○仁比聡平君 ただいま議題とされました安保特別委員会公聴会の開会承認要求について、反対の意見を日本共産党を代表して表明をいたします。
公聴会は、そもそも重要法案について国民の声を聞くべきものであり、とりわけ本案、つまり明白な憲法違反の戦争法案について、国会法の言う真に利害関係を有する者とは、主権者、憲法制定権者である国民の皆さんそのものでございます。
ところが、与党は、衆議院でも行われた参考人の二回目の質疑や、あるいは地方公聴会の提案もせず、昨日いきなり中央公聴会の提起をしてまいりました。なぜいきなり中央公聴会なのか、何の議論もないままに、与党の考え方さえ理事会では示されておりません。ここに示されているのは、与党幹部が今や公言をしているように、来週十六日の特別委員会及びこの参議院における戦争法案の強行採決、その条件づくりであり、この中央公聴会の設定が、国民の声をまともに受け止めようとするのではなく、単なる通過儀礼におとしめようとする、その真意なのではありませんか。
委員会の昨日参考人を招いて一時開会の僅か一分前に、与党から、十四日の総理、テレビの集中質疑及び十五日の中央公聴会という提案がいきなりなされました。理事会では当然結論は出ず、場内協議とされたにもかかわらず、その場内協議は調わないまま、つまり理事会、理事懇合意なく、委員長は一方的に特別委員会の休憩を宣言され、一方的に開かれた理事懇談会で、野党理事会メンバーに対するまともな呼び込みさえ行われないまま、与党のみで、公述人を四人、十五分ずつ、それを委員長職権で議決を行うなどということを決め、委員会を一方的に再開し、強行したことも、私は断じて許すわけにはいきません。
私も現場におりましたが、強行採決を行った後に委員長席の周りで場内協議が行われていました。しかし、野党理事の問いに対して、自民党理事は終始一言も口を開かず、何の説明を行うこともできなかったのであります。さらに、その後に開かれた理事懇談会も、一方的にタイムテーブルを確認をしただけで、理事会をやるという明確な連絡さえなく、やっているようなのでその席に参じた我が党の理事会メンバーが着いたときには既にその協議は終わり、与党の打合せをやっていたというような始末でした。
自民党、公明党の与党、安倍政権は、この戦争法案をこんなやり方で、こんな数の暴力をこれからあらゆる手続においてあなた方はやって強行していこうというのか。議会を壊し、憲法を踏みにじる、こんな乱暴なやり方を我々参議院議院運営委員会が認めることは絶対にすべきじゃありません。
今、議題となっている承認の対象は、公聴会の対象となる議案及び来週九月十五日を開会の日とするということの承認であり、昨日与党が理事会で決めたと言っている公述人の数ややり方などはこの承認の対象ではないということは先ほどの理事会で確認をいたしました。
引き続き、現場の理事会や、そして会派間を始めとして、この重大な法案に対して国民の意見を本当に正面から受け止めて徹底した審議を尽くすべきだ、その立場でどの会派もしっかりと臨んでいくべきだということを強く申し上げ、我が党は、憲法違反の戦争法案は断固廃案に、そのために力を尽くして闘うことを申し上げて、意見表明といたします。