日本共産党の仁比聡平議員は5月11日の参院決算委員会で、長崎県諫早湾干拓事業の潮受け堤防の排水門開門について「開門アセスメント(環境影響評価)を口実に、かんがい排水事業などの地元が求める要求の実現を先送りにするな」と主張しました。(会議録全文→未定稿)
仁比氏は、諫早湾の後背低平地の「排水不良」や洪水時に水がたまる被害をとりあげ、排水機場の整備が行われていない地区などから、排水対策や防災対策などの「強い要望が出ている」と指摘。「県とともに、地元の要望を調査し、今年度からすぐに事業に着手せよ」と求めました。
石破茂農水相は「地元から申請が上がってくれば、真摯(しんし)に対応する」と答弁しました。
仁比氏は、堤防の内側にたまった水を排出する施設(樋門〈ひもん〉)をモーター駆動式にし、行政が一元管理することもできるはずだと指摘。「営農者や土地改良区、農協の方々の負担を軽減すべきだ」と求めました。
農水省の吉村馨農村振興局長は「(アセスメントによる)浸水、湛水(たんすい)被害の予測の上にたって措置を検討する。駆動式樋門も検討対象の一つ」と答弁。石破氏は「総合的なアセスメントが必要だ」と述べました。
仁比氏は「前提としてアセスメントが必要ということが理解できない」と反論。「いたずらに長期にアセスメントをやるのではなく、(地元の要求実現にむけ)やるべきことは早く着手すべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗2009年5月13日)