【09.05.21.】171-参-予算委員会22号 平成21年05月21日 仁比聡平

171回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
雇用問題に絞って伺います。
厚生労働省、解雇や雇い止めなど非正規切りに遭った非正規労働者の数は、昨年十月以降、毎月どのように推移をしていますか。
〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
非正規労働者の雇い止め等の状況につきましては、全国の都道府県労働局やハローワークを通じて調査しているわけでございます。調査内容でございますけれども、昨年十月以降に実施又は実施予定の派遣又は請負契約の期間満了、中途解除による雇用調整、さらには、有期契約の非正規労働者の期間満了、解雇による雇用調整の事例を把握し、集計したものでございます。調査は昨年十一月以降毎月行っておりますけれども、今年の二月調査までは三月までの対象期間、三月調査以降は六月まで対象期間を広げて実施しております。
具体的な数字でございますけれども、千人単位で申し上げますと、昨年十一月が約三万人、十二月が八万五千人、一月が十二万五千人、二月が十五万八千人、三月が十九万二千人、四月が二十万七千人となっているところでございます。

○仁比聡平君 どんどん増え続けて、その多くが仕事と同時に住まいを失って路頭に迷うという深刻な事態でございます。
非正規切りに走る幾つもの大企業は、派遣労働者を派遣法さえ破って安く使い続けるためにあらゆる違法をやってまいりました。この雇用破壊を食い止めるのは政治の責任です。
東芝グループの派遣会社、東芝オフィスメイトに登録し、東芝デジタルメディアエンジニアリングに三年五か月にわたって派遣されてきた名古屋の労働者が、三月十三日、愛知労働局に対して直接雇用を求めて申告いたしました。これは、派遣先、派遣元が一体となって業務内容を上限三年の期間制限がないいわゆる専門業務であるかのように偽装する業務偽装を告発する訴えです。
舛添大臣、労働者派遣法に言う専門業務、特に政令二号、二十五号業務とは何か、また派遣期間の上限規制との関係をまず御説明いただきたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) 労働者派遣法におきましては、派遣労働者が常用雇用の代替とならないように、派遣先は、派遣就業の場所ごとの同一業務について原則一年、最大三年の派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣を受けてはならないと、こう決めてあるわけです。
今の御質問ですけど、ただし、専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務、さらに、雇用形態の特殊性により特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務として二十六の業務を政令で定めてありますが、これは常用雇用を代替するおそれが少ないと考えられることから、派遣受入れ期間の制限を設けておりません。
その二十六政令で決めている業務のうちの第二号業務というのは、機械などの設計又は製図に関する業務であり、次に第二十五号業務というのは、顧客の要求に応じて設計を行う機械、設備若しくはプログラムなどにかかわる説明、相談、売買契約の勧誘等の業務と、こういうふうに決まっております。

○仁比聡平君 ところが、実態は全く違うわけです。求人案内ではデスクワークでPHS基地局の工程管理をするはずだったのに、実際には基地局を建設するためのあらゆる業務を正社員と全く同様に担っております。現地に臨んでの調査や交渉、住民説明会への出席やクレームへの謝罪、許されないのは、建設現場の工事管理監督、工事の手伝いまで当然のようにさせられているわけですね。週に三日も深夜、早朝まで現場に臨んだこともあります。大臣、これは明白な派遣法違反だと思いますが、いかがですか。
専門業務は偽装、ならば三年の上限を超える、だから直接雇用をという申告に対して、労働局は書面でその違法を指摘し雇用の安定を図るよう指導、助言をいたしました。そうですね。

○国務大臣(舛添要一君) いつものまくら言葉ですけど、個別の案件についてはコメントいたしませんが、一般的に申し上げますと、政令二十六業務のいわゆる専門業務、これに付随的に業務を行った場合、その付随的に行った業務が就業時間数で測って全体の一割以下で行っている場合、それは受入れ制限の制限がないと、派遣受入れの制限がないとみなしているわけですけれども、逆に、付随的な業務が一割を超えてやっている場合とか、それから政令二十六の業務に付随すると言えないような業務を行っている場合というのは、これは明確な法違反となりますので、こういう場合には都道府県労働局が実態を踏まえて、まさに法令違反という場合には厳正に指導を行っております。

○仁比聡平君 機械設計という専門業務であるはずの派遣労働者が、実際には住民説明会への出席あるいはクレームへの謝罪、これは付随的業務とは言えないでしょう。

○国務大臣(舛添要一君) 個別のケースが一々どうということは言いませんが、一般的に言うと、専門業務できちんと決められていることと関係のない業務であれば、しかもそれが一割以上であれば、これは法違反になるということです。

○仁比聡平君 ところが、そうした指導に対して派遣元の東芝オフィスメイトは、法律を守れと言うが、正直にやったら派遣なんかできないと、こう言って開き直っているわけですよ。
派遣先の東芝デジタルメディアエンジニアリングに至っては、書面に雇用の安定を図りなさいとあったが、ほかの地域の労働局はそんなことは言わない、正規雇用は絶対にしないし、仕事が見付かっても短期の有期雇用、場所は名古屋から遠く離れた東京の府中か青梅か日野だと、こういうふうにうそぶいて指導に全く従わず、それどころか、四月末でこの派遣労働者の派遣契約を解除いたしました。このままでは派遣元からも五月末で解雇されかねない、そうした事態なんですね。
大臣、こういう企業に対して、頑張っている労働者、この申告者、愛知の労働局は指導しているんですから、このまま見捨て、見殺しにしては私は絶対にならないと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君) 個別案件についてはお答えを差し控えますが、一般的に申し上げまして、何のために指導をやるか。指導をやって変えたいんですね、改善したい。
それで、私がずっと監督している限りは、指導すると相当変わります。それで成果が上がる。しかし、それでも従わないというような派遣先に対しては、勧告それから企業名の公表、こういうことをやりますし、労働者を送り出している方の派遣元の事業主に対しては、事業停止命令、事業許可の取消し、こういうことを行っております。それからさらに、派遣労働者の直接雇用をやってくださいよということは申し上げているわけでありますので、きちんとこれは指導していきたいと思っております。

○仁比聡平君 指導は、今大臣が言われたように、従うべきものなんですよ。これに対して従わない、明白な違法だと。ここに対して雇入れ勧告という大臣が紹介されたこの制度がもし発動されないなら、絵にかいたもちということになってしまうんですよね。そうしては絶対にならないと思います。
大臣が決断をされて、それでも従わないなら企業名を公表する、勧告をして企業名を公表する、断固として大企業の社会的責任を果たさせるために頑張っていただきたい。決意をもう一度お尋ねします。

○国務大臣(舛添要一君) 各現場の労働局の職員は、法律に基づいて厳正に仕事を行っております。
そして、私は、今申し上げましたように、指導に従わなければ企業名の公表を含めて厳正にこれは対処すべきであると。まさにそれが企業の社会的責任であって、企業は当然日本国の法律を守っていただかなければなりません。
そして、一々個々の企業については申し上げませんが、例えば仁比議員とこういう問題についてきちんと議論をする、その成果は相当に上がっているというふうに思っております。

○仁比聡平君 次に、正社員のリストラについて伺いたいと思います。
東京商工リサーチは、主要上場企業における正社員の希望退職、早期退職、この募集人員は、この四か月余りで公表している百十八社だけで一万人を既に上回り、今後更に拍車が掛かると予想をしているわけですね。
厚生労働省、政府はこの正社員リストラの実態をどんなふうに把握をしておられますか。

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
正社員のいわゆるリストラの状況でございますけれども、一つはマクロ的に総務省の労働力調査でございまして、これは前職が正規労働者の失業者のうち、人員整理、勧奨退職によって離職した者は〇九年一―三月平均で十六万人となっているところでございまして、前年同期と比べますと八万人の増加ということでございます。
それからもう一つは、雇用対策法二十七条に基づきまして、一か月以内に三十人以上の離職者が発生する場合には事業主がこれはハローワークに届け出ると。これ大量雇用変動届ということで届け出ていただくわけでございますけれども、三月には約二万一千七百人の正規労働者の雇用調整、この中には若干自己都合も入っておりますけれども、雇用調整が報告されているところでございます。
こういった調査等を用いまして、正規労働者に関する離職者の動向を把握し、対策を実施してまいりたいということでございます。

○仁比聡平君 非正規労働者について昨年秋以降取り組んできて、先ほど御報告をいただいたような、こうした実態のつかみ方を更に正社員リストラに対しても行うべきだと私は改めて求めておきたいと思うんです。
パナソニックグループの構造改革と称する工場閉鎖と一万五千人の人員削減計画を今日取り上げたいと思います。(資料提示)
これパネルにいたしましたけれども、例えばパナソニックファクトリーソリューションズという、実装機でシェア世界第一のメーカーですけれども、ここが開発拠点である佐賀県鳥栖市の工場を突然閉鎖すると発表をし、そこに働く九百人の正社員を、八百人は山梨県甲府の工場へ、残り百人は大阪門真の工場へ広域に配転に応じるか、でなければ自主退職せよと今迫っているわけですね。
労働者には家族も家も、そのローンもございます。子供の学校だってあるし、おじいちゃんやおばあちゃんの介護だってあるんですよね。こうした遠距離配転に応ずるのか、それとも深刻な失業情勢の下で辞めるかという、こうした理不尽な二者択一を迫るのは、家族的責任への配慮義務を定めた育児・介護休業法や労働契約法の理念、これをはなっから無視するやり方ではないでしょうか。
この工場の隣には、御覧のように、パナソニックコミュニケーションズという関連の工場がございます。けれども、近くの関連工場で働けるようにすらしない。宇都宮、小千谷、ここの工場を閉鎖してこういう遠くにまた遠距離配転をしようというわけですよね。こんなやり方に配慮があるなどと言えるでしょうか、大臣。

○国務大臣(舛添要一君) 繰り返しのお答えになりますけれども、個々の個別の事案についてはお答えいたしません。
ただ、一般的に、今言及をなさった育児・介護休業法第二十六条には、就業場所の変更を伴う労働者の配置変換をしようとする場合には、それにより子育てや介護をしながら働き続けることが困難となる労働者がいるときは、その労働者の子の養育や介護の状況に配慮しなければならないとされております。
じゃ、どういうことを配慮するのかというと、例えば労働者の子の養育、家族の介護の状況をきちんと把握してくださいと。それから、労働者本人の意向をちゃんと聞いてしんしゃくしてくださいと。さらに、配置変更があった場合に、子供の養育や家族の介護の代替手段があるのかどうなのかということの確認を行うということが考えられるわけです。
ただ、これは配慮を求めるということであるんで、配置の変換をしないといった配置そのものについてのこの事業主の決定を縛るものではありません。
さらに、労働契約法の第三条、これも先ほど委員がおっしゃったように、そこには、第三条には、労働契約は仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスにも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする旨定めておりますけれども、これも具体的な義務を事業主に課すというものじゃなくて、こういう配慮を企業の方でやってくださいということを言っているわけですから、私は、やはり企業たるもの、その社会的責任を考えればそういうことにきちんと配慮をする、そうすることによって従業員が生き生きと働くことができる、私は長期的にはそういうことは企業を強くするというふうに思っております。

○仁比聡平君 育児・介護休業法は、仮にその配慮義務に従わなければ助言、指導、勧告をすると、そういう仕組みになっているわけです。これを今発動するべきなんですよね。
重大なのは、パナソニックが記者会見でも自治体への説明でも、移転先への移動を基本に雇用の確保を図ってまいりますと表向きは全員の雇用が守られるかのように言いながら、これは全くのうそだということなんですよ。多数の労働者の告発によりますと、始めから鳥栖では五百人切る、そう公言しています。雇用確保どころか六割近くの大量解雇であり、無理な広域配転というのはその手段なんですよね。
その紛れもない証拠がございます。(資料提示)これは内部告発で寄せられました人員削減ありきの選別リストです。御覧いただきますように、労働者一人一人に対して必要人員、余力人員、こうあからさまに選別をしております。
〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
個別面接では執拗な退職勧奨が行われています。新しい船に全員は乗れない、乗るのはやめてもらいたい、辞めてくれと言ったじゃないか、まだ分からぬのか、転勤してもあなたには何も仕事はない、五月二十八日までに決めなければ退職金の上積みはない、まるで拷問じゃありませんか。
総理、パナソニックはこれが悪いことだと自覚をしているから、全員の雇用を守るかのように世間を欺こうとしているわけです。実際はこんな卑劣なやり方で労働者を追い詰める。おかしいと思いませんか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは舛添大臣も答弁をされましたように、これは個別の事案に関するお尋ねでありますんで、このことに関してコメントをすることは差し控えさせていただかなければならないと思っております。
一般論で申し上げさせていただく以外にないんですが、事業の再編に伴って労働者派遣のとか労働者の処遇につきましては、これは企業におきまして過去の例などいろいろあろうと思いますが、慎重に検討をしていただかなければならぬ、各企業において検討をしていただかなきゃならぬと思っております。
ただ、国といたしましてはなるべくそういったことがないように雇用調整助成金の拡充や雇用維持に関します支援措置というものをこれまでやってきているところでありまして、各企業におきましてこの点に関して十分配慮の上、できる限りの雇用の維持というものに努力をしていただきたいと、基本的にそういった姿勢で我々は臨んでおります。

○仁比聡平君 個別企業については言えないという、今総理がまた言われたその姿勢がこういう事態をつくっているんじゃないですかね。これを改めて、その姿勢を改めて自ら乗り出して雇用破壊を食い止める、それが総理の、内閣の責任なんじゃないですか。
この労働者の自由な意思決定を妨げる退職強要というのは、舛添大臣、違法でしょう。

○国務大臣(舛添要一君) それぞれの企業の経営者が例えば工場を閉鎖する、工場をある町から、Aという町からBという町に移す、これは経営上の判断ですからそれは御自由なんですが、ただ、そういう場合にもやはり雇用の維持には最大限の配慮をしていただきたいというふうに考えておりますんで、今個別の件については申し上げないですけれども、やはり退職勧奨のようなことがそういうことになるというようなことであってはならないんで、やっぱり企業の社会的責任ということで労働者の処遇について特に雇用の維持に努力をしていただきたいというように思っていますし、労働契約法、労働者派遣法、こういうものに基づいて違反があればこれはきちんと各労働局で指導しております。そして、先ほど申し上げましたように、派遣元に対しては事業停止命令や許可取消し命令を行うことができますし、受け入れている派遣先の方も、指導に従わない、勧告に従わないときは企業名を公表する、これ企業名出ますから、そういうことで指導していきたいと。
やはり、何か労働法といったら守らないでいいように思っている事業主がおられるかもしれないけれども、この国会で決めた、国権の最高機関で決めた法律ですよ。日本国の憲法体制の下にある法律はやっぱり守ってもらわないと、私は企業としての資格ないと思っています。

○仁比聡平君 そのとおりであります。
昭和五十五年に、この退職強要は労働者の自由な意思決定を妨げるものは違法だと、こういう判決を出しているわけですね。直ちにやめさせるべきです。ある労働者は、何でこんな会社におったんやろうと、悔しくて、寝ても何度もうなり声が出て嫁さんに苦労を掛けておる、技術は負けぬのに、まるで会社を私物化した経営者に家族までつぶされるのが悔しいと私に語りました。
私ども日本共産党は、この委員会に、こうした大企業、財界の代表を呼んで集中審議を行うことを改めて強く求めるものでございます。
委員長の取り計らいをお願いして、私の質問を終わります。

○委員長(溝手顕正君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
お申し越しの点については、後ほど、理事会で協議いたしたいと思います。


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