○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書の是認に反対、内閣に対する警告及び決算審査措置要求決議案をそれぞれ決議することに賛成、国有財産増減及び現在額総計算書是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認には賛成する立場から討論を行います。
 本決算の反対の理由の第一は、間違ったアベノミクスの行き詰まりのしわ寄せを国民に押し付け、暮らしを痛め付けた点です。
 一七年度予算審議でも、安倍総理は全国津々浦々で好循環が生まれていますと言いましたが、既に当時、労働者の平均賃金は、安倍政権発足後、実質で年十九万円も減り、実質家計消費支出は前年度比マイナスを続けていました。日本経済の六割を占める個人消費が冷え込む下で好循環など生まれていなかったし、そして今日、一層深刻な景気後退局面に至っていることは明らかです。しかも、安倍政権の下で、財政は健全化するどころか、日銀の異常な金融緩和でつくり出された超低金利に支えられるという財政のゆがみは一層ひどくなっています。
 一七年度予算編成に当たっては、とりわけ子供の貧困が先進国の中でも最も深刻であることが指摘されましたが、この貧困と格差を正すことに背が向けられました。
 本決算は、社会保障費の自然増分を三年間で一・五兆円も抑え込むといって千四百億円抑制したことを始め、社会保障の各分野で国民に負担増と給付減を強いたのです。文教予算も中小企業対策費も農林水産関連予算も減らし、格差をますます深刻化させたことは重大です。消費税一〇%増税は中止すべきであります。
 反対理由の第二は、日米同盟第一の立場で世界でも異常な米国追随の姿勢を鮮明にし、進めてきた点です。
 安倍総理は、トランプ大統領と会うたびに日米同盟の強化ばかりを強調し、より大きな役割及び責任を果たすと言って、新ガイドラインと安保法制、戦争法に基づく地球規模での米軍と自衛隊の軍事協力、海外で戦争する国づくりを推進してきました。本決算で軍事費の決算額五兆二千七百四十二億円は最高額を五年連続更新する大軍拡です。
 米軍新基地建設について、辺野古が唯一の解決策としがみつき、沖縄県民が繰り返し示す民意を踏みにじり、新基地建設を強行してきました。断じて許されません。直ちに中止し、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去を米国に強く求めるべきです。
 反対理由の第三は、JR東海のリニア新幹線全線開通を前倒しするための三兆円の財政投融資や、総事業費一兆五千九百七十五億円もの東京外郭環状道路など、不要不急の大型公共事業を優先していること。
 そして第四に、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルにしがみついてきたことです。原発再稼働と核燃料サイクルを断念する政治決断を強く求め、反対討論とさせていただきます。