国内十三工場の閉鎖を決めた電機大手のパナソニック・グループが、正社員に遠隔地への配転を迫り、事実上の解雇に追い込もうとしている―日本共産党の仁比聡平議員は、4月20日の参院決算委員会でこの実態を示し、政府に対応を求めました。(会議録全文→

厚労相 家族の状況、企業は配慮を
参院決算委

パナソニックは今年二月、「構造改革」と称して二十七事業所の廃止と一万五千人の人員削減を発表しました。仁比氏は、佐賀県鳥栖市の同グループ工場で、正社員九百人に対し山梨県や大阪府への配転が迫られていることなどを告発。家のローンや子どもの教育、親の介護など、労働者の家族の状況を無視したやり方は、「不可能な配転に応じるか、会社を辞めるか、理不尽な二者択一だ」と強調し、「指導すべきだ」と迫りました。

舛添要一厚生労働相は、「個別の企業についてはコメントを控える」としつつも、雇用の維持や家族の状況を「企業は配慮すべきだ」と述べました。

仁比氏は、同グループの鳥栖市の別の工場では、宇都宮市や新潟県小千谷市から合わせて八百五十人が配転させられる計画であることも紹介。「関連企業内で雇用確保を図り、解雇回避の努力をするのは当然ではないか。多くの労働者が無理な配転に応じられないことを見越した、体のいい解雇にほかならない」と批判しました。

さらに仁比氏は、鳥栖市のある工場では、労働者の「選別リスト」をつくり、「もう仕事はない」「やめろといったのにまだ分からないのか」などと労働者の人格を否定する退職勧告が行われていることを示し、「労働者の声を受け止めるのが政治の責任ではないか」とただしました。舛添厚労相は、「企業に社会的責任を求めていく」と答えました。(2009年4月21日(火)「しんぶん赤旗」)