すべての肝炎患者の救済を目指す肝炎対策基本法案が11月30日の参院本会議で自民党以外の賛成で可決、成立しました(自民党は欠席。27日の委員会採決では賛成)。基本法成立を受けて、肝炎患者団体の代表らが、国会内で日本共産党議員団を訪ね、志位和夫委員長らと懇談しました。病身をおして「命の叫び」を上げ続けた患者と、それを正面から受け止めて奮闘した党議員団は、成立を喜び合うとともに、基本法を真に実りのあるものとするため、新たな決意を固めあいました。
薬害C型肝炎の全国原告団の山口美智子代表は、「私たちは、共産党の国会議員の方々に支えられて今日を迎えることができました」と表明。薬害肝炎救済法案が議論されていた当時から日本共産党が恒久対策法の必要性まで見据えて話していたことも振り返りながら、「患者一人ひとりのことを念頭に質問していただいた」と話しました。
日本肝臓病患者団体協議会の山本宗男代表幹事は、基本法を土台にして、ウイルス検診率の向上、適切な治療の推進が必要だと強調。全国B型肝炎九州訴訟原告団の谷口三枝子代表も、「B型肝炎訴訟は解決されておらず、まだまだ涙の止まる日はありません。351人の原告が国の謝罪を待ちわびています」と述べました。
志位氏は、350万人ともいわれるウイルス性肝炎患者・感染者全員を救うべきだという「みなさんの勇気あるたたかいに背中を押していただきました。心からの敬意を表します」と述べた上で、同法を踏まえて「政治の責任」で取り組むべき今後の課題として三つの点を挙げました。
一つは、法に盛り込まれた患者の医療費負担軽減策の具体化です。志位氏は、インターフェロン治療、抗ウイルス薬などの負担軽減の具体策を予算に盛り込むよう求めていくと話しました。
二つ目は、「肝炎対策推進協議会」をしっかりした構成と運営で進め、肝硬変、肝がんなどへの対策も含め、総合的対策を具体化することです。
三つ目は、B型肝炎訴訟については、国の責任を認めた法前文の精神を踏まえ、政府はただちに和解による解決に向かうことです。
志位氏は、「私たちは、最後の一人まで国が責任を果たし、全員が納得できるところまで最後までたたかいます」と表明。出席した各議員は患者・原告らと何度も握手し、労をねぎらいました。(2009年12月1日(火)「しんぶん赤旗」)