長崎県諫早湾干拓事業による漁業被害を訴えている有明海沿岸の漁民と、「よみがえれ!有明訴訟原告団・弁護団」は10月15日、「願いは漁業も防災も両立する潮受け堤防の開門」だと、赤松広隆農水相にたいして早期開門と排水不良対策、安心・安全な農業用水の確保を要請しました。20人が参加し、日本共産党の仁比聡平参院議員が同席しました。

 自殺者が続発するほどの漁業被害が深刻化するなか、長崎県、佐賀県、福岡県の漁業者やノリ養殖業者らが上京。「アセスメントは必要ない。開門は待ったなしの状況だ」と農水省の担当者に要請・交渉したのは、政権交代後はじめて。

 長崎県島原市の漁船漁業を営む、男性(59)は「毎日不安で苦しい生活を強いられている。干拓事業が原因の有明海異変で追いつめられいつまで漁業をやっていられるか、もう待てない。早く開門を」と窮状を訴えました。

 農水省の担当者は、自民・公明政権当時の「開門よりもアセスメント」という立場からの説明に終始。

 馬奈木昭雄弁護団長は「農水省は変わるべきだ。アセスメント待ちでなく、有明海再生事業の一環として、一日も早く開門をし、漁業者らと話し合いの場をつくり、大臣と直接の話し合いを」と強く求めました。(2009年10月16日(金)「しんぶん赤旗」)