○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
大臣も、また委員会の皆さんも大変お疲れさまでございます。
昨日、後半戦の投票日を迎えました今度の一斉地方選挙でも、被災地で多くの被災者の皆さんが生活再建に懸命な努力をされながら、やっぱり大きな困難にぶつかっているということを皆さんお感じになられたんではないかと思います。これまでの枠を超えて、そうした被災者の皆さんの要求に本当に応えて実現をしていくという政治の責任が問われているのではないかと私は思うんですが。
その下で、資料をお配りいたしましたが、昨年七月の西日本豪雨から十か月がたとうとしています。その中で、まず、皆さんよく御存じかと思いますけれども、倉敷市の真備の状況についてお尋ねをしたいと思います。
一枚目の資料は国土地理院の浸水推定段彩図ですけれども、これハザードマップとほぼ一致すると。浸水深が一番深いところで五・八メートルで、ほとんどのおうちが二階まで水没をいたしました。つまり、ハザードマップで予見をしていたのにその被害が防げなかったという痛恨の教訓を私たち学ばなきゃいけないわけですね。
資料を一枚飛ばしまして、三枚目は岡山県に作っていただいた資料ですけれども、真ん中に黒く写っているのが氾濫した小田川です。その支川として、県管理の河川が破堤もし、氾濫もしたわけですが、その下で五十一名亡くなられた方の御自宅の位置をこの黒丸で示しているわけですね。ほぼ九割の方が六十五歳以上の高齢者でした。二階建てのおうちだったのに、一階で溺死、水死をされたという方々がたくさんいらっしゃいました。せめて二階や屋根へ避難の支援ができていればと、そもそも堤防が決壊をしなければと、これは本当に痛恨の思いがするのですが。
昨年十一月に災害対策特別委員会で、これは山本大臣に、住民に開かれた科学的な検証、縦割りを排した流域全体の総合的な検証が必要ではないかと、そうでなければ住民が安心して元の生活に戻ることはできないじゃないかと、住まいを再建するということだってできないじゃないかと問うたわけです。
今日は石井国土交通大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、配ればよかったんですが、お手元にはありませんが、倉敷市が住まいの再建に関するアンケート調査を行いました。大臣御存じかと思いますけれども、三千三百三十六人の方が回答をしておられていて、持家の方がたくさんいらっしゃるんですね。その多くの方が、自宅を建て替えて住みたい、自宅を修繕して住みたいと、つまり真備に戻りたいというふうにおっしゃっているんだけれども、一方で、堤防の強化、小田川の付け替えなどの進み具合というのが住まいの再建に向けた課題だと答えた方が二千百二十七人もいらっしゃるんですね。
ここにも私たち政治の責任ということが示されていると思うんですが、この災害の検証、それから今後どうするかについて、国交大臣、どんな御認識でしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の岡山、昨年の七月豪雨の岡山県真備町の被災につきましては、本川の高梁川の水位が上昇して、それが支川の小田川に影響して、いわゆるバックウオーター現象と言われる現象によりまして小田川が破堤をしてこれだけの大きな被害が生じたというふうに認識をしてございます。
この状況を踏まえまして、昨年の年末に政府で策定をいたしました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策におきましては、同様の被害を防ぐために、全国の河川の点検をいたしまして、同様の被害を防ぐような対策を今後講じていく予定でございます。
○仁比聡平君 その緊急三か年対策も背景にしながらというんでしょうか、資料の四枚目に、高梁川水系大規模氾濫時の減災対策協議会、これを拡大再編するという取組が今行われておりまして、その政府資料の中から趣旨の部分をお配りをいたしました。
この減災対策協議会の拡大再編というのはどういう趣旨なのか。元々、今大臣お話がありましたけれども、高梁川本川が急激に増水して小田川のバックウオーターを生んだと。その大きな主因として、上流域に十四、ダムがあるんですけれども、このうち、中国電力が管理する中国地方最大の新成羽川ダム、あるいは岡山県が管理する河本ダムなどの異常放流、これが高梁川本川の急激な増水につながった、そのことによって逃げ遅れるという事態が起こったんではないか。加えて、大きなおうちが壊される、流失させられるなどの被害も広がったのではないかという問題意識の下に、例えば総社の市長さん始め流域の自治体の首長さんたちが、このダム管理に関する協議会、これつくるべきだと求めていたんですね。私、それに応えるものにこの拡大再編をしていかなきゃいけないと思うんですが、国交大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) 従来も、例えばこの減災対策協議会等で議論しながらいわゆる水害タイムラインの作成等を進めていたと思いますけれども、昨年の被害の状況を踏まえまして、ダムの放流状況など様々な情報を関係機関が迅速に共有し、適切な住民避難につなげるような、そういった新たなタイムラインの作成にも着手をしていると承知をしております。
そういった今後のこの高梁川水系のハード、ソフト対策を組み合わせた防災・減災対策を協議するという趣旨で新たに拡大再編をされたものというふうに承知をしております。
○仁比聡平君 この減災対策協議会の拡大再編の趣旨というのはとても重いものがあるんじゃないかと私は思って大臣にわざわざ御答弁をいただいているんですけれども、ちょっとはっきりしないんですが。
これ、大臣、あれですよね、ダム管理者、つまり中国電力、県営ダムについてはもちろん岡山県ですけれども、中国電力をこの新たな構成機関として加え、本協議会を拡大再編するということになったと、この趣旨そのものにそう書いてありますが、これは、発電ダムである新成羽川ダム、これも河川法に基づいて国が権限をお持ちなわけですが、この防災・減災という観点でしっかりとコントロールしていかなきゃいけないという問題意識に基づいているものであるはずなんですね。
加えて、その協議会の議事録などにも出てきますけれども、これまで、確かに減災対策協議会というのはこれまでもほかの川でも置かれていました。けれども、それは国直轄管理の部分や県管理の部分、そういうのが別々に行われてきたのであって、高梁川の水系全体を、県管理も国直轄部分もそれからダムの管理者も、これ全部一緒に集まって取り組むというのは我が国で初めてのことなんじゃありませんか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
昨年の七月豪雨により甚大な被害を受けました高梁川流域におきましては、委員御指摘のような問題意識もございまして、新たに発電用ダムである新成羽川ダムなどの利水ダムの管理者も参画をいたしまして、高梁川水系の大規模氾濫時の減災対策協議会を昨年十二月に開催をしておりまして、その中でダムの操作方法について議論しております。御指摘のように、これは日本で、我が国では初めての試みだというふうに認識をしております。
また、中国電力株式会社におきましても、学識経験者や河川管理者等から成ります技術検討会を本年一月に設置をしておりまして、利水ダムでございますのでダム構造上の制約等はございますけれども、そういったものを踏まえて、本来治水機能を持たない発電用の新成羽川ダムにおけます治水を目的とした事前放流等の実施可能性の検討を行っているところでございます。
今後、その検討結果を減災対策協議会でも議論をした上で、事前放流が実施可能な場合には本年梅雨時期から実行に移してまいりたいというふうに聞いております。
○仁比聡平君 今局長から御答弁あったように、極めて重要な、しかも初めての取組なんですね。これを被災者の立場に立って流域全体を総合的に検証して、今御答弁の中にあった事前放流、あるいは避難に結び付くタイムラインというものに結び付けていく、必要なハードの河川整備はもちろん進めていくということが私、とても大事だと思うんですね。
そこで、もう一度その拡大再編の趣旨、御覧いただけたらと思うんですが、なぜこういう初めての取組をするのかと。「高梁川水系では、この豪雨災害において、それぞれの地域における災害時の降雨や河川の水位、ダムの放流状況、避難指示等の防災情報の提供の仕方やタイミング、これまで公表しているハザードマップなどが、住民の的確かつ迅速な避難行動や社会経済被害の最小化、公共交通機関の運行見合わせや道路の交通規制などに結びついていたのかなど「地域の安全・安心な暮らしを守る」うえで、新たな課題が明らかとなりました。」とあるわけですね。
これ、つまり、今読み上げたような要素が結び付いていなかったということをしっかり自覚して、その総括の上に立って、徹底した検証の上で対策を立てていかなきゃいけないという趣旨だと思うんです。
次のページに、資料のページに、今局長から御答弁のあったタイムラインについてどんな考え方で取り組むのかというのが右下の方にあります。多機関連携型のタイムラインを検討し運用していくという方向なんですけれども、その上に趣旨があります。「河川の上・下流や本・支川間では、ダムの放流状況や流域に降る降雨の状況により、河川水位の上昇・下降に時間差が生じる」。
いや、これそのとおりですけれども、これ今回の西日本豪雨を経験をしなくても、そんなこと当たり前じゃないかと私は思うんですが、局長、いかがですか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
今回の豪雨被害を受けまして様々検証を実施をしておりますけれども、その中で、例えば流域の自治体の皆様方からは、ダムの放流量は、これは操作ルールに基づきまして情報は流れていたわけなんですけれども、ダムの放流量だけでは、それが河川の水位にどのような影響を及ぼすのかといったことに十分リアルに認識を持つことがなかなか難しい面があるといったような、こういった御指摘がございまして、そういったことを踏まえて、今回、ダムの管理者なども含めた形で、こういったタイムライン、事前の防災行動計画のようなものをしっかりと作っていく必要があるというふうな認識を持ったということでございます。
○仁比聡平君 あたかも、関係自治体とかあるいはダム管理者とか、あるいは今回、報道機関だとか交通事業者もこの検討会に参画をしていただいているわけなんですが、そうした関係機関の側が理解が不十分であるかのような表現に今聞こえるんですよね。果たして本当にそうなのかと。高梁川そのものを、あるいは小田川を管理する責任を持っている国がどんな認識を持っていたのかが徹底して問われなきゃいけないと思うんですよ。
先ほど来局長も御答弁になっている新成羽川ダムあるいは河本ダムの異常放流は、昨年七月の六日の夕方から急激に行われるようになりました。経過でちょっと皆さん思い起こしていただくと、気象庁が、これは大変な豪雨になると、これ災害が起こるということで警鐘を乱打したのが七月五日なんですね。その翌日、七月の六日の十六時頃から線状降水帯がこの高梁川流域にずっと掛かって、ここから急激に、ダムの流入量とそれから放流量が急激に増えていくわけですよ。
この新成羽川ダムのグラフを見ますと、十六時頃から流入量が急増して、その後、十九時には高梁川本川に合流する地点で危険氾濫水位を超えて、二十時頃には毎秒千二百トンを超えるという放流になる。二十二時半には毎秒二千トンを超える放流になる。新成羽川ダムは、最大放流量にその夜中二十二時半頃に達して、それから翌日のお昼頃までずっとそれだけ放流し続けるんですね。
この新成羽川ダムの異常放流といいますか、ただし書操作、これを国交省が知ったのはいつかと私、十一月の委員会で問いました。それまでずっと御答弁にならなかったんだけれども、初めて十七時〇二分のことですと答弁をされたんです。
私、今度の質問に当たって、更に驚いたのは、小田川の管理の問題として委員会に資料が配られているんですが、河川事務所が最初に自治体に対するホットラインを発したのは二十一時三十八分なんですね。それも、小田川に、矢掛というところに水位観測所がありますが、ここの水位が避難判断水位になった、避難判断水位を超えて初めて自治体に避難判断水位を超えたよという連絡をしたんじゃありませんか。十七時二分には上流で異常放流が始まっているということを知りながら、二十一時三十八分、つまり四時間三十六分経過しているんですが、その間何にもやっていないんじゃありませんか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
新成羽川ダムの放流量が増加する旨につきましては、ダムの操作規程に基づきまして関係機関に通知がされておりまして、御指摘のとおり、中国地方整備局の岡山河川国道事務所には七月六日の十七時〇二分にこの通知が参っております。
通知を受けました岡山河川事務所におきましては、国が管理する高梁川、それから御指摘の小田川に設置をされた水位観測所の水位の上昇を注視をしておりまして、それを踏まえて、水防法に基づき関係自治体への洪水予報の通知等を行っておりまして、それと併せまして、必要に応じてホットラインによって情報伝達を行ったところでございまして、二十一時三十八分にこの小田川の上流の矢掛の観測所の水位が避難判断水位を超過したことをもってホットラインでこの旨を連絡をしたところでございます。
○仁比聡平君 いや、つまり、私が言っているとおりじゃないですか。十七時二分に上流のダムが異常放流を始めたと、そういう操作になる。しかも、気象状況を見れば、線状降水帯がそんなに簡単に動かないというのは分かっているわけじゃないですか。その下で、もしそれがずっと続いたら、その異常な降雨が続いたら、この数時間後には小田川との合流地点に急激な増水が起こると。そうすると、小田川そのものも大変な降水量、降っているわけですから、流域には。そうすると、昭和四十七年災害を始めとして過去繰り返し経験してきたバックウオーターが起こるというのをこれ想定するのが河川管理者の責任じゃありませんか。
であれば、もしそうなら、十七時二分にそうした事態が上流ダムで起こっているということが分かった時点で、例えば倉敷市に対して、これ深刻な事態になり得ると、もしかしたら小田川も破堤するかもしれない、県管理の今回破堤した高馬川や末政川はそうなるかもしれない、だから早く避難をさせなきゃいけないと、そういう連絡をする、情報を共有するというのは、ここは大臣、当然じゃありませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 今局長が答弁いたしましたとおり、七月の六日十七時二分に岡山河川国道事務所がダムの放流量が増加する旨の通知を受けています。通知を受けた岡山河川事務所では水防法に基づき関係自治体へ洪水予報の通知等を行っておるわけでありますが、その点が、今委員も御指摘がありましたけれども、水位が上がる直前だったのではないかという御指摘もあります。そういったことも踏まえまして、よく検証してしっかりと改善をしていきたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 よく検証すると。もちろんですよ。去年の七月に現実に起こってしまった、現実に真備では五十一名の方が、それから、高梁川流域ですね、上流の新見から高梁市や総社市、そして倉敷、大きな被害が出ていますから、現実に起こってしまった被害ですから、それは取り返しが付かないですよね。そこから私たちが徹底してその要因を検証して絶対にこんなことが起こらないようにすると。高梁川流域はもちろんですよ。この高梁川流域での減災対策協議会の拡大というのは初めての取組だから、ここに学んで全国の河川の徹底した検証と安全の対策を行わなければ私ならないと思うんですよ。
大臣、確認ということになりますが、つまり大臣がおっしゃった検証していかなきゃいけないというポイントは、上下流や本支川間で、ダムの放流状況や流域に係る降雨の状況によって、河川の水位の上昇、下降に時間差が生じる、だから、目の前では水位がまだ低いと思っていても何時間後にはここは大きな急激な増水する可能性があると、やっぱりそういうことを想定して関係自治体を含めて避難行動につなげなきゃいけない、そういうシミュレーションをちゃんと河川管理者がやらなきゃいけない、ダム管理者なんかにはそれに協力してもらわなきゃいけないということなんじゃありませんか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
昨年の水害を踏まえまして、有識者の方々の検討委員会をつくりまして、そこで様々な検討を進めております。その中で、情報の出し方についても更に改善をする余地がある、必要であろうということをおっしゃっていただいておりますので、そういったことを踏まえまして、しっかりと情報の伝達の在り方、あるいはその情報の意味を事前から自治体、流域の皆様に知っていただく努力ということをしっかりとしてまいりたいと思います。
また、観測の精度を上げるということも必要だということで、例えば小田川、真備町におきましては、発災直後でございますけれども、洪水時に特化した簡易型の、危機管理型の水位計と申しておりますけれども、これを設置をいたしまして、そういったものを地元含めて情報共有をする体制を取っております。
こういった取組を全国に広めてまいりたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 今日は、大臣も局長もそうした御答弁ぶりしかできないのかもしれませんけれども、先ほどの三枚目の資料、県の提出いただいた資料をもう一回御覧いただきたいと思いますが、この小田川の、一番高梁川合流点近くに合流する末政川という川の左岸が決壊して、十二か所で十五人の方が亡くなりましたけれども、これ、七月七日の朝七時頃の話なんですよ。つまり、五日の気象庁の警鐘、あるいは六日の夕方にダムの異常放流を河川管理者が知ったとき、そのときに避難が発せられていれば、この方々は亡くならなくて済んだでしょう。そこに痛恨の思いを持ってしっかりと対策を取っていただきたいと思います。
七枚目の資料に、これ私が発災後に小田川の左岸堤防が破堤した地点から小田川の中を撮ったものです。これ御覧のとおり、ジャングルになっているわけですよね。小田川に架かっている橋よりも高い樹木があって、これ平成二十九年の河川整備計画には樹林帯と書かれていて、こうした樹林化が流下を妨げるというふうに書いてある。
ところが、これ災害が起こるまでこのままだったわけですよ。この後に言わば慌てて国交省の方で伐採をされました。今きれいになっていますけれども、これが再びジャングルになっていくということになったらとんでもないわけですが、これはどんなふうに取り組むんですか。
○政府参考人(塚原浩一君) 国が管理する河川におきましては、おおむね五か年の具体的な河川維持管理の内容を定めた維持管理計画等に基づきまして、樹木伐採等を含めた計画的な維持管理に取り組むこととしております。この中で、河川の流下能力について管理目標を設定をいたしまして、定量的に測量等により確認を行いながら、これを維持するよう必要な樹木伐採等を実施しております。
高梁川の維持管理計画におきまして、小田川では当面の管理目標として、河川整備計画を策定いたしました平成二十二年の流下能力を維持することを目標としておりまして、これを踏まえまして、平成二十七年度から五か年で約二十五ヘクタールの樹木を伐採する計画を立てまして、平成二十九年度までに約十五ヘクタールの樹木を伐採しておりました。平成三十年三月時点におきましても、概略的な流下能力評価を行って、この管理目標を満足していることを確認しておりました。
一方で、今回、小田川におきまして災害がございましたので、小田川におきまして災害後緊急的に治水安全度の向上を図るために樹木の伐採を実施をしております。また、伐採した樹木の再繁茂につきましても対策が必要というふうに考えておりまして、これにつきましては、河川内の状況を日常の巡視や定期的な測量等により把握をしながら、河川管理上の支障の有無を勘案した上で適切に対応策を取ってまいりたいというふうに思っております。
また、今般、伐採を実施をいたしました河川敷につきまして、公園やあるいは牧草地などとして地域の皆様に活用していただくということによりまして再繁茂を抑制をしていくと、こういった取組につきまして地元倉敷市等とも連携を図りながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 元々ここの河川敷というのは田んぼなどに使われていて、その当時は当然こんな山になったり森になったりはしなかったんですよ。これをグラウンドなどの使用で、言ってみれば住民管理で維持していこうということになるわけで、これ、小田川の教訓を全国の河川にしっかり生かす必要があると思います。
大臣、この河道確保、それから大臣が被災直後地元でお約束もされた、小田川の付け替えを五年以内に完了するんだと、そこに向けて県の管理の支川も五年間の激特事業で集中整備するというふうに聞いていますけれども、事業の途中、これ五年で集中して整備必ずしてもらいたいと思います。
その上で、事業の完成するまでの間はこれ一体どう取り組むか、再度災害防止のためにはどうされますか。
○国務大臣(石井啓一君) 本年の二月の八日に、倉敷市、岡山県、国の三者によりまして真備緊急治水対策プロジェクトを策定いたしまして、三月二十五日にはこのプロジェクトの役割分担や実施時期を定めた行動計画を決定いたしました。この中で、小田川合流点の付け替えはもちろんでありますけれども、小田川の掘削、堤防強化、そして末政川、高馬川、真谷川の堤防かさ上げ、堤防強化などを実施することとしておりますが、これらについては順次効果を発現をいたします。
また、昨年八月から、地域の住民が水位状況をリアルタイムで確認できるよう、洪水時の観測に特化をいたしました危機管理型の水位計を小田川とその支川に九か所新たに設置をいたしまして、関係機関への情報提供を開始をしておりまして、今後も様々なソフト対策を実施していくこととしております。
この激特事業が完成するまでの間におきましても、これらソフト対策、ハード対策一体となりまして真備地区の防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 そうした取組はされながらですけれども、小田川の付け替え、これ五年間で完了するというふうにおっしゃった、これの進捗にも、住民の皆さんの不安というのは、あるいは疑問というのはこれたくさんあるんですよ。加えて、それが進まない限りは、もちろん土地はあるんだけれども、そこに自宅を再建するというのはこれもう難しいと。やっぱりそれが現実だと思うんですね。
その下で、ちょっと時間が限られてきましたけれども、被災者支援策についてお尋ねしたいと思います。
環境省に公費解体の取組の、各被災自治体がどういうふうに今取り組んでいるかについて資料を作っていただいてお配りをしましたが、残念ながら多くの自治体で申請が一旦打ち切られているんですよね。私は、真備と同じように、迷っていらっしゃる方、そしてこうした支援が必要な方、まだいらっしゃるんじゃないか、置き去りにされているんじゃないかとも思います。
真備のある倉敷市でいいますと、延長はされたけれども六月末ということで期限が一旦限られているわけですが、これ、被災者のニーズがある限り支援を打ち切るべきではないと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(松澤裕君) お答え申し上げます。
環境省では、市町村が実施いたします災害廃棄物の収集、運搬及び処分費用について、先生御指摘の公費解体、これも含めまして災害等廃棄物処理事業費補助金による財政支援を行っております。
被災した全壊家屋などの撤去に関しましては、被災市町村の策定した復興計画などを踏まえて、市町村において通常一定の期限を設けているものと承知しております。
家屋の撤去の申請に際して悩んでいる被災者がおられるということも先生おっしゃられましたけれども、市町村から私ども伺っております。一方で、早期の復興を望む声もあるというふうに承知しております。
環境省といたしましては、被災市町村におきまして、被災者の声を聞きながら、そのニーズを聞きながら適切に申請期限を設定してもらう、これは延長も含めてでございますけれども、そういったことも含めまして、現在の補助制度を最大限効果的に活用いたしまして、円滑な災害廃棄物の処理に向けて必要となる応援を実施していきたいと考えております。
○仁比聡平君 自治体が被災者の声を本当に受け止めていくことができるように、今環境省も被災者に寄り添ってというお話ありました。是非そうした方向で柔軟に頑張ってもらいたいと思います。
最後、一問。三原市、広島県の三原市が作っていただいた資料をお配りをしています。
これ、自然斜面とか、裏山なんかですね、それから造成団地の擁壁やのり面などが壊れたときに、国交省が今既存で持っている補助策というのは、十メーター以上の崖じゃなきゃ駄目だとか、十戸だとか五戸の被保全家屋がなきゃ駄目だとか、いろいろ厳しいんですよ。
それで、ここにあるように、熊本市なんかでは、事業費から五十万円を控除した額の三分の二、事業費が一千万円を超える場合は六百三十三・三万円までというようなこの補助の事業を独自に組んでいて、それが三次市だったり府中市だったり府中町だったりということであるわけです。
これ、こうした支援がないと自宅の再建ということ、これできないというのが現実で、今の、これまでの枠組みというのはそれはそれとして、その必要があるということ、支援をしようという方向でこれ検討いただきたいと思いますが、これせっかくですから、山本大臣、いかがですか。
○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。
住民の生命、財産を守るということは非常に大切でございまして、まずは、自然斜面などの急傾斜地の崩壊等から被害の発生を未然に防ぐための事前防災がまずは重要であるというふうに思っております。
このために、平成三十年七月豪雨を始めとした近年の災害の教訓を踏まえて、昨年十二月に防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめたところでもございます。
この中で、砂防関係施設の整備を始めとして百六十項目の緊急対策に現在集中的に取り組んでいるところでございまして、この三か年緊急対策を効果的に実施するために、これまでの国の支援が行われていなかった事業についてもいろいろ対応していこう、例えば、分野は違いますけれども、公立学校のブロック塀、これをやり替えようとか、あるいはまた老朽化等による農業ハウスについての補強や防風ネット、これも新たにその支援制度を新設しようということで今対応しているところでございます。
このほか、災害復旧事業の実施に当たりましては、これまでも大規模災害において早期に激甚災害の指定見込みの公表を行うなど、適切な制度運用にも努めているところでございます。
今お話しの砂防も含めて、今後とも、その砂防事業等についても、自治体等の課題も踏まえつつ、国土交通省を始めとする関係省庁と連携をして自治体等への支援に適切に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
○仁比聡平君 これまでの枠を超えた支援がなければ、被災者が現実に置き去りにされるということになります。
今日もう時間がなくなりましたので、通告していた医療費の免除や介護リフォーム、あるいは、仮設住宅の入居期限などのこれ被災者のニーズに応じた延長あるいは柔軟な適用というのはどうしたって必要だと思います。強く求めて、質問を終わります。
ありがとうございました。