日本共産党の市田忠義、仁比聡平両参院議員らによる水俣病の調査で12月9日、市田氏の佐々木勝吉、塚田誠両秘書、武田良介参院議員の島澤木綿子秘書は、水俣病被害の救済対象から大半の地域が外されているため、多くの被害者が取り残されている熊本県天草市と上天草市で、両市の担当部局や被害者掘り起こしに取り組む医師から聞き取りを行いました。蓮池良正天草市議、宮下昌子上天草市議らが同席しました。
「水俣病特措法」に基づく救済策で一時金を支給された人のうちの対象地域外は天草市12%、上天草市8%と、芦北町の34%に比べわずかな数にとどまりました。(県の公表)
上天草市では、生活環境課の課長補佐が「申請した人も締め切りギリギリまで悩まれた」と、いまだに残る水俣病への差別・偏見が申請を阻んだ可能性を指摘。申請主義では全ての被害者救済は困難な実態が語られました。天草市の健康福祉部長は、対象地域や周辺の人たちの健康調査の実施が特措法で定められながら、7年もたなざらしになっていることに対し、「法律に書かれていることは国がきちんとやるべきだ」と話しました。
民医連・天草ふれあいクリニックの積豪英(せき・たけひで)医師は、一般の病院で特措法申請のための検診を受けた地域外の被害者が血の出るまで針を刺され、痛みを感じるから水俣病の症状はないと診断された例など、実際に当事者から聞いた話を紹介。水俣病を正しく理解しない医師の診断によって、救済を受けられなかった被害者が多く存在することをのべました。(しんぶん赤旗 2016年12月14日)