日本共産党の仁比そうへい議員は6月1日、参院法務委員会で司法修習生への給費制度が11月から貸与制に変更されようとしている問題を取り上げ、現行制度を維持するよう求めました。
仁比氏は日弁連の調査で修習生の53%が平均で318万円、最高で1200万円もの借金を抱えていることに加え、弁護士になっても収入の保障がないなどの理由で弁護士登録をしない人も増えていることを指摘。また、法科大学院適性試験の志願者が2003年の3万9350人から今年は8650人へと急減していることなどをあげて、「経済的な理由で法曹への道を断念する人が増えてしまうということになれば、わが国の司法の質と社会正義の実現が損なわれてしまう。給費制を維持すべきだ。(04年成立した改定裁判所法における)貸与制への11月移行という条項は削除すべきだ」と求めました。
千葉景子法務相は「法律として成立したものなので11月施行を凍結することは適切ではない」としつつ、「十分に国民的な納得をいただいて議論をすすめていく必要がある」と述べました。
仁比氏は「いまの答弁は国会にボールを投げているように受け止めた。国会として給費制の維持のために力をつくそう」と強調しました。(しんぶん赤旗 2010年6月3日)