○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。続けて、修正案提案者に伺いたいと思うんですね。
 第三者機関の検討だということで置かれた附則九条について、昨日も話題になりました。そこで、まずお尋ねしたいんですが、ここに言う、「独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関」というこの概念なんですが、この機関というのは、膨大な情報の中から特定秘密として指定されるというその個別指定について、これ、判断を正す、あるいは解除をさせるということができるという機関なんですか。

○衆議院議員(中谷元君) 米国におきましても、省庁間の情報保全をチェックするために委員会があったり、また公文書館の中に情報保全の適正委員会、適正の組織もありますので、他国でもそういう形で適正な運用がされているかどうかチェックされていますので、そのようなものを参考に検討するということでございます。
○仁比聡平君 つまり、個別指定を正す、そういう解除を行うということですか。

○衆議院議員(中谷元君) 附則九条によってこの法律の適切、適正な運用をチェックする方法を検討するということでございます。目的というのは、その情報を検証し、そして監察をするということでありまして、どのような組織が適切かどうか、これは政府で検討されると思います。

○仁比聡平君 この点について、今、中谷議員が御答弁されていますが、昨日、総理がその判断に資するために内閣の中に情報監察を行えるような機関を設けまして、これは総理に進言をしたり、またその中の結果を総理に上げるなどによって総理大臣がより的確に判断できる、そのようなことで考えておりますと、そうした御答弁されているんですが、今の個別指定の解除も含めたことができるんだみたいなその独立の機関というものと、この中谷議員の答弁というのはどういう関係になるんですか。

○衆議院議員(中谷元君) これは本則の十八条と附則九条との関係でございますが、我々衆議院段階で、みんなの党そして日本維新の会とこの修正協議、そして民主党の皆さんも、民主党の出された対案につきまして政策協議をしておりました。この中で、当初は総理の、一元化というか、総理がリーダーシップが発揮できるように十八条の規定を提示をいたしましたら、日本維新の方から、それではまだ不十分であると、しっかりとしたチェックができる組織が必要であるということの申出がありまして、附則九条を置いたわけでございます。

○仁比聡平君 今お話に出た十八条なんですけど、この四項に、総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、内閣を代表して行政各部を指揮監督するものとする。この場合において、総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施が当該基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、資料の提出や説明を求め、あるいは指定及びその解除、適性評価の実施について改善を指示することができると、そうなっているわけですよね。

 つまり、今の中谷議員の答弁は、この十八条に言う内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督の権限を進言する、昨日の御答弁でいうと、進言するために附則九条の機関が置かれると、そういう意味ですか。

○衆議院議員(中谷元君) 本則の十八条におきましては、内閣総理大臣がそういうものをまとめるという、指揮監督をするという権限の規定でございます。附則九条というのは、チェックをする、言わば各省が行っているこの指定が正しいものであるかどうか、それをチェックする機関を置くということでございます。

○仁比聡平君 よく分からないんですよね。昨日の質疑では、第三者機関として、皆さんが置くんだというこの附則九条にかかわって問われて、その十八条の話を中谷さんされたんですよ。これ結局、附則九条は十八条四項の言わば下にあると、内閣総理大臣の下にあるという、そういうことなんじゃないんですか。

○衆議院議員(桜内文城君) お答えいたします。
 昨日もこの点について福山委員から御指摘あったところなんですけれども、これは十八条と附則九条、別のところに書いております。それはなぜかといいますと、別のものだからであります。この十八条の方はもう文字どおり四項で、御指摘のとおり、内閣総理大臣の、内閣を代表して行政各部を指揮監督するという内閣法六条にもあります一般原則をよりこの法律に当てはめて具体化した規定でありまして、それとは別にこの附則九条におきましては、まさにここに、文言に書いておりますとおり、独立した公正な立場において検証し、及び監察するというふうな文言を入れております。そして、それができる新たな機関という権限もこちらに書き込んでございます。
 ですので、これは、一般的な行政というのは全て内閣法六条の内閣総理大臣の指揮監督に服するわけですけれども、それとは別にこの第九条におきまして、独立した公正な立場において検証し監察することによって、まさにモニタリングといいますか監査を行っていく機関を設置するという趣旨でございます。

○仁比聡平君 そうすると、先ほど私が紹介した昨日の中谷議員の答弁は、これは間違いということですかね。それとも、十八条の下で何らか新しい機関を、その附則九条に言うのとはまた違うものをつくるような話をされたわけですか。

○衆議院議員(中谷元君) 先ほどこの経緯をお話をいたしましたけれども、日本維新の会、また、みんなの党と協議をしている間に、最初の、当初は我々が、内閣総理大臣が有識者会議の意見を聴いて、まず統一基準の案を作成して閣議決定をする、そして、実際の運用が統一基準に従っているかどうか内閣総理大臣が監督して、必要に応じて行政機関の長から特定秘密を含む情報の提供、説明を求めて、勧告を行うことによって総理大臣のリーダーシップを発揮させるという案、そして、運用状況について有識者会議の意見を聴いた上で国会報告、公表を行うということで指定の恣意性を排除する案というのを提案いたしました。これが十八条になったわけでございます。

 しかしながら、この協議を積み重ねた結果、この特定秘密の指定の適正を一層確保するためにこれらの措置に加えて新たな第三者機関の設置を検討することが必要であるということについて、最終的にこの附則九条、これを修正案に盛り込ませていただきまして、四党で合意をしたということでございます。

○仁比聡平君 そうしますと、よく分からないんですけど、十八条の四項で内閣総理大臣にそうした権限を明記すると。その中で個別指定の解除もあり得るかのような、何だかとにかく分からないけど、そういう内閣総理大臣が指導監督をすると。それはもちろん総理大臣が自ら全部やるということはあり得ないでしょうから、そうしたら、その内閣総理大臣の下にそういう新たな専従機関みたいなものをつくるわけですか。

○衆議院議員(中谷元君) 内閣総理大臣というのは内閣の全ての責任を負うわけでございまして、この情報に関しましては、そういった恣意的な指定が行われているかどうか、先ほどお話をいたしましたけれども、十八条においてこれを指導するような責任があるわけでございます。だから、そういう意味におきまして、内閣総理大臣としてはあらゆる手段を使いまして判断を行わなければなりませんので、この十八条の法律を遂行するにおいての判断をするということでございます。

○仁比聡平君 結局、内閣総理大臣が行政各部のあらゆる、先ほど外務相は数えられないと言っていたじゃないですか、そうした膨大な過去の非公表や秘密の情報というのは数えられないとさっきおっしゃった、外務大臣が、そういう情報を、それぞれの全行政部局について内閣総理大臣が直接御自身で監督するなんてあり得ないわけだから、これをサポートする機関をつくるんでしょうと。そういうことなんでしょう、内閣の下に。

○衆議院議員(畠中光成君) この十八条の提案というのは、私どもみんなの党がこの内閣総理大臣の指揮監督権を明確化するということを主張しまして合意に至ったわけですが、その趣旨というのは、この四項において、よりその指揮監督権を具体的に条文の中に入れ込むことによってその監督権を明確化したというところに意義があるというふうに思っております。

○仁比聡平君 その今おっしゃる権限の明確化というのだったら、憲法にそもそも書いてあると、内閣法にあるじゃないかという話になるのであって、私が聞いているのは、そういうふうに内閣総理大臣が監督権限を行使するためには、新たな何だか行政各部の特定秘密の指定状況などをここに皆さんがおっしゃるような形で監督する部隊というか独自の機関が例えば内閣総理大臣の下に必要になるんじゃないんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) 先生おっしゃるように、憲法七十二条それから内閣法の六条によりまして、総理大臣は内閣を代表して行政各部を、これを指揮監督すると。今回は、やっぱり指示権ということを改善をすることになっております。こういうことはやはりこの法律できちんと明確化するということであります。

 やはり、その指定あるいは解除、更新、あるいは適性評価、こういうものについてきちっと、統一基準は、今回、内閣総理大臣が原案を作って、そして閣議決定でやると。その基準にのっとってちゃんとやっているかどうかということを、総理は、実は特定秘密の中身まで見ることができる、あるいは行政機関の長に対して説明も受けることができる、そういう形でチェックをし、そして指示もできると、こういうことを明確化させていただいたわけです。
 それで、内閣情報室というのがこれは内閣官房にございますね。ここが今回内閣府設置法によりまして総合調整というのをやります。ですから、この内閣情報室がこの総理の仕事をサポートすると、こういうことになっております。

○委員長(中川雅治君) 桜内衆議院議員。

○仁比聡平君 いや、もういいですよ。
 もう答弁短くしてください。

○衆議院議員(桜内文城君) すぐ、短く答えます。
 是非この条文を素直に読んでいただきたいんですが、新たな機関の設置というのは附則九条にのみ書いております。十八条の方は内閣総理大臣の指揮監督権ということで、恐らく、今、内閣総理大臣の指揮監督という意味でいえば、内閣官房に内閣情報調査室、今、大口議員もおっしゃいましたけれども、そういうものがありますので、そこで総合調整を行っていく。附則九条は、あくまでも新たな機関を設置するというふうに読んでいただければ幸いです。

○仁比聡平君 私にはそうは読めないですね。内閣情報調査室が膨大な、巨大な権限を持つような形にもなるのかな、どうなのかなと。何だかよく分からないですよ。
 もう一つ伺いたいのは、その附則九条の方の第三者機関の設置ですけど、昨日もその点でよく分からない答弁だったんですが、つまり、その今お尋ねしてきている新たな機関の設置というのはあくまでこの九条によって政府に求められる例示であって、この九条そのものが求めているのは、その他の特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策の検討なのじゃないですか。

○衆議院議員(桜内文城君) これも素直に是非読んでいただきたいんですけれども、まさに新たな機関の設置というふうに書いてあります。その下に、その他ということで、それに類する秘密の指定及びその解除の適正を確保するための必要な方策というのを別途考えていくと、それに併せて考えていくというふうなものであります。

○仁比聡平君 桜内議員には申し訳ないけど、この法文そのものはそうは読めないですよ。
 新たな機関の設置その他のでしょう。中谷さん、違いますか。中谷さん、違いますか。(発言する者あり)

○衆議院議員(桜内文城君) ええ、統一なんですが、私がこれまず提起しましたので私が答えます。
 法律の読み方なんですけど、これもう本当に新たな機関の設置とありまして、その他のというところがむしろ、下の方が、後段の方が例示であります。

○仁比聡平君 そうすると、昨日は議論混乱したけど、新たな機関を、先ほどお話のあったような機関を設置するんですね。

○衆議院議員(桜内文城君) 衆議院での安倍総理からの答弁にもありましたけれども、総理が、私は設置すべきと考えるという答弁をいただいております。

○仁比聡平君 いや、それは考えるとおっしゃっているだけで、森大臣も何だか繰り返し検討するというふうにおっしゃってきたけれども、何だか訳が分からないですよね。
 それで、こうした新たな機関だとか、あるいは内閣情報室がどんな役割を果たすのかというようなお話を聞いてくると、結局、重層的というふうにおっしゃるけれども、重層的どころか、何だか中二階とか屋根裏部屋とか離れとか、そういうやつをどんどんどんどんつくって、何か、どこで何をしているか分からない、そんなことになるのではないですかね。
 もう一つ、その修正案にかかわって、今日会議録をもう一回読んで問題があればまた伺いますから、ちょっと別の点で伺いたいんですけど、刑罰適用の関係なんですよ。二十四条、新しい、これによって不正取得罪が目的犯とされたわけですよね。この目的犯の目的が「外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的」というふうになっているんですが、これ、一体どういう意味なんですかね。
 先ほど、前の質疑で、スパイ防止を目的とするというふうに森大臣答弁されたんですが、それならそう書きゃいいんだけど、そう書いていないでしょう。どういう目的なんですか、これ、構成要件の意味というのは。

○衆議院議員(大口善徳君) スパイ等の目的ということですね。
 それで、これは修正協議で維新の会さんの方から、やはりこのスパイ目的のあるものについてはもうしっかり罰すべきだと、こういう御提案があったんですよ。要するに、国際社会の標準からすると、外国の利益を得る目的という場合は、この手段が、取得行為自体が違法でない場合においてもスパイ目的であれば、特定秘密を取得した場合これはもう罰すべきだと、これがまあ一つの世界標準だと、こういうお話があったんです。
 ただ、私どもは、そうではなくて、それでは、これ逆提案なんですが、もうこの取得行為につきましてはスパイ等の目的がなければもう罰しないと。ですから、手段が、例えば暴行であればこれは暴行罪、傷害罪、それから施設への侵入だとこれは住居侵入罪、あるいは不正アクセスの場合ですと不正アクセス防止法違反と、こういうふうに手段でもう罰すればいいと。ですから、こういう目的がなければ、その取得行為についてですね、たとえ違法な取得行為であってもこれは罰しない。その違法な手段において、ただ住居侵入とか器物損壊とかそういうもので罰しようと、こういう形で、目的犯という形で絞らせていただいたわけです。
 それで、外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途の目的という形で、違法目的に絞ってこの取得行為というものを限定をさせていただいたわけでございます。

○仁比聡平君 限定したって何かしきりにおっしゃるんですけど、この「害すべき用途に供する」ってどういう意味なんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) ですから、特定秘密のこの情報を、例えば外国の利益を図るという場合は外国にその利益を提供すると、あるいは、自己の不正な利益ということはその特定秘密のその情報というものを自分の利益を図るために提供すると、こういうような目的ですね。
 ですから、逆に言えば、報道目的等のために違法な手段でやった場合は罰せられないということです、この取得行為ではね。
○仁比聡平君 私が正面から構成要件の意味を問うているのに、お答えになれないでしょう。お答えになっていないじゃないですか。
 いいですか、あなた方が作ったのは、外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は害すべき用途に供する目的でしょう。この害すべき用途に供するという、そういう行為というか目的、狙いというのは、どんなことをもって害すべき用途に供するというのかと。安全、生命、身体を害すべき用途とは何か、それに供するというのは何かと、そう聞いているんですよ。それを答えられないじゃないですか。何かあるんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) 例えば……

○仁比聡平君 例えばじゃなくて、定義を聞いているんです。

○衆議院議員(大口善徳君) ですから、我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき、特定秘密が漏れると害される場合があるわけですね。そういう目的ということでございます。

○仁比聡平君 私がここまで具体的に聞いているのに、害するとは何か、用途とは何か、供するとはどういう行為をいうのかというのは分からないですよ、これ。

 実際にこうした構成要件がもし成立をするなら、それの運用、適用というのは、当然、捜査機関、刑事司法手続によって行われるわけですよね。この刑罰の現実の適用において、こうした主観的な要件、内心に入り込む要件というのは、これ、どんなふうにして判断をされるんでしょうか、谷垣大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 本条に限りませんが、一般に目的罪の目的要件の判断は、捜査段階では委員のおっしゃるように捜査機関が証拠に基づいて判断するものですし、それから公判段階では当然のことながら裁判所が証拠に基づいて判断する。だから、最終的にはそういう形になるということですね。

○仁比聡平君 したがって、こうした主観的要件を立証するという必要においては、勢い、強制捜査、密室での取調べ、あるいは盗聴を始めとした違法な情報収集、こうしたものが行われかねないということになるのではないかという、私、重大な懸念を申し上げたいと思うんですね。
 森大臣にちょっと伺いたいんですけれども、この目的というのを二十四条に入れたから何だか一般の人は罰せられないみたいなやり取りを先ほどされましたけれども、この二十五条になっている漏えいに対する教唆や共謀、扇動と、これは目的があろうがなかろうが処罰対象でしょう。

○国務大臣(森まさこ君) はい、そうです。

○仁比聡平君 したがって、先ほど来話の出ていた、こうした情報を明らかにしてほしいという国民の活動が何らかこれに反するという疑いが掛けられれば、スパイ目的があるかどうかなんて、そんなことでは限定されないんですよ。森大臣、そうでしょう。

○国務大臣(森まさこ君) 二十四条の取得罪については目的犯となっております。二十五条についてはなっておりませんので、一般の国民の行為が二十四条によっては目的犯というふうになっておりますので、処罰の対象についてはその行為等によって変わってくると思います。

○仁比聡平君 今のようなそうした刑罰の適用という状況になる中で、捜査令状あるいは起訴状の記載がどんなふうになるのかと。総理が本会議において、特定秘密の内容全てを明示しなくとも、例えば暗号に関する特定秘密というようにその内容を明らかにすることが考えられ、どのような罪で捜査や訴追の対象となっているのか明らかにされるものと考えますと御答弁になって、つまり、これは例えばという例示ですけれども、暗号に関する特定秘密、そういう記載を令状あるいは起訴状、あるいはそれを前提にした判決にされるという、そういう想定をしているんですか、森大臣。

○国務大臣(森まさこ君) 捜査令状の記載内容でございますけれども、例えば、何々に関する特定秘密が記録された文書を漏らしというように、その特定秘密がどのような内容の特定秘密かということを別表等で指摘をして明らかにするということが考えられると思います。

○仁比聡平君 そんなことで令状の記載事項が満たされるんですかね。
 元々、そもそもこの起訴状に罪となるべき事実が記載されるという趣旨というのは、被告人、被疑者の防御権の観点からいうとどういうことなのか、逮捕状の場合だったらどうなのか、谷垣大臣、どうでしょう。

○国務大臣(谷垣禎一君) 起訴状に公訴事実を記載することを当然要求されているわけですが、その目的は、公判手続の段階では、裁判所に対して検察官が求めた審判対象を特定するということであり、それから被告人に対しては防御の範囲を明らかにしていくと、こういう意味があって記載を要求されているわけですね。
 それからまた、逮捕状のことをおっしゃいましたが、逮捕状に被疑事実の要旨を記載することとされているのは、まず憲法三十三条の要請があります。そこで、「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」と、こう書いてありますが、それを踏まえまして、身柄拘束の段階で、被疑者に対して自分が被疑事実の要旨を記載された逮捕状を提示することによって逮捕の理由を被疑者に知らせると、こういう目的を持っております。

○仁比聡平君 時間が来たから終わりますけれども、つまり、令状や起訴状に事実の記載が必要なのは、これは何の罰条が適用されるかを示すためではないんですね。何法の何条が適用されるからあんたは逮捕される、起訴されるというのは、それは罰条をそれぞれの捜査機関が特定するわけです。
 問題は、罪となるべき事実なんですよ。何が事実かということを明らかにしなければ防御はできないし、その行為の可罰性やあるいは憲法違反性を、処罰の憲法違反性をただすことは絶対にできないということを申し上げて、次の機会に質問を続けます。