○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
後期高齢者医療制度の実施からもうすぐ一年を前にして、十七日、高齢者医療制度に関する検討会が出した報告書に批判が噴出しております。大臣、この検討会を設けた趣旨は何だったのか、まず御説明をください。

○国務大臣(舛添要一君)
後期高齢者の医療制度についてどういう見直しをするか識者を集めて検討会をやってきたと、そういうことであります。

○仁比聡平君
大胆に見直すと大臣おっしゃったり、あるいは総理は高齢者に納得していただけるよう制度を見直すと、そういうふうにおっしゃりながら、それで半年現実に費やしても見直し案すら示せなかったわけです。竜頭蛇尾も甚だしいのではありませんかね。
案どころか、大臣の下に置かれた検討会ですら、例えば、国民は非常に抜本的な改革、制度そのものを取り替える改革を望んでいるかもしれない、あるいは、 この制度に名前を付けるなら七十五歳以上及び障害者厄介払い医療制度ということになる、こうした根本的な批判が出たのではありませんか。

○国務大臣(舛添要一君)
ちゃんと全部報告書お読みになりましたか。新聞記事だけで話をしていませんか。というのは、私の案も含めて、き ちんとどういう問題の論点があるかというものを整理をした。与党は与党でおやりになっている、我々は我々でやっている、政府・与党と一体となって案を考え るということをやっているんで、何の恥じることもありませんよ。全部見てきてください、議事録もありますから。どういうヒアリングでどれだけまじめにやっ たかということは、これだけははっきり申し上げておきます。

○仁比聡平君
ここにその報告そのものを私も読んでおります、もちろん。意見の概要、ここで紹介をしますと、幾人もの委員から、七十五歳で 区切って別枠の保険に囲い込んだことは、本来、社会保障の原理原則に外れる、七十五歳で区切ったことが夫婦別れ、親子別れなど世帯の分離を促していると。 まさに根本的な批判が出ているじゃありませんか。
そもそも、高齢者の医療費抑制という目標について、医療費を増やすべき我が国の現状と矛盾する、あるいは、終末期の医療費は総医療費と比しても他国と比 しても高くない、殊更問題視する必要はないという、こうした意見も出ております。さらには、どこの意思決定で失敗したのかを検討しなければならないという 意見に加えて、与党の強行採決で決まったものであり、説明責任が履行されてないと。どこで失敗したかまで解明されている。
それでも最終報告が具体的に見直すと明記をしたのは、後期高齢者終末期相談支援料、この名称を変えるということだけですよね。呼び名だけ変えて国民的な 怒りがかわせるものではないことはもうはっきりしているんじゃありませんか。大臣、まさか名前だけ変えればいいと考えているわけではないと思いますが、い かがですか。

○国務大臣(舛添要一君)
あなたの今の発言を聞いていると、やっぱりちゃんと読んでないなという気がしますね。それで全部ヒアリングしたのも読んでないですね。
というのは、自分の意見に都合のいいところばかり言っているじゃない。私に対する物すごい反論があって、こんないい制度を何で大臣変えるんだ、地方のい ろんな地域へ来て、地方は大臣が言ったおかげでてんてこ舞いになっているぞ、何だと、後期高齢者いい制度じゃないか、ちゃんとやれというのもあって、そう いうものの論点整理をきちんとやった。その中で、いろんな方が言っているのを、それは新聞は書きたいように書いていいですよ。しかし、真摯に検討して、こ れで問題点の整理をして与党ときちんと議論をして案を出すと言っているんです、それの何が悪いんですか。

○仁比聡平君
私は、こんな報告書になったのは、与党が骨格は変えずより良い制度に改善するといって廃止という選択肢をふさいでしまってい るからだと思います。どんな検討会をつくってどんな人を集めて議論をしても、検討の出口を小手先の見直しに限定する限り同じことの繰り返しではありません かね。
一体、与党が春までに結論を得るなどと言ってきた見直し、これ、いつまでに、一体いつになったら出てくるわけですか。

○国務大臣(舛添要一君)
私は厚生労働大臣で、私の委員会の下できちんと検討しています。廃止という、そういう選択肢はありません、見直 しということ。廃止で元の古い制度に戻るということは、これは良くないと、それは私どもの立場でありますし、与党は与党で今真摯に検討していますから、ど ういう結論が出るか、今待っているところでございます。

○仁比聡平君 年齢を重ねただけで無理やりうば捨て山に囲い込むその骨格ゆえに、理不尽な事態が次々と噴出し続けてくるわけです。小手先の見直しを重ねるのではなくて、きっぱり廃止するべきです。
医療費の削減だといってこんな制度を迫ってきたのも、今雇用破壊に走る財界、大企業です。改めて、経団連会長を始め大企業の代表をこの委員会に呼び集中審議を行う、そのことを我が党は強く求めて、時間が終わりましたので、質問を終わります。