185-参-議院運営委員会-015号

 2013年12月05日○仁比聡平君
 本日、国家安全保障に関する特別委員会においてなされた与党による、そして中川委員長による暴挙に断固として抗議し、ただいま提出された動議、中でも、この特定秘密の保護に関する法律案を本会議に今から緊急上程をしようなどという、こうした動議に断固反対の意見を申し上げたいと思うんです。

 本日委員会で起こったのは、自民党委員の質問の最中に、まだ残り時間たくさんあったにもかかわらず、その中で自民党席で一人の委員が立ち上がった。そこから私たちは、野党の理事を中心に、一体何が起こっているのか、私も自民党席に駆け付けました。傍聴していた同僚の議員の皆さんの噴き上がる声も含めて、僅か二メートルほど、私が間近にいたにもかかわらず、立ち上がった自民党委員の発言の中身というのは全く聞き取ることができませんでした。

 中川委員長は、にもかかわらず、その発言の中身が一体どんなものであるかという、言葉が聞こえていたはずがないのに、野党の理事や委員が猛然と抗議をする中で何らかの発言をし、自民党理事の合図によって何度か立ったり座ったり、そうしたことを繰り返しましたけれども、何が行われたのか、委員会室にいた私たち自身に全く分からない、そういう事態だったじゃありませんか。なぜ、あれが質疑の終局の打切りだったり、ましてや法案の採決だったりするのか、そんな採決は一切存在をしていない、そう言うべきであります。

 この一方的な暴挙は、次に公明党の委員による質問も予定される中で行われました。私ども、議場の中で、その質問予定者が質疑の準備を真摯に行っていることも確認をしていましたけれども、議員の質問権を一方的に奪うと、こうした暴挙をやられておいて、公明党の皆さん、これで本当にこんな採決を認めるんですか。

 この法案については断固とした反対の声が噴き上がっています。にもかかわらず、与党は、この暴挙によって我々野党の討論の機会さえ封じました。そうした中で、中川特別委員会委員長が議長に対して、この採決やあるいは終局の打切りの動議、そして法案の採決はルールにのっとったものであったと報告をしたと伝えられていますけれども、この特別委員会のてんまつを一体どんな報告書にまとめたというんでしょうか。賛成したというのが一体誰なのか、猛然と抗議をしていた私たちはどんな扱いをされていたというのか、あなた方が主張する採決において私はどんな態度を取っていたというんですか。そうした議員、国民の声を代弁する一人一人の議員の憲法上の権利を踏みにじる、そんなことは、たとえ多数を握っていたとしても、あなた方にやる資格はない。

 しかも、そうした暴挙の中においても、緊急上程の発言は中川委員長、なされたのか、全く私たちには聞こえておりません。元々、緊急上程というのは各会派の合意の下において本会議に、その合意の下で上程するというのがルールであって、それをよもや委員長の職権において単独で議長に言った、そんなことを認めるわけには絶対にいかないではありませんか。委員会審議の状況をしっかりと正面から見るなら、質疑の終局だとか、まして採決などという状況には全く至っていなかったことは明らかです。

 参議院における審議入りが強行されたのは、僅か先週の水曜日のことでした。この議運委員会の場において、そんな審議入りが認められるはずがない、衆議院の強行採決に続く憲政史上に重大な汚点を残す、そんな暴挙をあなた方はやるのか、私はこの場で断固として主張をいたしました。

 以降の委員会審議は、初日から職権において立てられ、しかも理事懇談会の席上で、怒号の中で委員長が一方的に席を立って委員長室を出ていく、そんな中で設けられたんですね。野党も含めた議員の質疑時間を定めるタイムテーブルさえ何らの協議もなく、もちろん合意もないまま、理事会なるものの席において与党筆頭理事が一方的に読み上げ、それを中川委員長が職権だと言って、何の議論もやらずに理事会を休憩宣言をして委員会室に向かう、そんなことが度々繰り返されてきました。

 野党が求める要求大臣の問題においても、とりわけ官房長官について、こうした議論の中で、政府そして与党が野党質問の事前通告を見て、官房長官が答弁すべきものではないと判断したなどとその理事会席上で繰り返し発言をいたしました。野党の質問権をなぜ多数党が封じるのか。

 そうした暴挙を繰り返した挙げ句に、昨日は地方公聴会なるものを強行いたしました。前夜に設定して、なぜ翌日の公聴会で国民の声を聴いたと言えるのか。その地方公聴会に向かうために本会議を一方的に休憩にしてしまって、昨日の十二時から、これも職権で立てられた本会議が、休憩や延会や休憩や、そして今の理事提案というのは、今からそれを再開して夜中までやろうというわけでしょう。そんなことが認められますか。

 しかも、委員会質疑の中では、審議を行えば行うほど、この法案の持つ憲法原理に反する重大な危険な本質が次々とあらわになり、政府答弁者も、そして修正案答弁者も検討事項を連発をいたしました。私は、その中で、法案及びこの衆参の質疑の中で検討課題とされているものは一体どれだけあるのか、それは何を検討課題としているのか、これを今後検討していく所管大臣は一体誰で、いつまでにその検討を行うのか、中でも政令委任事項とされているものは一体何なのか、その一覧表の提出を求め、理事会においては、自民党理事からもそれはもっともだという発言が、その趣旨の発言があり、にもかかわらず、委員長は後刻理事会協議を繰り返すのみで、そうした理事会協議も行わずにこの終局の打切りをやったんですよね。

 こうした経過を振り返るときに、この我々議院運営委員会がやるべきは、この緊急上程を否決して、断固として委員会に差し戻し、委員会の徹底した審議を再開することであります。

 私たち野党理事の、あの暴挙の後の協議を求めるその要求に中川委員長はこたえることもなく、我々の要求を知りながら雲隠れし、今一体どこにいるか分からないじゃありませんか。

 一体何を、本当に私は恥ずかしいですよ。どうしてあなた方はそんな暴挙に暴挙を重ねるのか、これは国民主権と基本的人権の尊重、平和主義、そうした憲法原理を担うべき我々国会議員、参議院の自殺行為にほかなりません。こうした暴挙に絶対に手を貸してはならない。断固として否決すべき。反対の意見を表明して、私の発言といたします。○委員長(岩城光英君)

 他に御発言はございませんか。──なければ、長谷川岳君提出の動議について、これより採決を行います。
 長谷川岳君提出の動議に賛成の諸君の挙手を願います。(発言する者多し)
 
 
 〔賛成者挙手〕○委員長(岩城光英君)
 多数と認めます。よって、長谷川岳君提出の動議は可決されました。
 なお、予鈴は午後九時十五分、本鈴は午後九時二十分でございます。
 暫時休憩いたします。

 
 
 午後九時二分休憩

 
 
 〔休憩後開会に至らなかった〕