日本共産党の本村伸子衆院議員と仁比聡平参院議員は5月31日、全国の裁判所職員で構成する全司法労働組合(全司法)の組合員らと国会内で懇談し、裁判所職員の増員などを求める署名1万8713筆のうち、4513筆を受けとりました。

 懇談で全司法は、非合意の離婚後「共同親権」制度の実施に伴い、家庭裁判所の業務が激増する恐れがあると指摘。職員の増員を強く求めました。

 参加者は、「親権」を争う事件では子どもや学校、家庭への聞き取りなど、調査官による丁寧な調査が必要になると指摘。調査官の育成には最低でも2年を要し、計画的増員が求められるとの声が出たほか、調査官が足りない中、効率的な調査の時間を確保するために公用車が必要になるなど物的人的拡充の必要性も強調しました。

 若手職員は、民事訴訟のIT化が進められるもとで、設備や環境整備の不足により、毎回、機材の運搬や設置に時間がかかり、業務が滞る事態が発生しているなどの実情を打ち明けました。

 本村氏は「『共同親権』の国会質疑でも家裁の増強が大きな焦点となってきた。増員しかないということを繰り返し強調していきたい」と表明。仁比氏は「裁判所予算の概算要求を定めていくこの夏までの取り組みがとりわけ重要になる。人的物的体制の拡充に向け、ご一緒に取り組みたい」と述べました。(しんぶん赤旗 2024年6月8日)