「一人残らず、すべての被害者の救済を」。「ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議」の代表らは9月17日、参院議員会館を訪れ、日本共産党国会議員団に要請しました。赤嶺政賢衆院議員と仁比聡平参院議員が応対しました。すべての党の議員への要請の一環で、熊本県や新潟県の患者団体の代表ら9人が参加しました。

 代表らは、今年7月に自民・公明・民主などの賛成多数で成立した水俣病特別措置法について「さまざまな問題点を含んでおり、これだけでは水俣病問題が全面的に解決することはありえない」と指摘。同特措法が成立したにもかかわらず、熊本、大阪、新潟の各地裁で提訴された水俣病裁判の原告が増加していることを紹介しました。

 また、医師有志や被害者団体などが今月20、21日に、被害の実態把握のために実施する、不知火海沿岸住民の健康調査に、予想を超えて1500人以上の住民が予約するなど、救済を求める被害者の広がりも報告しました。

 代表らは「新しい政権が発足し、国会情勢が大きく転換しようとしているいまこそ、政治主導で水俣病の全面解決を」と訴えました。

 同全国連の構成団体の一つ、水俣病不知火患者会の女性(74)は、42歳ごろからモノを落とすなどの手足のしびれの症状が出たが、最近は腰痛などで苦しんでいると話し、「一刻も早い救済を」と話しました。

 男性(68)は、働き盛りの30歳ぐらいから、耳鳴り、こむら返りなどの症状が出たが、県外の職場だったので病院で健診しても原因がわからず苦労してきたことを訴えました。

 男性(64)も「メチル水銀に汚染された魚や貝を知らずにたくさん食べて育ったことが原因」と説明。年をとるにつれ、頭痛、耳鳴り、しびれなどの症状がひどくなっていると話しました。

 赤嶺、仁比両議員は「みなさんの要求にこそ道理があります。新しい政権に応えさせるため、日本共産党は、みなさんと力をあわせてがんばりたい」と応じました。(2009年9月18日(金)「しんぶん赤旗」)