【18.05.21.】196国会5月21日決算委員会「障害者ビジネスが“営利企業の食い物に”」

196回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

私は、障害者就労継続A型事業所の大量解雇問題についてお尋ねをしたいと思います。

二〇〇六年の障害者自立支援法によって、政府は、営利本位の企業までが障害者就労継続事業に参入できるようにされました。その下で、障害者福祉を食い物にするあしきA型と呼ばれる障害者ビジネスが横行し、この間、全国各地で経営破綻と障害者の大量解雇が起こっています。

岡山県倉敷市では、二〇一七年七月末、あじさいの輪など、あじさいグループ五事業所が破綻し、高松を含む二百二十四名が突然解雇されました。さらに、今年三月、株式会社フィルが破綻し、百七十一名が解雇され、解雇予告手当や賃金の未払も発生いたしました。この二社との関係が指摘される広島県福山市、府中市のしあわせの庭など二事業所も昨年十一月破綻し、百十二名が解雇されています。

資料の二枚目を御覧いただきたいと思いますが、山陽新聞二〇一七年九月三日付けのインタビュー記事ですが、就労継続支援A型事業所全国協議会の萩原義文副理事長は、運営会社の実態解明が不可欠だ、悪質な業者は事業所を肥大化させた末に倒産させ、受皿となる別の事業所をつくって新たに補助金を受け取る、障害者支援の名の下に補助金ビジネスを許してはならないと述べておられます。そのとおりだと思います。

そこで、加藤厚生労働大臣に、まず全国で相次ぐこうした事態に対する認識を伺いたい。

○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘ありました倉敷市あるいは広島県福山市、府中市で就労継続支援A型事業所の事業廃止がございました。解雇された方はトータルで五百一名に及んでいるところでございますし、私自身も岡山を選挙基盤とする立場でありますので、当初よりこの問題、大変高い関心を持って取り組ませていただきました。そして、実際、いまだ再就職先が決まっていない方が百九十三名、こういう状況であります。

まずは再就職先を確保するために、倉敷市など関係自治体とハローワークが連携を取りながら就職面接会の開催などの支援を行っているところでありまして、一刻も早く再就職が決まっていない方の再就職先の確保、特に、中には雇用保険の受給資格がある方もいらっしゃいますけれども、だんだんその期間も短くなっておられますし、また受給資格がない方もおられますので、そういったことも含めて、まず再就職先の確保に全力を尽くしていきたいというふうに思っております。

○仁比聡平君 まず再就職の支援というのはこれ当然のことなんですけれども、私は、こうした事態に対する認識、ここを大臣、はっきりさせていただきたいと思うんですね。問われているのは、そもそも、障害者福祉事業の収益を食い物にするような業者の参入を認め横行させてきたという国の責任だと思います。

今まずお話のあった再就職問題ですけれども、再就職先が決まっていない方が、あじさいグループで二十七名、フィルで百四十三名、しあわせの庭二十三名に上っています。これ、国が一人残らず、最後の一人が再就職できるまで支援を続けると。これ、県労働局が現場では奮闘されているようですけれども、この県労働局が統括するということでよろしいですか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。

厚生労働省といたしましては、就労継続支援A型事業所が廃止される場合であっても、まずはその前に利用者の再就職先を確保することが大切だと考えております。このため、事業所の指定権者である各地方自治体に対して、利用者の希望に応じ、他の就労継続支援A型事業所等への利用調整を確実に行うように依頼しているところでございます。

加えて、廃止前ももちろんですし、廃止後であっても安心して就職に向けた活動が進められるよう、ハローワークが地方自治体と緊密に連携しながら、雇用保険制度の説明会や事業所説明会、就職面接会の開催などによりまして再就職に向けて一貫した支援を行ってきたところです。

引き続き、地方自治体を始めとする関係機関と連携しながら再就職の支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 依頼するというだけではなくて、最後の一人まで国が責任を持つということを強く求めておきたいと思います。

そこで、大臣、なぜ岡山県で大量解雇が起こっているのか、どうして広がったのかと。その要因の一つに補助金目当てのビジネスモデルを広げたコンサルタント会社があります。これ、株式会社プロジェというコンサル会社が例えばありますが、ホームページで、年商五億円、社会貢献ができ、収益率も高く、景気に左右されない福祉事業などとうたって、給付金がもらえる、特定求職者雇用開発助成金がもらえる、運営は楽で、既存事業を給付金で安定運営しながら更に事業利益を狙うことができるなどと言って事業者を拡大をしたわけです。あじさいグループもフィルもそこに深い関係があったと。

自立支援給付金というのは一日五千円以上、特定求職者雇用開発助成金、これ特開金と呼ばれていますけれども、これ利用者一人当たり最大三年間で二百四十万円、報奨金一か月二万円と。ですから、就労支援とか福祉の心ではなくて、まさに補助金目当てで障害者をかき集め、あじさいグループなどは事業所当たり六十人、それを最大八か所までも拡大したわけですね。

こうした障害者ビジネスを、大臣、どうして防げなかったのか。岡山県で大量解雇が起こっている要因について、これ政府として実態を徹底して調査し、制度の在り方、運用上の課題を検証すべきではありませんか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。

委員から御指摘がありましたが、事業所の指定権者である各地方自治体におかれては、御指摘ありましたが、限られた人員体制の中で、適正な事業運営の指導とか監督あるいは事業所指定の審査に御尽力いただいているというふうに承知しております。

一方、厚生労働省では、不適切な運営を行う事業所があるとの実態を踏まえ、昨年、二十九年四月に、地方自治体に対しまして、まず一つには、生産活動収益により利用者の賃金を支払うことができる事業計画となっていなければ新規の指定を行わないこととするということとともに、また、指定時に事業計画が問題がなく指定した場合でも、指定の半年後を目途に実地調査をするというようなこととしています。また、既に指定を受けている事業所につきましても、生産活動収益から利用者の賃金を支払うことができない場合には、経営改善計画の提出を求め、経営改善の状況を不断に確認しながら必要な指導を行うというふうにしているところでございます。また、生産活動収益から利用者の賃金を支払うことができている事業所につきましても、定期的な実地調査を実施するという確認の手続を改めて明示したところでございます。

今後も、多くの障害のある方が解雇されるといった事態を繰り返さないためにも、こうした取組を通じ、適正な事業所の指定や必要な指導を行っていただくよう、引き続き指定権者である地方自治体に依頼していきたいと思っております。

○仁比聡平君 自治体が限られた人員で尽力していると、だからといって許される話じゃない。昨年、一昨年辺りから改めて明示したという御答弁ありましたけれども、そんなことで本当にいいのかと。営利企業の参入を許した規制緩和がなければこうした事態は起こらなかったわけですね。現に発生した重大問題を検証して再発防止を尽くすのは、これ最低限の国の責任だと、私、思うんですね。大体、破綻や解雇に至る前に、指定や指導でどうして排除されなかったのか。

更に聞きますが、このプロジェというコンサルは、事業認可が肝だが、弊社はノウハウとコネクションを持っていると強調をしております。本件でその指定権者というのは倉敷市なんですが、三月中旬に山陽放送の特集番組を見て、私、驚きました。倉敷市は、指定拒否は原則取らないので市側の責任とは考えていない、破綻は想定外と言っているんですね。

これ、本当に補助金目当てのビジネスでも事業所指定することになっているんですか。特開金の支払が切れたら利用者に最低賃金を払えなくなるような経営実態を、一度指定したら行政は放置するような仕組みなんですか。大臣、あり得ないでしょう、これ。指定権者の権限や責任はどうなっているんでしょうか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。

営利法人がA型の事業所の事業に参入してきたということでの御指摘でございますが、まずは、多くのところでは、福祉的な発想だけではなくてその事業収益も一定程度確保するというところで一定程度の成果は上がっているのではないかというふうに思っておりますが、委員御指摘のように、この仕組みの中で一部そういうコンサルのようなものが入ってきて、一部の地域ではございますけれども、そういうA型事業所が存在するということは厚労省としても承知しているところでございます。

そこで、繰り返しになりますが、昨年の二十九年四月からは運営基準を見直しまして、この運営基準について地方自治体に対してこの運用を徹底していただいて、健全な事業運営をできるかどうか十分に確認していただくということが重要だというふうに考えております。

また、今年の四月の障害福祉サービス等の報酬改定におきましても、A型事業につきまして、補助金を目当てとした安易な参入を防止して支援コストに見合った適正な報酬とする観点から、利用者の平均労働時間に応じた報酬を支払う仕組みに見直したところでございまして、これらの累次の見直しによって、A型事業所については利用者にしかるべき労働の機会を提供していただく仕組みを強化しておりまして、引き続き、不適正な運営を行う事業所がなくなるように努めてまいりたいというふうに考えております。

○仁比聡平君 いや、承知しているでは済まないんですよ。

一枚目の資料を、大臣、御覧いただきたいと思うんですが、これ、一見しただけで、えっと驚くようなチラシをこの業者は新聞折り込みで大量に配布したわけです。障害者の方大募集、就労お祝い金三万円プレゼント、御自宅から事業所までの送迎完備などといって、雇用型の就労支援で働ける方かどうかも抜きにして障害者を大量にかき集めようとする意図は明らかでしょう。こういう大量宣伝がされたら、補助金目当てではないかという強い問題意識を持って指定の是非を検討するとか監査指導を行うというのは、これ当然なんですね。先ほどの副理事長さんは、人は誰かの役に立ち、必要とされることで自尊心や誇りが生まれる、労働とはそれだけ尊く、障害者の働く意欲や機会を奪うことは罪深いとおっしゃっています。

これ、大臣、こうした大量解雇が起こっている要因を政府として実態調査し、検証すべきじゃないですか。大臣、いかがです。大臣。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 今委員からも御指摘をいただきましたが、そういうA型事業所の経営の状況というか、作業収益から賃金が払えているかどうかというような調査につきましては昨年実施いたしまして、その結果を踏まえまして、いろいろ、今般の通知を発出させていただいたり報酬改定をさせていただいたというところでございまして、これらの取組をしっかりしていくことによりまして不適正な運営を行う事業所がなくなるようにしてまいりたいというふうに考えております。

○仁比聡平君 ここまでの問題が起こっていながら、検証するとも言えないと、とんでもないと言わなきゃいけません。

先ほど御答弁にあったように、昨年四月に、賃金の支払に要する額は原則として自立支援給付をもって充ててはならないという運用基準の見直しが行われて、これまで真面目に頑張ってきた事業所から、三年で黒字にする経営改善計画を出して頑張っているけれども、それは夢のような話だ、一般事業所で働けないからうちに来ている、この上営業しろなんていうのは無理な話だ、国の制度に照らし合わせればうちはペケだというような厳しい怒りが噴き上がっているわけですよ。

大臣、こうした頑張ってきた事業所を潰すような、こんなこと絶対してはならないでしょう。

○委員長(二之湯智君) 仁比さん、時間。

○仁比聡平君 それも併せてしっかり検証すると、大臣、一言答弁ください。

○委員長(二之湯智君) 簡潔にお願いします。

○国務大臣(加藤勝信君) 実態については、今部長からもお話を申し上げたように、実際の調査をし、そしてそれに基づいて今経営改善をそれぞれ計画を出していただいて、それにのっとって我々一つ一つ見させていただいておりまして、別に一律に指定を取り消そうということを考えているわけではなくて、それに向けた努力をしていただいているところ、具体的には幾つか基準を出させていただいておりますけれども、そういったところに対しては、更に追加的に経営改善計画を提出し、事業を継続していただけるように措置をしているところであります。

そういった意味で、頑張っているというのは何をもって頑張っていると、なかなか判断ありますけれども、真面目に取り組んでいただいているところ、今状況は悪いけれども前に向かっていこうとするところ、これに対しては様々な支援措置も含めてそうした取組が具体的な姿になり得るよう、我々としても応援をしていきたいと思います。

○仁比聡平君 徹底して検証して、抜本的に制度を見直すことを強く求めて、今日は質問を終わります。


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