○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 今日、私は、桜島の活発化しております噴火活動による被害への対応に絞ってお尋ねをしたいと思います。
 〇六年に五十八年ぶりに活動を再開した昭和火口の活発化によりまして、爆発的噴火の回数は昨年一年間で五百四十八回、今年一月に入って一月で過去最多の百三十一回というそうした噴火になっておりまして、これは一九五五年からの観測記録を更新する、そういう事態です。住民生活への影響も大変甚大なのですけれども、まず、この噴火による降灰、灰の問題について伺いたいと思います。
 これまでの灰と質が違っている、変化しているんじゃないかという様子がございます。実際、地元に行ってみますと、あるいは市民の皆さんに伺ってみますと、さらさらとした柔らかい粉末状になっていて、言わばパウダー状態と。ですから、風が吹けば舞い上がるし、鹿児島県下ではロードスイーパーを使って降灰の除去をしているわけですが、これまでよりも粒子がもう極めて細かくなっていますから、ロードスイーパーだけだと舞い上がって収集にならなくて、散水車で水をまかないと収集ができない、除去ができないというような状況があるわけですね。
 この点、国土交通省の方で現地にも臨んで現状も見られたというふうに伺っているんですけれども、こうした従前とは違う困難があるというふうに私思いますが、国土交通大臣政務官、いかがでしょう。

○大臣政務官(三日月大造君) お答えいたします。
 今回の桜島の噴火による降灰、灰が降っている状況、これは委員御指摘のとおり、これまでの灰に比べるとかなり細粒であるということが分かっております。昨年、国土交通省職員が現地に入りましてその状況を確認してきております。洗濯物が外に干せないとか窓を開けることができないとか、これは大きな灰でもそうなんですけれども、より細粒になることによって細かいすき間からも灰が入ってくるとか着るものの編み目にまで灰が入ってしまうとか、いろんな影響があることを鹿児島県からも聞いておりますし、現地調査に基づき報告も受けております。
 したがって、降灰除去事業、灰を除去する事業において、今おっしゃったように、単にかき集めるだけではなくて、舞い上がらないように水をまいてからかき集める事業についても今作業を現地においてされておりまして、これらについても降灰除去事業の対象として見ながら補助を行っているところであります。

○仁比聡平君 手元に国土交通省の、この細粒化した灰の垂水市における、舞い上がってこれ大変だという、もうもうとした、真っ白になっているような、そういう状況になっているんですが、写真もございまして、こうした中で、この灰の生活被害に対する国の支援を、私、是非強めていただきたいと思うんです。
 今、三日月政務官から、従来の降灰除去事業について散水車を活用する部分についても補助をするというお話があって、それは前向きといいますかうれしく思っておりますが、この降灰除去事業について加えて一点要望だけさせていただいておきたいと思うんですけれども、これは一年前に私、降灰除去事業の採択基準を見直すべきじゃないかと、緩くするべきじゃないかという御質問をさせていただいたんです。
 この点について、この一年間の取組の中で、県、市とそれから河川局を中心に調整が続いているということで、今日はあえて御答弁はいただかなくていいと思っているんですけれども、そうした中で、この二月ですか、鹿児島市議会の質疑の中でこうした国の取組を大変前向きに期待をした上で、桜島の爆発回数、降灰量は増加傾向にある中で、降灰の粒子の変化や車両の老朽化に伴い除去作業に支障を来している面もあることから、従来の補助制度についても採択基準の緩和を含めた見直しを今後とも引き続き国へ要望してまいりたいという、そうした市当局の答弁がなされているわけです。
 是非、政務官も、それから大臣にもお伝えいただいて、この基準の見直しを引き続き強く求めておきたいと思います。

○大臣政務官(三日月大造君) いや、そこは是非承って、何ができるのか、何をやるべきなのかということについて考えて取り組んでまいりたいと思います。
 特に、これ平成十一年、十二年、十三年と補助実績があって、八年ぶりに、平成二十一年に補助をしなければならないほど灰が降り、かつその灰の粒子の状況が変わってきて、生活にもいろんな影響が出ているということでありますので、その現地の状況をしっかりと承って対策を考えてまいりたいというふうに思います。

○ 仁比聡平君 是非期待したいと思います。
 続けて、この噴火活動と灰によります農作物の被害への対策について、舟山農水大臣政務官においでいただきました。
 火山灰は酸性だそうでして、これが野菜の葉っぱだとか、それから鹿児島はかんきつ類も大変多うございますけれども、この実、果樹に付きますと表面が黒く変色して傷んでしまうと。これ、降灰に雨が降ったりして水と混じると硫酸と同じような性質のものに変化していくというふうにも伺っております。あわせて、これまでの対策でビニールハウスによる降灰の防除というのがなされてきているわけですが、ビニールハウスの屋根にこれ灰がたくさん降りまして、これまでの粒子の大きいものだとそのまま転がって落ちたり、風が吹けば転がって落ちたり、雨が降ったら流れ落ちたりしているんですが、パウダー状になって雨が降ると逆に固まってしまって、これ除去するのにもう本当に大変と。
 御案内のように、生産者の皆さんは高齢化が進んでいる中で、こうした灰による農作物への被害、それからこれを除去してできるだけ生産高を上げるための努力というのは、これはもうちょっと並々ならぬ努力になっていると思うんですね。
 こうした火山活動による現在の農作物の被害について、政務官、どんな御認識でしょう。

○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、鹿児島県本土のほぼ全域で野菜、果樹、お茶等を中心に降灰被害が発生しています。昨年、二十一年の一月から十二月までの農業被害額は、県の速報値ですけれども、野菜で二十九億円、お茶で十五億円、飼料作物で七億円、これを中心といたしまして全体で六十二億円となっています。
 今御指摘のとおり、酸性であるということで、葉っぱが変色したりとか果樹が汚く変色したりとか、非常に被害が多いと聞いておりまして、そういう中で、今、これ鹿児島県におきましては活動火山対策特別措置法、これに基づきまして第十二次の防災営農施設