使用する場合もあり得るという説明は受けているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、あらゆる軍種がこの築城や新田原をこの緊急時というときには使うんだということが今のお話でうかがわれるわけですけれども、もう一つ、九六年の一月二十三日付けのアメリカの公文書があるんですね。これ、二〇一四年の三月に我が党笠井亮衆議院議員が明らかにしたものですが、沖縄の第一海兵航空団が米国防総省の当時キャンベル次官補代理に向け説明するということで作成された関係メモとスライド資料です。
このアメリカの文書にはこう書いてある。普天間基地の代替施設を朝鮮半島有事の作戦計画に備える航空、地上部隊の拠点として位置付けて、有事には航空機三百機が普天間を使用するとして、その内訳が明記され、有事の際は代替施設にも普天間基地と同等の役割を担わせるということを強く求めているわけです。
これ、米軍は、様々な事態に対してどう対応するかといろいろ考えているわけですよね。日本側もそういうこと考えて協議をしてきたんじゃないんですか。それ、やっていなかったら逆におかしな話なんであって、これ、さっきから大臣が十二機、二百人程度というふうに言うけれども、そんな保証なんてどこにもないんじゃないですか。施設造れば、それは米軍がどんどん使うということになるんじゃありませんか。
○国務大臣(岩屋毅君) 緊急時というのは、例えば我が国に対する武力攻撃事態なども、あってはならないことではありますが、あの事態の中には含まれるわけでございまして、そういう場合には日米同盟に基づいて、その緊急事態にしっかりと備えていくことは当然のことなんだろうと思います。
様々な安全保障上の事態にどのように備えるべきかということは、当然日米間で様々やり取りはしておりますけれども、その中身については控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 やり取りしているということをお認めになりながら、これ、自治体にも住民にも全く隠してこれ事を推し進めるって、とんでもないじゃないですか。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
○仁比聡平君 これ、本当にこんな緊急時の判断にしても、これ決めるのは米軍だということだと思います。世界一危険な普天間基地の苦しみはどこに移しても同じであって、無条件撤去、これを強く求めるべきだと私は主張して、質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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