日本共産党の仁比聡平前参院議員と田村貴昭衆院九州ブロック比例候補は10月13日、長崎県諌早市森山地域を訪れ、諌早湾干拓事業の背後地にあたる同地域で起きた湛水(たんすい)被害について、高橋徳男氏(諌早干拓土地改良区理事長)らと再発防止に向けて意見交換しました。
高橋氏らは、諌早湾干拓事業推進の立場で漁民の求める潮受け堤防の開門には反対の立場。開門を主張している日本共産党の調査に同行するのは初めてです。
湛水被害は、8月23日深夜から24日未明にかけて降った大雨で、森山干拓地の大豆畑40ヘクタールが水に漬かり全滅したものです。同日、諌早市・半造川周辺でも水があふれ、真夜中に住民が避難する事態となりました。
調査は、農水省の「諌早湾干拓事業による潮受け堤防の閉め切りと調整池の管理で防災は解決する」との宣伝にもかかわらず、繰り返される水害に対して、再発防止の立場から行われました。
高橋氏は、市の職員とともに工事中の排水機場を案内。排水設備整備や地下水のくみ上げによる70センチを超える干拓地の地盤沈下を訴えました。高橋氏は「開門反対」の点では意見を譲らなかったものの、森山の排水設備が長年放置されてきたとして、「国は旧干拓地を忘れていたのではないか」とのべました。調査に同行した「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する会の岩井三樹氏は「要望があれば国に伝える」と高橋氏らに提案しました。
調査後の住民との懇談で、漁業・農業ともに両立する開門の実現が必要であることを再確認しました。
調査には西田京子、中野太陽両諫早市議、佐賀県の松尾征子鹿島市議が同行しました。(しんぶん赤旗 201年10月16日)