日本共産党の仁比聡平議員は4月4日、参院決算委員会で、国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)をめぐり、国が潮受け堤防排水門の開門抜きに実施してきた有明海の再生事業がまったく効果をあげていない事実を示し、開門に向けた検討を進めるよう求めました。
(質問動画はコチラ)
長崎地裁は国に対して「開門に代わる漁業環境改善」の措置を求める「和解勧告」を示しましたが、開門を求める漁民にとって到底受け入れられるものではありません。
仁比氏は、農水省が2002~14年に実施してきた、開門抜きの有明海再生事業に433億円もの税金が投入されたと指摘。その上で、長崎地裁が求める「開門に代わる漁業改善」措置の内容を11日の和解協議までに示すか問いただしました。
森山裕農水相は「内容を示すことは求められていない」と答弁しました。仁比氏は「示せないのは、開門に代わる漁業改善措置など不可能だからだ」と批判しました。
仁比氏は「これまでの有明海再生事業を振り返れば、開門に代わる措置など成り立たない」と指摘。環境省が「底質環境の改善の目安」として二枚貝の再生をあげているが、再生どころか深刻な状況に陥っている実態を告発し、「再生事業で環境はよくなったのか」と再三質問。環境省の早水輝好審議官は、良くなっているとの根拠は示せませんでした。
さらに仁比氏は、「国がしていないことは開門だけだ」と訴える地元漁協組合長の声を示し、「農水省の無責任、未曽有の環境破壊への無反省極まれりだ。問題解決のため、農漁共存の開門を具体化する政府の責任は重大だ」と指摘。森山農水相は答弁に立てず、開門を求める声に背を向けました。(しんぶん赤旗 2016年4月6日)