国の「ダム押し付け」に対して、流域住民の皆さんが「住民参加から住民決定へ」「ダムによらない治水を」「身の丈にあった利水を」「荒瀬ダムの撤去を」―この要求を掲げ、新しい政治を探求する全国民のさきがけを切り開いた。民意が川辺川ダム中止、荒瀬ダム撤去にあるのは明白だ。民主党をはじめ連立与党、政府はこれを正面から受け止めるべきだ。
治水予算化を
ダムによらない治水を検討する場で、九州地方整備局がとにもかくにもダム以外の治水策を提案したのは、住民のたたかいに追い詰められたことを意味する。しかし、本気で「ダムによらない治水」というならば、過大な想定洪水量を根拠もなく押し付けてきた姿勢を真剣に反省、謝罪し、これを撤回すべきだ(そうだ!の声、拍手)。
流域で川とかかわり、洪水のたびに現場にのぞみ、具体的な治水策を提言してきた被災者団体の要求を、政府はしっかり聞く必要がある。球磨川流域の治水をすすめるうえで、毎年のように水害常襲地帯での被害が繰り返されてきたことを忘れてはならない。「ダムによらない治水対策」の実施はまったなしだ。
民主党政権には、来年度予算に、球磨川流域の治水を具体的にどう進めるかを盛り込み、実現を目指そうと提案したい(いいぞ!の声、拍手)。
環境再生へ
五木村の現状はダム建設を進めたことによる根本的な矛盾の表れで、国の責任は重大だ。五木村の振興策については引き続き国が責任をもっことをハッキリさせる必要がある。
地域住民が受けた困難を償う立場から、「公共事業の中止に伴う生活再建・地域振興を促進する法律」の制定を求めていきたい。
知事は荒瀬ダム撤去の撤回こそを撤回すべきだ(そうだ!の声、拍手)。八代海は閉鎖性が極めて高く、河口からわずか15㌔にある荒瀬ダムが環境に与える影響は大きい。今夏、赤潮の発生警報が22回も出されたと聞く。球磨川。八代海の自然再生の見地から、国に撤去費用を支援させるために頑張る(拍手)。
ダムによらない治水と利水、環境破壊から環境を再生させるという時代への挑戦が新しい政治には求められている。日本共産党は野党だが、この問題ではとことん「建設的な野党」として政治を前に進めるために全力を尽くす(大きな拍手)。
(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月17日)