11月10日、「いのちとくらしを守るネットワーク」は、厚生労働省に要請。生活保護の要望は13項目。保護を必要としている人の申請を受け付けることや移送費を適切に支給するよう国として県に指導すること、ケースワーカー等の充足率が100%となるよう指導することなどを求めました。

 厚労省の各担当からは「指導している」「通達している」との回答が相次ぎました。それに対し、熊本県生活と健康を守る会連合会(生健会)の阪本深事務局長らが現状をぶつけました。

 申請書の交付の問題では、今年6月熊本市で脳梗塞(こうそく)と末期の肺がんを患う60代の男性が生活保護手続きに市役所を訪れましたが受け付けてもらえませんでした。元妻、姉らも市役所に出向きますが「ダメ」。生健会が同行して申請書を交付し受理しました。男性は受理の7日後に亡くなりました。

 生健会によると、熊本市では、市民が生活保護の窓口に訪れると相談として取り扱い、明確な申請の意思の確認が行われていないといいます。阪本事務局長は「通達通りに現場はいっていない」と改善を迫りました。

 また、通院などの移送費について厚労省は周知徹底依頼をしていますが、熊本市は扶助費に含まれるとの考えで支給しない状況もあるなど矛盾していることを指摘。ケースワーカーの充足率では人が少なく、熊本市の女性が3年間で約120万円の支給漏れが起こっていることなどを突き付けました。

 今回の政府交渉では、厚生労働省に最低真金の引き上げ、後期高齢者医療制度の廃止、看護師医師不足の解消、介護保険制度の充実、総務省に地方税の徴収業務改善なども求めました。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月11日)