○仁比聡平君

日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、今回新設されようとしている多重代表訴訟について伺いたいと思います。
多重代表訴訟を我が国の会社法に設けること、このこと自体は極めて重要なことだと私思っているんです。ですが、改正案にある最終完全親会社の議決権の一%条項を中心とした極めて限定的なものとされているのは大いに疑問があるわけです。
そこで、まず最高裁にお尋ねしたいと思いますけれども、現在の株主代表訴訟について、この五年間のいわゆる新受件数はどんな推移でしょうか。

○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
お答えいたします。
平成二十五年の全国の株主代表訴訟の新受件数は九十八件でございます。平成二十一年以降、およそ七十件から百十件の間で新受事件は推移している状況でございます。

○仁比聡平君
この年間百件にも満たない、百件前後という株主代表訴訟の件数を踏まえて、日弁連や東京弁護士会からは、これが濫訴の傾向があるなどとは言えないという指摘があるわけです。
法制審の中間試案に対するパブリックコメントでは、経団連や全銀協などのいわゆる経営側から濫訴のおそれがあるという反対意見が強く出された、そういう経過があるわけですけれども、年間の新受件数およそ百件というのは、日本の株式会社は約二百四十八万社あるんですね、上場企業は約三千五百社と、この全体の会社の数から見たって少ないと言うべきだと私は思います。
そこで、法務省に伺いたいと思うんですが、現行の株主代表訴訟について、濫訴であるという認識がおありなんでしょうか。あるいは、何をもって濫訴と定義をするんでしょうか。

○政府参考人(深山卓也君)
今委員も触れられたとおり、この改正法案の前提となる法制審議会の会社法制部会の議論の中で、多重代表訴訟制度を創設すると濫訴を招くおそれがあるという指摘がされました。ただ、この部会の議論の中で、どういうものが濫訴であると、あるいは具体的にどういう類型の濫訴が想定されるというような細かな議論、指摘がされたわけではないものと承知しています。
一般的に、濫訴に該当する代表訴訟の類型としては、その提起が原告である株主あるいは第三者の不正な利益を図ることを目的とする場合、あるいは、株式会社またその最終完全親会社等に損害を加える、嫌がらせ等々ですが、損害を加える目的で訴え提起をする場合というものが挙げられると、一般論としては思います。
そして、改正法案では、こういった場合には多重代表訴訟の提起は認められないというルールを設けているところでございます。

○仁比聡平君
今局長が、こういった場合が一般的には問題ではないかというふうにおっしゃった類型のようなものは、現在でも詐害的なものとして現行法でも制約されている、そうしたものではありませんか。

○政府参考人(深山卓也君)
もちろん、現行法の下でも制約をされているというのはそのとおりです。

○仁比聡平君
例えば、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合はこの限りでない、その場合は株主代表訴訟を認めないというふうになっているここのただし書なんですけれども、この現行法によるただし書と、法制審の中間試案をめぐって議論をされた濫訴のおそれがあるという際の濫訴というのは、これは同じ定義ですか。

○政府参考人(深山卓也君)
先ほどもちょっと申し上げたとおり、法制審議会の議論で、こういう類型の濫訴がある、こういう類型の濫訴のおそれがあるということが具体的に特定されて議論がされたわけではございませんので、定義が同じかと言われるとちょっとお答えに困ってしまうところがあるんですが、一般論として申し上げれば、先ほど言ったとおりのものが濫訴であり、という意味では共通だろうと思います。

○仁比聡平君
結局、濫訴のおそれがあると、何だかよほど大変なことが現場の株主代表訴訟をめぐって起こっているかのような議論がされながら、その定義さえ明らかにされないままなんですよね。
実際、経団連などからは、経営のダイナミズムが失われるとか、戦略的な親子会社関係の構築がためらわれるとか、訴訟リスクへの対応に多大なコストがあるなどの反対意見が述べられてきたかと思います。そうした中で、多重代表訴訟の権利行使を濫訴と言うのかと、あるいは現行の株主代表訴訟の提訴を濫訴と言うのか。
最高裁にもお尋ねしておきたいと思うんですが、中間試案に対して最高裁からも、濫訴防止のため、多重代表訴訟の提起権を少数株主権とすべきであるという意見が述べられていると思います。これは、現在の株主代表訴訟がいわゆる単独株主権であるということに対して、そのまま多重代表訴訟を認めるべきではないと。この改正案では一%というふうになった少数株主権とすべきであるという御意見だと思うんですが、最高裁も株主代表訴訟は濫訴であるという認識なんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
お答えいたします。
まず、パブリックコメントに対する回答について御説明させていただきます。
会社法制の見直しに関する中間試案に対して最高裁が提出したパブリックコメントは、これは、最高裁が中間試案について現場で裁判実務を担当している裁判官に情報提供をし、これに寄せられた意見を取りまとめて提出したものでございます。したがいまして、これは最高裁としての意見を表明しているものではございません。ただ、取りまとめた意見の中に濫訴防止を指摘する意見があったことは委員の御指摘のとおりでありますけれども、その意味内容等については、一般的に濫訴のおそれとして理解されているところのものを指しているというふうに承知しているところでございます。

○仁比聡平君
つまり、一般的な理解というものを超えるものではない。年間およそ百件の提訴されている株主代表訴訟が、その訴権を濫用しているものであるだとかいうような具体的な分析が少なくとも示されているわけではないと思うんですね。
取りまとめたという御答弁でしたのでちょっとお尋ねをしますけれども、何人ぐらいの裁判官から濫訴という趣旨の意見があったんですか。

○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
お答えいたします。
情報提供をして、それに対して意見のあったものを集約しております。今、記憶は定かではございませんけれども、幾人かからの意見の中にそういう指摘があったというふうに記憶しております。

○仁比聡平君
幾人かと。幾人というのは、つまり一桁くらいの裁判官の認識という意味にしか取れないと思うんですが、ちょっと念のために確認します、そういうことでいいですか。

○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
お答えいたします。
ちょっと記憶が定かでありませんので具体的なことを申し上げることはできませんけれども、ただ、濫訴のおそれの具体的な内容についてまで指摘していた意見はなかったのではないかというふうに記憶しているところでございます。

○仁比聡平君
結局、濫訴のおそれということが新設される多重代表訴訟を極めて限定されたものにしてしまう根拠とされて、そこに最高裁の名前まで出てくると、そうした意見を述べたという者として最高裁の名前まで出てくる。やっぱり最高裁が言っているといったら、これはよほどのことかというふうに思われるのかもしれないが、実際には幾人かなどという話でありまして、どうも根拠がないのではないか、濫訴のおそれというのは決め付けなのではないかと私は思わざるを得ないわけです。
日弁連や東京弁護士会、あるいは株主代表訴訟を行使してきた弁護士のグループなどからは、濫訴の実態に関する立法事実は何ら示されていない、あるいは、親会社の取締役と子会社の取締役との間の人的関係から見ると、子会社の株主である親会社が子会社の取締役の責任を追及する訴えを提起することを期待することは必ずしもできるとは言えないと、そうした意見が述べられています。まして、この新設しようとしている改正案は、いわゆる最終完全親会社の株主についての権利なわけですから、最終完全親会社の取締役がその子会社の取締役の責任を追及するかというこの場面というのは期待ができないではないかという声が上がるのは当然の批判だと思うんです。
そこで、法務省に改めて、そもそも株主代表訴訟というのはどういう趣旨、意義が求められているのか、そして、多重訴訟を今回新設する、その要件は別として、その趣旨は何なんでしょうか。

○政府参考人(深山卓也君)
株主代表訴訟は、株式会社の取締役、監査役、執行役等が株式会社に対して損害賠償責任を負う場合に、その株主が株式会社に代わって取締役等の責任を追及する訴えを提起することができると、こういう制度でございます。
これは、取締役等の間の人的な関係や仲間意識から株式会社が取締役等の損害賠償責任を追及することを怠るおそれが類型的、構造的に存在していると、そのために、株式会社の損害が賠償されず、株式会社ひいてはその株主が不利益を受けることから、株主自らが取締役等の責任を追及する訴えを提起することを認めようという趣旨に基づくものです。そして、こういった株主代表訴訟には取締役等の任務懈怠を抑止する機能もあるという指摘がされております。
ところで、今回設けようとしている多重代表訴訟ですけれども、これは、企業グループの頂点に位置する株式会社の株主がその子会社や孫会社の取締役等の責任を追及する訴えを提起することができることとする制度でございます。
近年、御案内のとおり、持ち株会社形態や完全親子会社の関係にある企業グループが多数形成されるようになっておりまして、こういった企業グループにおきましては、実際に事業活動を行う完全子会社の企業価値がその完全親会社である持ち株会社の企業価値に大きな影響を与えることとなっております。
他方で、株式会社の取締役等が株式会社に対して損害賠償責任を負っている場合には、株式会社の取締役等とその完全親会社の取締役との企業グループ内の人的関係や仲間意識から、同様にやはり完全親会社が株主としての代表訴訟を提起して取締役等の損害賠償責任を追及することを怠るおそれが類型的、構造的に存在しております。そのため、株式会社の損害が賠償されない、結果として、完全親会社ひいては完全親会社の株主の利益が損なわれるということになるおそれがあります。そこで、こういった地位に置かれる完全親会社の株主を保護するために多重代表訴訟制度を今回新設するということにしたものでございます。

○仁比聡平君
まず、最後におっしゃった株主を保護するためにという趣旨というのはそのとおりだと思うんですけれども、株主代表訴訟が提起されることによって企業経営を事後的に監視するという有効な仕組みではないかと思います。経営責任がこの株主代表訴訟を通じて明確になっていくという、そういう効果もあるのではありませんか。

○政府参考人(深山卓也君)
御指摘のとおり、株主代表訴訟制度、あるいは多重株主代表訴訟でも同じですけれども、取締役の任務懈怠を抑止する機能がございますので、株主から取締役に対するチェックの機能もあると思っております。

○仁比聡平君
にもかかわらず、先ほど局長が御答弁の中でおっしゃったように、親子関係において責任追及を怠るおそれがあるわけです。実際、親会社と子会社の代表取締役が同一人物であるというケースは多々あるじゃないですか。資本は子会社を完全に支配している、実際の事業はその子会社によって行っているんだが、重大な失敗、経営責任が追及をされる事態が起こっても、親会社は、自分が支配しているし、代表者は自分であるから、だから責任追及がなされないという中で、社会的に企業が担っている事業や、私がこの会社法の審議の中でずっと申し上げている、その従業員も含めたステークホルダー、この権利や利益が大きく害されていく、損なわれていくということがあってはならない。株主代表訴訟や新設される多重訴訟がきちんと経営を監視するという機能を果たしていかなければ、作った意味がないと思うんですよね。
例えば、近時問題になりましたカネボウの化粧品をめぐる事件がありました。あの事例というのは、カネボウは花王の一〇〇%子会社で個人株主はいないわけです。株主代表訴訟が提訴されてもおかしくない事例だけれども、だけどもそうした実態にあるという企業がたくさんあって、もちろん親会社の株主も損害を受けているんだけれども、個人株主で一%条項ということになると、これをクリアできる株主というのはなかなかいないんですよね。
実際に今の日本の証券市場を考えてみましたら、公開会社で一%条項という原告適格に該当するのはいわゆる大株主になるかと思います。相互の持ち合いなどをしている機関投資家ももちろんあるでしょうし、事業にはさして関心はない巨額の投資家という人たちもたくさんいるだろうと思うんですね。こういった人たちが、株価が最大のときを狙って売却してその利益を得るということを中心にその証券をどうするかということを考えているときに、多重代表訴訟を提訴するなら自らが株主であり続けなきゃいけないということのために売却もできなくなる、自ら自身の損害ではないという会社の不利益や将来の会社事業の健全な発展のためにということで手間暇掛かる株主代表訴訟を提訴するのかというと、これはなかなか期待できないじゃないかという批判が上がるのは、私当然だと思うんですね。
これ、どうして一%条項ということにこだわられたんですか。

○政府参考人(深山卓也君)
既に委員が触れられたとおりですが、現行の株主代表訴訟制度は、いわゆる単独株主権、その提起権は単独株主権とされております。
ただ、今回設ける多重代表訴訟は、通常の株主代表訴訟とは異なって、原告となるべき最終完全親会社の株主と、責任を追及される完全子会社の取締役等との間の関係が完全子会社を介した間接的なものになります。そのため、多重代表訴訟は最終完全親会社の株主が完全子会社が被っている損害についての利害関係をある程度強く有している場合に提起権を認めるのが適切であるというふうに考えられます。そこで、多重代表訴訟の提起権は、最終完全親会社の株主が一定割合以上の議決権又は株式を有していることを要する権利、すなわち少数株主権とするのが相当であろうと考えられました。
もっとも、多重代表訴訟制度を導入する趣旨から考えますと、親会社の株主の保護ですから、持ち株要件を殊更に過重なものとするのはもちろん適当ではございません。そこで、現行法上、少数株主権として要求されている持ち株割合として最も小さいものが総株主の議決権の一%であることを踏まえまして、今回の改正法案ではいわゆる今の一%条項という要件を入れたものでございます。

○仁比聡平君
この点で大臣に、御感想でも結構なんですけれども伺いたいと思うのは、この当委員会の参考人質疑で、法制審の会社法制部会長をお務めの岩原紳作先生がおいでいただいて、その御意見の中で、濫訴の懸念等の御主張もありましたので、非常に限定的な多重代表訴訟の制度にしておりますという御発言だったんですよ。私は伺っていて、そうした主張があるものだからそんなふうになっちゃっていると、どうも岩原先生の御本意でもないのではないかというほどのニュアンスを私は感じたんですけれども。
先ほど来確認をされている多重代表訴訟を新設する経営監視の機能、そうした趣旨が結局実質的に機能しないと、現実の株主構成だとかその思惑だとかいうことの中で現実には機能しないということになったら、結局、仏作って魂入れずということになるのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君)
私は、株主代表訴訟それから多重代表訴訟、先ほど局長が答弁いたしましたように、取締役の任務懈怠を防いでいくというか抑止していくという機能を持っていまして、それは非常に有益なものだと思います。
他方、株主代表訴訟の場合は単独株主でもできる、こっちは一%だと、それはおかしいじゃないかという御指摘ですね。しかし、私も確かに子会社の方が、先ほど民事局長が答弁したとおりでございますが、間接的なものになっているから、どこが妥当なのかというのは、何%が妥当なのか、あるいは一%が多過ぎるじゃないかとかいろんな御議論があると思いますが、今までの会社法の少数株主を見ますと、一%というのがあるわけでございまして、その少数株主権というのは必ずしも機能していないわけではないんだろうと思います。
私も、今後いろんな事案が起きますときに、果たしてこの一%がどういう機能を発揮するのかというのは、今後とも関心を持って見ていきたいと思っております。

○仁比聡平君
私は、実際によく状況を見極めながら見直していくべきだと思います。
最後に、水俣病問題について改めて伺っておきたいと思います。
まず、特別議決の適用除外にするんだという修正案の提案者に今日もおいでいただきましたが、当委員会の参考人として不知火患者会の大石会長がおいでになりました。その御意見についての提案者としての御認識を伺う機会が持てませんでしたから今日お尋ねしたいと思うんですが、痛みを感じない、自らの腕をはさみで突き刺してやっぱり痛みを感じないということを確認したことが大石さんはあります。また、あの会議録などをお読みになられたかもしれませんけれども、かわいい孫を風呂に入れてやろうとあやしながらつかったらそれが熱湯で、自分は熱湯でも熱さを全く感じない、だけど孫が泣き叫んで、慌てて飛んできた奥さんから殺す気かと言われた。こうした水俣病被害者の苦しみをどう受け止めているのか。
問題は、そうした被害者がなお多く手を挙げられないでいるということなんですね。それは、これまで地域だとかあるいは年齢で線引きをしたり、あるいは認定基準を極めて厳しいものにして水俣病被害だと認めないできた、そうやって切り捨ててきた国の、政府の水俣病政策の結果なんですよ。にもかかわらず、どうしてチッソの責任逃れに手を貸すのかと。残されている多数の被害者がチッソから補償が受けられなくなる。この叫びに提案者はどう答えるんですか。

○衆議院議員(西田譲君)
もう仁比議員の被害者の方々に本当に気持ちを寄せられるお話に、私はいつも敬意を持って拝聴させていただいているところでございます。
そして、せんだっての大石参考人のお話でございます。この水俣病の公式認定から五十八年になります。本当に長い間その被害に苦しむ方々に私自身も思いをはせながら拝聴させていただいたところでございます。
だからこそ、水俣病の被害についてこれ以上地域の紛争を長引かせてはいけない、あるいはそういった意味で、水俣病の被害者の方をあたう限り救済するんだということの中で、平成二十一年の自民、公明、民主の先生方における協議の中でこの水俣病特措法が成立したものだというふうに改めて認識をしたところでもございます。
そして、大石参考人もおっしゃっておられました、チッソを優遇するような修正案ではないかということでございましたけれども、これは、この修正案の提出の趣旨の説明でもさせていただきましたが、決してチッソを優遇するといったことではなく、水俣病特措法のスキームを維持すると。
今回の会社法の改正というのは、まさしくコーポレートガバナンスの強化若しくは株主の保護、こういったことでございますが、水俣病特措法は、もう先生十分御承知のとおり、被害者を救済するためのものでございますから、そこに今回の会社法修正といったものによって法的根拠を追加するようなことがあってはいけないと。また、こういったことにつきましては、我が党の園田議員から事前に大石参考人の方にも説明をさせていただいたところでございます。しっかりと理解をしていただくように努力をしていかなければならないと改めて感じたところでございます。

○仁比聡平君
園田議員がどんな説明をどなたにされたか知りませんけれども、これほどの怒りが噴き上げている。実際に特措法も、そしてその申請の打切りも、政府が行うことによって、多くの被害者たちが切り捨てられようとして、苦しんで叫びを上げているじゃないですか。問題を解決したいというんだったら、その被害者たちの声を聞くということが当然大前提でしょう。
時間が迫りましたから環境省にお尋ねをしたいと思いますけれども、この六月の五日、加害企業チッソは、最大の被害者団体である不知火患者会の協議の申入れ、懇談の申入れを門前払いして拒絶をいたしました。昨年の六月も同様です。その話合いに、申入れに応じないという、今年五月二十九日付けのチッソ株式会社代表取締役社長森田美智男氏の回答書には、当社といたしましては、貴申入れに応じなければならない状況にはないものと認識しておりますので、貴申入れにつきましては固くお断りいたします。
こんな態度を取っている加害企業チッソ、被害者の声も聞かない、自らの株主の議決もこうして適用除外をさせる。そんなふうにして、多数党に支えられた、環境大臣の認可さえあれば事業会社の株式を全て売り払って責任逃れるなんというようなことを、そんな認可をあなた方するんですか。私、絶対に許されないと思いますが、御認識を伺います。

○政府参考人(塚原太郎君)
お答えいたします。
水俣病対策を進めるに当たりましては、議員御指摘のように、被害者の声をよくお聞きすること大変重要であると思います。環境省といたしましても、日頃から真摯に被害者の方々のお声を伺うよう努めているところでございます。
また、一般論といたしまして、水俣病の原因企業が被害者と向き合うことは極めて重要であり、チッソにもそのようにお伝えをしているところでございます。
また一方、個別の団体の個別の面会要請に応じるか否かといったような問題につきましては、個々の当事者間の関係の中での判断も入るということと思いますのでこの場でコメントをすることは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、被害者の声を聞きながら水俣病対策に取り組んでまいりたいと考えております。

○仁比聡平君
向き合っていないじゃないか。
終わります。