○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
深刻な非正規切り下の生活保護の活用に絞って伺います。
まず、舛添大臣、派遣村の取組で、求職活動や再就職、生活保護決定や住まい確保にたどり着いた方の実績と、大臣の受け止めをお尋ねしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) まず、就職の方でございますけれども、約三百人のうち百三十九人が求職登録を行いまして、職業相談を実施いたしました。生活保護の方は二百七十二件の保護の決定があります。
全力を挙げてこの生活支援、就職支援、住宅支援、こういうことをやってきたわけでございますので、一人でも多くの方々が自立をし、生活を確保していただきたいと思っております。

○仁比聡平君 大臣、現場では予想をはるかに超えて、健康を損なった方々で医療相談も殺到いたしまして緊急入院も相次ぎました。職と同時に住まいを失うということがどれほど深刻か。
大臣は、生活と再就職にとって住まいを失うことの重みをどのようにお考えですか。

○国務大臣(舛添要一君) これは大変深刻だというふうに思いますので、ハローワークにおいて特別相談窓口を十二月に開きまして、就職の支援、生活の支援、それから派遣村の方々に対しても住み込みで、就職すればすぐ住居も確保できる、こういう求職票を四千人分そろえてまいりました。
まずは雇用保険で対応する。そして、生活保護が最後のセーフティーネットでありますので、様々な問題について今後とも積極的に取り組みたいと思っております。

○仁比聡平君 大臣にもう一度、生活と再就職において住まいが持っている意味についてお尋ねをしたいと思うんですが、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君) それは、基本的にまず再就職をして仕事をきっちり持つ必要がありますけれども、雨露をしのいできちんと生活するために住居というのは基本的に大切なものである。したがって、例えば雇用促進住宅、これらも提供する。それから、各大臣にお願いして、それぞれの省庁が持っている住宅で空いているところを確保していただく、特に自治体、こういうことをお願いしてきたところでありますので、その住居の持つ重要性については十分認識し、それに基づいた政策を行っているところでございます。

○仁比聡平君 施策の十分不十分の問題はあると思うんですが、一般に住居が健康で文化的な生活を送る上での重要な基盤であり、再就職活動の観点からしましても、それが失われれば履歴書に書く住所もない、連絡場所もない、入浴や着替えも困難になるわけですね、面接も不利になるのではないかということがあります。その点での大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) 例えばネットカフェなんかで長期におられる方、そこの住所でもって雇用保険の適用ができます。それから、今回の派遣村についても、要するに、住所がないから申請できないということではなくて、生活保護ですけれども、これはきちんと申請をし、そして、例えば住居を探すことについて生活保護費の中から敷金まで全部面倒見るわけですから、それできちんと住居を決めていただいて、その上で給付をやるということでありますから、そういう住居の面について様々な不利がないような施策を今やっているというところであります。

○仁比聡平君 私は、施策の十分不十分は別として、住まいの持つ意味について、通告もしておりますし、率直に大臣にそこを伺いたいと思っているんですが。

○国務大臣(舛添要一君) いや、何度も申し上げていますように、住居の確保は極めて重要であるということでございます。

○仁比聡平君 私は、住まいが生存権保障の基盤として極めて重要だということが今の事態の中で明らかになっていると思うんですね。
働いても生活していけない劣悪な労働条件で、これまで大企業の最高益を支えてきた人々が、これほど大量に職と住まいを同時に奪われ、貯金もない、無保険や多重債務に苦しみ、たとえ月給制のより安定した求人があっても、日々のお金に追われて、どうしても日払の派遣から抜け出せないという方々も大勢いらっしゃいます。ここでの社会保障、中でも生活保護の役割をどのように考えていらっしゃいますか。

○国務大臣(舛添要一君) まずは雇用保険制度によるセーフティーネットがあります。それから、たしか小林委員が御説明になったように、最後のとりでとして生活保護というのがあります。その中間に、それぞれを拡大してどうするか、これはいろいろ今議論をしているところでございますけれども、生活保護というのはまさに最後のとりででありますから、これはきちんと整備をして、憲法二十五条に定められたように国民の生活を守っていくということであります。

○仁比聡平君 お配りしました東京都の十二月二十二日付けの通知を見ますと、失業者の路上生活化を未然に防止すべきであり、居住地を失うと再就職自立の可能性を更に狭めることになるとの立場で、単に稼働能力があることのみをもって保護しないと判断してはならないとしておりますけれども、大臣のお考えはどうでしょう。

○国務大臣(舛添要一君) まさにそのとおりでありまして、厚生労働省の基本的な方針に基づいて東京都もそういう方針を決定したと思っております。

○仁比聡平君 求職活動が極めて困難だということと要保護性をどう考えるか、お尋ねいたします。

○国務大臣(舛添要一君) つまり、その最初の質問は、一つ前の質問は、稼働能力があるかどうかということだけに限定して、そのことだけで見るんではなくて、様々な気配りをしながら細かい対応をするということでありますから、その方針を貫いていけばおのずと答えは出てくるというふうに思っております。

○仁比聡平君 もう一点。
住まいがないことが保護の妨げになるものではなくて、先ほど大臣の答弁もありましたけれども、現在地での申請を前提に敷金などが給付されることを知らせ、申請があれば法定期間内、つまり十四日間内に可否を決定する、臨時的な居どころとしてビジネスホテルやカプセルホテルも紹介するとしていますが、この点はいかがですか。

○国務大臣(舛添要一君) 先ほど、派遣村の方々、年末年始について行ったときに説明をしましたように、まさにそういうことをやるわけでありますから、敷金などを生活保護費から支給してこの住宅の確保に資する、それからシェルター的なものにもきちんと入れていますし、それから民間のアパートなんかの情報も十分お知らせするということで、全力を挙げて、今、東京都の通知に書いてあることを国としても行っていくということであります。

○仁比聡平君 現実には、各地でそうした運用が徹底されずに、なお水際作戦の例が幾つもあるわけです。国の責任を尽くすとともに、都と同様の周知をすべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君) 例えば、生活保護というのは国庫が四分の三を負担すると、基本的に国の責任において、そういう憲法二十五条で定められたこの国民の文化的で最低の生活を守っていくということでありますから、それは周知徹底したいと思っております。

○仁比聡平君 最後に、総理、私は、この派遣村の取組は、命をつなぎ、生存権を保障する尊いものだったと思いますし、政治はここから多くの教訓を酌むべきだと思いますけれども、総理はどう受け止めていらっしゃるでしょう。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 昨年、特にこの話がクローズアップをされておりますけれども、少なくとも、職を失ったプラス住居という点を今先生言っておられましたけれども、これは一番大事なところだと思っております。そういった意味で、この年越し派遣村という名前でしたっけね、年越し派遣村というのは、多くの国民に対してこの重要性、雇用問題の重要性、中には住居の問題を含めて大変だということを知らしめた点においては大きな意義があった、意義、まあ意義があった、余り安易にうなずかれると本当かなと思っちゃうんですけれども、意義という言葉が適切、まあ意義。
政府として、これは厚生労働省のいわゆる公会堂を即時に開放させていただくなどなど急な対応をさせていただいたということを見ましても、できる限りの支援というものをさせていただいたところだと理解しておりまして、その後、仕事が、いわゆる役所が始まった後、いろいろ学校に世話するなどいろいろさせていただいたんですが、これはこういったものをやりますときに、生活保護の話とかいうんじゃなくて、住居付きでやっぱり四千人の就職ができる場所を、いわゆる住居付きというところを持っていったところも私はそれなりの、ふだんだったらそういったことありませんから、そういったところをしたところは、いろいろな意味での今後の対応というものを考えるときにいいことを学ばせてもらったんだと理解をしております。

○委員長(溝手顕正君) 終わってください。

○仁比聡平君 はい。ありがとうございました。これで終わります。