○仁比聡平君
日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、議員の懲罰の問題についてお尋ねをしたいと思います。
言うまでもなく、議員の発言、討論の権利は議会政治の命です。この特定秘密保護法、そして今回の改正案や規程、規則によって、知り得た秘密を漏えいした場合には懲罰そして除名が行われ得るという仕掛けになっているわけですが、衆議院における規則の修正で、この懲罰の動議の提出は、これは国会法のとおりと。つまり、参議院では二十人が必要だという組立てになっていると思うんです。これは、つまりこれまでの国会法の運用と恐らく同様で、そうした動議が出された場合には、議運理事会の協議を経て、院議をもって懲罰委員会に付託をするというそうした動き、運びになるんだろうと思うんですが。
そこで、参議院の発議者にお尋ねしたいんですが、その懲罰の理由が存在するのかしないのか、そしてその懲罰には様々な処分があるわけです、その重みは何を根拠にして行われることになるのか。いかがですか。

○長谷川岳君
まず、意図的な懲罰が行われないようにしていかなければならないという認識の下に、情報審査会の会議録の中で情報監視審査会において特に秘密を要するものと決議した部分又は情報監視審査会に提出、提示された特定秘密を他に漏らした者に対しては、会長は懲罰事犯としてこれを議長に報告し、処分を求めなければならないことにしております。委員会、調査会に提出された特定秘密等についても同様であります。
この懲罰の存否でございますが、これは特定秘密を漏えいしたかどうかでございますが、この懲罰事由の存否についての最終的な判断は懲罰委員会での議決によると考えております。まずはそのようなところで。

○仁比聡平君
私は、何を根拠に判断をされることになるのかを尋ねているんです。

○長谷川岳君
これは、事実認定であると認識をしております。

○仁比聡平君
その事実認定がこの場合に、事この場合にですよ、どう行われるのか、少し皆さんに考えていただきたいと思いますけれども、漏えいといってもこれはいろいろあるでしょう。その非難の強さというのは、つまり何をしたのかに関わるんですね。すなわち、どんな秘密のどの部分をどう漏らしているのかということが問題です。どんな秘密で、そのどの部分をどんなふうに漏らしているのか。核心部分を全て暴露しているのか、それともほのめかしただけなのか。それは、その秘密会の中にいるメンバーには、つまり八人には分かるでしょうが、そのほかの議員には、参議院でいえばその余の議員には全く分からないでしょう。なのに、何を根拠に二十人がこの懲罰の動議に加わるだとか、あるいは議運の理事会でこの懲罰の事由が存在するとかしないとか、どうした処分が必要だとか、そんなことが判断できるんですか。

○長谷川岳君
そのことにつきましては、出席した委員会の報告によるものだと認識をしております。

○仁比聡平君
出席した委員からの報告というのは、特定秘密をその場合は明らかにすることができるんですか。

○長谷川岳君
特定秘密自体は出すことはできません。

○仁比聡平君
であれば、どうしてその懲罰事由が存在するのかしないのか、どうした懲罰がふさわしいのかという判断を、この規程二十五条二項のその議長に報告、処分を求めるその審査会長以外の議員はどう判断すればいいんですか。

○長谷川岳君
今のをもう一度繰り返すようですが、委員会による報告という認識をしております。(発言する者あり)

○委員長(岩城光英君)
速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(岩城光英君)
速記を起こしてください。

○長谷川岳君
これ、一般の懲罰においても、懲罰事犯の目撃者のいない場合もございます。ですから、様々な事情から判断するものと考えています。

○仁比聡平君
様々な事情というのは、長谷川理事はどんなものを想定していますか。

○長谷川岳君
それは様々なケースでございますから、一概にはお答えすることはできません。

○仁比聡平君
長谷川発議者も、議運理事として、この間、懲罰の動議の扱いに関わってこられました。今のおっしゃるような、何が秘密か、それは秘密であると。そうした下で、理事会や、あるいは本会議や、あるいは懲罰委員会で、あなた自身判断ができますか。

○長谷川岳君
もう一度繰り返すようですが、これ、様々なケースが考えられます。これは様々な事情から判断するものと考えています。
まずそれから、済みません、理事の方、座ってください。これは秘密会の委員会での……(発言する者あり)いやいや、今、私、答弁中……

○委員長(岩城光英君)
答弁だけ答えてください。

○長谷川岳君
はい。
秘密会の委員会でのこれは報告と全く同じであると認識をしています。(発言する者あり)

○委員長(岩城光英君)
速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(岩城光英君)
速記を起こしてください。

○長谷川岳君
まずは、答弁以外の発言をしたことに、おわびを申し上げます。
それと、お答えをいたしますが、様々なこれは事情から判断するものと考えております。そして、もう一つは、やはり秘密会の委員会での懲罰と同じであると、そのような認識を持っております。

○仁比聡平君
まず、様々な事情というふうにおっしゃるけれども、それは特定秘密を漏らしたかどうかということに関わる事実なのであって、今の御答弁からすると、秘密会に参加をしていた議員以外にはそうした様々な事情というのはつかみようがないと、そういうことになるのではありませんか。

○長谷川岳君
まず、この秘密会での、委員会での報告等がございますので、それに基づいて事実認定をするということでございます。

○仁比聡平君
それでは、実質的な理由が示されないまま審査会の会長報告の言いなりに、議運理事会も、そして院議全体が、懲罰委員会も含めて、全部実質的な理由を示されないままに恣意的に処分をするということになるじゃないですか。私は、絶対にそんなことに加担することはまかりならないと思います。あなた、そんなね、発議者がそんなことで国民代表である議員の身分を奪うということができるとでも思っているんですか。

○長谷川岳君
これは様々ケースがございますが、秘密会の委員会からの報告での、これは報告を基づいて事実認定をするというのがこの今回の規程案でございます。(発言する者あり)

○委員長(岩城光英君)
速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(岩城光英君)
速記を起こしてください。

○長谷川岳君
先ほどの懲罰事由の存否でございますが、懲罰委員会では特定秘密を実際に要求をして見た上で判断ということも可能かと思われます。

○仁比聡平君
その懲罰委員会の特定秘密の提供を求めることができるという根拠は何か。この間の議論でいうと、またその要求をして、審査会が議論をするということなんじゃないんですか。審査会が決めなければ明らかにしないということなんじゃないんですか。(発言する者あり)

○委員長(岩城光英君)
速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(岩城光英君)
速記を起こしてください。
御静粛に願います。

○長谷川岳君
特定秘密保護法の第十条のイでございます、一項の一号のイでございます。これは、各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会が国会法百四条一項又は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第一条の規定により行う審査又は調査であって、国会法五十二条第二項又は第六十二条の規定により公開しないこととされたもの。イに掲げる業務にあっては附則第十条の規定に基づいて国会における定める措置、イに掲げる業務以外の業務にあっては政令で定める措置をし、かつ、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときという、このようになっています。

○仁比聡平君
いや、長谷川さん、分かっていないでしょう。元々、特定秘密というのは、提出を求められて国会に出していれば何の問題も起こっていない。審査会で、特定秘密だから公開しないんだと、国会は提供を求めないんだということが決まった後に、そこで秘密を知っている人間が漏らしたとされるのかどうかという問題になるときに、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるから出さないというふうに政府が決めているのは当たり前じゃないですか。何でそれが懲罰委員会だけには開示されるのか、根拠がありますか。

○長谷川岳君
もう一度質問の趣旨からいうと、懲罰事由の存否につきましては様々なケースがあり得ますが、事実認定で行うべきと考えます。場合によっては、懲罰委員会では特定秘密を要求して実際に見た上で判断することも可能であると、そのように考えます。

○仁比聡平君
根拠と証拠があって初めて事実なんですよ。その認定を自ら認識することができずに、審査会長報告のみによって左右されるなんてあり得ないですよ。今の答弁、成り立たない。

○委員以外の議員(上月良祐君)
済みません、ちょっとやや混乱しているようでございますが……(発言する者あり)

○委員長(岩城光英君)
御静粛に願います。

○委員以外の議員(上月良祐君)
審査会で知った人がどこかで漏らしてしまった場合に、それが懲罰の対象になる。そうすると、それが懲罰委員会にかかる。そして、その懲罰委員会の人はまずは事実認定しなければいけませんから、審査会の委員長さんなりに来ていただいて、そして、それを漏らしたかどうかを説明を聞くわけですが、そのときに特定秘密を見る必要がある、見なければ懲罰委員会として判断できないのであれば、懲罰委員会が審査会に申請をして、懲罰委員会がまず政府に求めればいいですが、それで出てこなければ審査会に言って、そして、それを出すか出さないかを審査会で判断してもらって、そして、どうしてもそれが出さないと懲罰が判断できないというときであれば、そこは審査会の方で判断をしてそこに出させるように、何というんでしょうか、政府に求めるということなんだと思います。

○仁比聡平君
今のあなたの御答弁は私の質問時間を潰すだけの議論でしょう。本当にひどいですよ。
懲罰委員会に付託されるまでには、私も含めて、今の構成であれば、議運理事会を始めとした秘密会に参加をしていない議員の協議と合意が必要なんですよ。そして、院議による議決が必要なんですよ。何で、そんな懲罰委員会が付託をされたことをすっ飛ばして、前提にして議論するんですか。あり得ないじゃないですか。
結局、今私が問題提起をしている点についてきちんとした答弁がないということなんじゃないですか。私は、今の点について理事会できちんと時間を取って協議をしなければ、これ以上質問を進めることはできないと思います。

○長谷川岳君
今、上月議員が発言したとおりでもございますが、事実認定ができなければこれは懲罰にはならないと、ここははっきりしているところでございます。

○仁比聡平君
何で、議運理事会でも、あるいは議運委員会でも、本会議でもですよ、そうしたら、何を根拠に懲罰委員会に付託するんですか、動議を。その根拠がないじゃないですか。会長がどう報告しているかということだけで、言いなりになれというんですか、全議員に。

○長谷川岳君
二十人で動議を懲罰委員会に出すときに当たっては、これは一つは、完全にこれは特定秘密を漏らしたという形で認定されたわけではありません。疑いがあるとか、漏らしたという可能性が極めて高いと、そういう時点で二十人の動議が出せると、そのように認識をしております。

○仁比聡平君
これまでのこの本院における懲罰動議の提出や、あるいはその後の院議に諮るのかの取扱いについて、そんな、疑いがあるかないか、しかもその根拠さえない、そんなことで動議をあなた方は発議してきたのか。(発言する者あり)はいじゃないよ。そんなことで、根拠もないのに、疑わしいというだけで発議するのか。まして、議運理事会で院議に諮るなんてあり得ないじゃありませんか。
今の点は私は極めて重大な問題だと思いますよ。理事会で時間を掛けて協議をすべきです。委員長、よろしくお願いします。

○委員長(岩城光英君)
速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(岩城光英君)
それでは、速記を起こしてください。

○長谷川岳君
まず、疑わしいあるいは特定秘密を漏らした可能性があるという場合においては、二十人でこれは懲罰動議が上げられます。それを議運委員会においてこれを下ろすかどうかについては、それはまた議運の委員会の判断であります。ですから、そこで疑わしいだけでは駄目だとかそういう議論があった場合は、これは付託は下りないと、そのような認識をしております。

○仁比聡平君
疑わしいだけでは駄目なのは、はっきりしているじゃないですか。そんなこと当たり前ですよ。
私が尋ねているのは、それを判断する根拠は何かということです。つまり、今のお話の場面でいうと、議運委員会、議運理事会は特定秘密を開示されるんですか。

○長谷川岳君
基本的には、議長、副議長が出ておりますから、そこからの報告も踏まえて議運の中での判断をさせていただくということになります。

○仁比聡平君
ひどい話だ。
正副議長も審査会には参加をして発言はしたとしても、その中の秘密とされるべき議事録の部分だったり特定秘密は漏らしちゃならないんでしょう。そんなことをしたら、正副議長を懲罰にかけるということになるじゃないですか。何の答弁にもなっていない。もうこれ以上質問時間を消費させないでいただきたい。
理事会の協議を強く求めます。

○委員長(岩城光英君)
質問の続行を願います。
答弁があったら。

○委員以外の議員(上月良祐君)
議運で、もし特定秘密を見た上で判断しなければならないということであれば、それを要請をしていただいて、そしてそれが、政府が駄目だということであれば、審査会の方に審査を要求をしていただいて、そしてそこで議運の委員長と理事に言っていただいて、そして審議をしていただいて、そして議運に出していただくという判断があって、それがないとどうしても懲罰ができないということであれば、それをそこの審議で認めていただいて、そして出していただく。そして、議運でその特定秘密を見なければどうしても判断ができないということであれば、そういうふうにしなければ懲罰にはつながらないということだと考えます。

○仁比聡平君
どうして時間を止めてくれないのか。
このままの議論でこれ強行して、本当にそんな懲罰にかけるんですか。今答弁者が言っているのは、たらればの話であって、そんなの特定秘密が議運理事会に開示されるんですか。そんなのされる保証はないものによって議員の身分を奪うということをやるとするなら、これは審査会の多数派である議会多数党が恣意的に理由も示さずに国民代表の議員の身分を奪うと。議会政治の破壊にほかならないんですよ。あなた方、自らの答弁がそうしたことを意味していることを分かっていて言っているのかと。
しかも、衆議院の段階で改正された規則、元は秘密会に参加をしている例えば三人以上が提案をすれば懲罰にかける、そうした手続が始まるという組立てになっていたでしょう。それは、規則、規程によって国会法を変えるということはおかしいという趣旨で修正をわざわざされて、二十人以上、参議院でいうと、そういう国会法に基づくということになったんじゃないですか。
その提案をしておいて、国会法でこれまできちんと、与党と野党、立場は違っても、たとえねじれがあっても、議員の身分に関することなんだから、議会政治の命なんだから、きちんと厳格に行われてきた懲罰手続、これを疑いがあれば懲罰の動議が発議ができるだとか、そのまま懲罰委員会に付託していいだとか、あり得ないじゃないですか。あり得ない。このまま私の質問時間を時間が来たからといって終わりにして、このまま強行するなんてあり得ないですよ。理事会で協議をすべきです。

○委員長(岩城光英君)
答弁をお願いします。

○長谷川岳君
これはやはり特定秘密に関することでございますので、やはり国家にとって重要なこれは情報である、その認識に立てば、やはり、先ほども、繰り返すようですが、疑わしきは、あるいはその漏らした可能性があることについては懲罰委員会で二十人として動議をかけるというのは、これは当然の作業になるかと認識をしております。
以上です。

○委員長(岩城光英君)
時間が過ぎておりますので、取りまとめください。

○仁比聡平君
はい、委員長、分かります、時間が来ているのは分かっております。けれど、極めて重大な問題です。
今、長谷川発議者の答弁で、私は、はしなくも本音も出たかと思います。国家安全保障に関わる重要な秘密であるから、だからこういう手順だと言うんでしょう。それは、国家安全保障に関わる、そうしたおそれのあるそうした情報だから、つまり特定秘密だから、これを漏らしたという疑いがあれば、発議に加わり、議運理事会もそれを追認し、懲罰委員会に付託するということを言っているに等しいんだって。
委員長、改めて私は、この点についてはしっかりと議論をして、答弁をこれまでの国会法、憲法の運用に沿ったものとして整理をして、委員会を開いていただきたい。強く理事会での協議を求めます。委員長。

○委員長(岩城光英君)
それでは、時間が参りましたので、仁比君の質問を……

○仁比聡平君
委員長、今の私の求めに対しては。御発言を。

○委員長(岩城光英君)
後刻理事会で協議をさせていただきたいと存じます。

○仁比聡平君
終わります。

○委員長(岩城光英君)
午前の質疑はこの程度といたします。

─────────────

○仁比聡平君
日本共産党の仁比聡平でございます。
通告しておりませんが、大口議員に、ただいまの水野議員への答弁についてちょっと確認をさせていただきたい。
引用された秘密保護法というのは、つまり、秘密法二十三条二項の、十条で指定をされたその特定秘密を知得した者が漏らした場合に五年以下の懲役に処すといった、この知得者に対する罰則規定、刑罰規定、これを先ほど紹介されたわけでしょう。
この罰則規定が置かれているということと、その知得者に限って刑罰を科すということと、院内の問題として懲罰の対象とならないというのは、これは別の問題ではありませんか。

○衆議院議員(大口善徳君)
ですから、二十三条の二項の知得者の罰則、これは刑罰の問題でございます。それは、免責特権の対象になれば罰せられないということになります。
それから、懲罰については、院の秩序を乱す場合でございます。そういう点で、院の秩序を乱しておりませんので懲罰の対象にならないということです。

○仁比聡平君
先ほど水野議員が指摘をされた質問主意書などの場合について、院の秩序を乱しているか否かということは、この参議院審査会規程の二十五条の二項による特定秘密を他に漏らしたのかなどの、ここの懲罰事由に当たるのかという観点から恐らく考えられるんだと思うんですよ。
例えば、質問主意書の場合は、議員が提出するその案について議長は承認してこれを求めるわけですから、承認するという以上は、この規程二十五条二項に当たり得ないということにはならないのではないですか、参議院の規程発議者。

○長谷川岳君
もう一度御質問の趣旨をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○仁比聡平君
特定秘密保護法が規定をしているのは漏らした者に対する罰則なのであって、これは免責特権の範囲に入るのか入らないのかという憲法論です、の問題になります。
今私が問うているのは、院内の懲罰にかかるのか、除名されるのかという問題について、参議院の提案されている規程の二十五条の二項には、特定秘密を他に漏らした者に対しては、懲罰事犯として議長に報告し処分を求めなければならないとされているじゃないですか。それに当たるか否かというのは、これは特定秘密保護法と関係なく、この院内の議論あるいは動議などによって決まっていくことになるんではないですかということです。

○長谷川岳君
政府に質問主意書を出すというのは、議長の正当行為という観点では懲罰事犯には当たらないという認識です。

○仁比聡平君
そんなことはどこにも、二十五条の二項には書いていないし、午前中の私の問いに対するお答えの中で、もし善解して引用すれば、様々な事情のうちの一つというふうにおっしゃるのかもしれないけれども、こうした憲法の定める免責特権の範囲だとか、院外では処罰をされないが院内では懲罰、まして除名もされ得ると。
こういった問題について、答弁が定まらない、あるいは極めて曖昧だということは、午前中も、その懲罰事由の判断根拠について理事会協議を強く求めると私は申し上げました。委員長は後刻協議をいたしますと御発言をいただきました。
その後、お昼の休憩時間の間に、野党七党の国対委員長が委員長に申入れをしたと伺っています。私の会派から聞いているところによりますと、岩城委員長はこうおっしゃったそうです。申入れの趣旨は、今日の終局そして採決は絶対にならないと、継続審議をといった趣旨だったかと思うんですが、その申入れに対して、委員長は、しっかり受け止めたい、極めて重要な法案である、与党間での調整、各会派間においても努力をしていただき、理事会で協議をしたいという趣旨の御発言をされたと伺っています。
両筆頭も同席をされたかと思うんですが、私は、である以上、今日予定をされている審議を終えた後、理事会協議を行うということは当然だと思います。この今の時間までに理事会協議は行われておりませんから、理事会協議を行うということを、委員長、お約束ください。

○委員長(岩城光英君)
私は、先ほど野党の国対委員長の皆様方がお見えになったときに今のような趣旨の話を申し上げましたが、各会派間の、与党間の協議、各会派間の協議の上、必要とあらば理事会を開催するという言い方を申し上げましたので、それは筆頭間で御協議を願いたいと思います。

○仁比聡平君
是非、御協議をいただきたいと思います。
たくさんの質問が残っているんですけれども、大事な点についてまず伺います。
今日までの議論で、ここまでの議論で、情報監視審査会の事務局をどう構成するのかとか、あるいは情報監視審査室の物的防護をどうするのかとか、こうした問題について、予算も人数もあるいは人選の基準も全く丸投げ、ないしは規程においては空っぽということが明らかになりました。国会職員に対して行うという適性評価の組立てをめぐっても、国会職員法改正案に言う両院議長協議決定事項となっているこの中身が、今後議運の検討によるなどの発言も繰り返されているわけです。
私は、これほどの重大問題が、たとえ議運で今後検討といった形で委ねられたとしても、まさか理事間の口頭の申合せなどで済むなんということはあり得ないと思うんですね。現在の提案をされている規程や規則、これでは実際にどうするかは定まっていない、予算も分からないということなのであるならば、私はこうしたものはつくるべきではないと思いますが、立場は違ったとしても、この議論をした上で、そうした具体化を規程や規則という法形式で定めなければならないというのは当然のことだと思いますが、発議者、いかがですか。

○長谷川岳君
これは、あっ、ちょっとお待ちください。済みません。(発言する者あり)
失礼いたしました。
これは、実際には両院議長協議決定で定めるということを想定しております。
以上です。

○仁比聡平君
何を言っているんですか、問いと違うでしょう。
その国会職員法がそう書いてあるのは、それは改正案がそう書いてあるのは分かっていますよ。だけれども、それを議運で今後議論すると繰り返し答弁されているじゃないですか。その適性評価を誰がやるのか、どんな組織をつくるのか、どんな基準なのか、全く今日は答えずに、あるいは答えられずに、それは議運を始めとしたところで今後成立をさせた後に議論するんだとおっしゃっているじゃないですか。それは、情報監視審査室の物的防護をどうするかについてもそうです。その場所についてもそうです。こうした事項というのは、実際に情報監視審査会を動かす上で極めて重要な柱のことなんだから、それはここの規程には、あるいは規則には書いていないんだから、案には書いていないんだから、だったらば、これを実際に合意ができたら、規程や規則という形で定めないといけないんじゃないんですか。

○委員以外の議員(上月良祐君)
施設をどういうふうな基準にするかということは、それを規則あるいは規程にすべきものかどうかということは一義的に定まるものではないと考えます。

○仁比聡平君
いや、だったら、何でこんな規程だとか規則の案を提出しているんですか。

○委員以外の議員(上月良祐君)
施設については、情報を防護するために必要な措置を講じたということは書いてありますので、その中身に関しては、その規則、規程に書かなくても別の定め方があるのではないかというふうな意味でございます。

○仁比聡平君
何を言っているんですか。あなた方ね、わざわざこういうような規程や規則の案を作っているというのは、特定秘密を国会に提供をするかしないかという秘密保護法十条に関わって、秘密の防護措置がとられていないと提供はできないという仕掛けになっているからこれを作っているというんでしょう。
私は、特定秘密保護法は廃止すべきだと思いますが、そうでない立場の議員の皆さんからも、この防護措置というのが、保護措置というのが国会においてきちんとされているということにならなかったら、そもそも成り立たないじゃないかと、論理的に、という話じゃないですか、問題は、論点は。
これが今回の規程では定まっていないというのは、あなた自身が、あるいは長谷川さん自身が認めていることなんだから、発議者自身が認めていることなんだから、だったらば、その規程をきちんと改正するなり規則を出し直すなりしなかったら、動かすことなんてできるわけないじゃないですか。

○長谷川岳君
規程、規則というのは骨格を規定していると御理解をいただきたいと思います。
以上です。

○委員以外の議員(上月良祐君)
十一条に、特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じたと書いてございますので、その具体の詳細につきましては、この規程に書かずとも、違う定め方でいいのではないかというふうに申し上げております。

○仁比聡平君
今の御答弁は、つまり、この法案関連を今日仮に強行したら、後は俺たちが好き勝手にするぞと言っているのと同じですよ。こんな議論で議運理事会や委員会でどんな協議ができますか。
衆議院の段階では、昨日もちょっと紹介したようなインテリジェンスのプロをこの審査会事務局に入ってほしいだとか、そういう議論があっているわけで、そもそも何が、どんな審査会事務局をつくるのか、どんな役割を果たすのかということ自体も秘密裏に行っていこうなんていう、そういう腹ではないのかと、私はそこまで申し上げたくなる。
例えば、適性評価について、政府に準じてという議論がありますが、政府の運用基準というのは、政府のスケジュールでも早くたって秋ですよ。今後、この規程や規則を通したからといって、あとは法形式で定める必要はないんだということであるなら、その政府が定めるものをそのまま手放しでこの参議院が従って適性評価を行うということにでもなるのか。
審査会に入る速記者も含めてそのクリアランスの対象になるんだと昨日、今日答弁があっていますけれども、その中身は、例えば飲酒の節度、あるいは薬物の影響や精神疾患、そして信用状態などのプライバシーを洗いざらい調べ上げるものですよね。秋の国会の議論では、この飲酒の節度について、本人の申告だけで信用できるわけないんだから、居酒屋に追跡していって様子でも聞くのかと、確かめるのかと私が問うたら、政府はそれを否定しなかったですよ。精神疾患について、クリニックに心を病んで通っている、そうした方が主治医を信頼して吐露している、そうした情報について、例えば公私の団体だからだということで適性評価の対象になるといって照会を掛けられたら、政府の答弁は、これは回答する義務があるという、そういう性格のものですよ、適性評価というのは。
政府の運用基準はそうした考え方でこれから作られていくんでしょう。それを認めることは絶対にあり得ないけれども、政府が勝手にそうしたものを作っていって、それに準じて国会の職員の皆さんにそうした適性評価を掛けるとでも言うのかと。
そんな適性評価を受けるのは私は同意できませんと、今日、福山先生からもそうした趣旨の御議論もありましたが、私、それに同意をしなかったときに、絶対に人事評価の上で不利益な扱いを受けることはあってはならないと思いますが、発議者はいかがですか。

○長谷川岳君
御指摘のとおり、提案者としては、国会職員又は国会職員になることが見込まれる者に対する適性評価というのは、行政機関の職員に対する適性評価と同程度のものを想定をしております。
したがって、適性評価を実施するためには評価対象者の同意が必要であり、適性評価を受けたくないと思う国会職員又は国会職員になることが見込まれる者は、その同意しないことによって適性評価を受けないことも可能であります。また、同意しないことを理由に不利益な取扱いを受けることはないと考えています。
以上です。(発言する者あり)

○仁比聡平君
どこに担保があるのかと、今、声が上がっているとおりです。
私の時間が迫っていますから、森担当大臣に伺いたいと思います。
特定秘密保護法の三条は、その特定秘の要件の中心として、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものという要件を挙げています。
これは、今回提案をされている国会の中に置くという情報監視審査会に、政府の判断で、求められても秘密は提供しないことが認められる内閣声明の中心理由として挙げられている我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれと同じです。我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあると時の政権が判断しているからこそ、特定秘にしている、特定秘密にしている。
だったらば、同じ、事情が変わるわけないわけだから、審査会に提供することが本当にできるのか、あるいはするのかと。それでも国会の審査会に提出するんだという場合というのは、これはどんな場合なんですか。

○国務大臣(森まさこ君)
今般の国会法改正は、これによって、国会において特定秘密の提出を受ける際の手続、その他国会における特定秘密の保護措置が講じられることとなりますので、従来と比べて国会に機微な情報を提供できる環境が整うこととなるものと考えております。
国権の最高機関たる国会から特定秘密の提供が求められた場合には、政府としては、これを尊重して適切に対応することとなるものというふうに考えております。

○仁比聡平君
その保護措置が全く定まっていないというのが先ほど来議論しているとおりですから繰り返しませんが、私、森大臣にもう一問聞きたいんですよね。
国会の定める保護措置の度合いというのが、つまり、あれでしょう、国会の定める保護措置の度合いに応じて判断するわけでしょう。国会の定める保護措置の度合いが政府として特定秘密を提供するに足るだけのものになっているという判断というのは、これは政府が行うんじゃないですか。

○国務大臣(森まさこ君)
はい、そのとおりです。

○仁比聡平君
結局、安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるのか否か、あるいは、国会の審査会が提供に足る保護措置を定めているのかどうか、それから、昨日発議者には伺いましたけれども、今度の改正案の附則で検討事項とされている、特定秘密には至らないけれども様々な事情で公表されないということになっている情報、これはあたかもこれから先、また大きなルールを作らないと提供できないかのような、そんな議論になっている。
そうした秘密を国会に提供するかどうかというのは、これは結局は政府、行政機関の長の判断に懸かってしまうのであって、そうとなれば、監視などと言うけれども、個別の秘密を審査会は閲覧することさえできないということになるんじゃないんですか。それは、国権の最高機関である国会の上に行政機関を置くものにほかならないと。それこそが、何が秘密か、それは秘密だという特定秘密保護法の本質であって、私は、監視ではなく、断固廃止をするほかないと思いますが、大臣、いかがですか。

○委員長(岩城光英君)
時間が参っておりますので、簡潔にお答えを願います。

○国務大臣(森まさこ君)
本法案の成立、施行によって、国会において特定秘密を保護するための必要な措置が講じられることとなることから、基本的には、行政機関の長は情報監視審査会の求めに応じ、特定秘密を提供することとなるものと考えます。
他方、例えば第三者に提供しない条件を付して提供された情報や人的情報源といったごく一部の情報については、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、国会法等の規定に基づく内閣の声明を出し、提出を拒否することもあり得ます。しかし、この内閣の声明というのは、内閣が、つまりその判断をする行政機関の長以外の閣僚も入った内閣において判断をし、政治責任を懸けて声明を出すものというふうに考えております。

○仁比聡平君
終わりますが、国会の憲法から求められる在り方を根本から壊しかねない重大な問題であって、これからまだまだ徹底した議論が必要だということを強く申し上げて、質問を終わります。