日本共産党の仁比聡平参院議員と党熊本県委員会の代表が9月4日、福岡市の国交省九州地方整備局を訪れ、阿蘇山の入り口に当たる立野(たての)峡谷の白川に計画されている立野ダム(大津町、南阿蘇村)の建設中止を求めました。
松岡徹県議は、同省がダム計画について県民への説明責任を果たしていないと厳しく批判。建設地周辺は国立公園の特別保護地区であり、世界文化遺産登録や世界ジオパーク(地球科学的に重要な自然遺産の公園)登録が危うくなり「観光立県」の妨げとなる、とのべました。白川の中流域を「想定氾濫区域」から除いたダム計画の推進が、河川改修を遅らせ、昨年の九州北部豪雨で被害をもたらしたと指摘しました。
国交省側は「中流域の河川改修は県が事業主体」「ダムは中流域にも効果がある」とのべていましたが、仁比議員が同省「検証報告」の「立野ダムの目的」では熊本市内のさらに下流域しか「想定氾濫区域」にしていないことをただすと、回答できなくなりました。
仁比議員は「中流域の氾濫防止は目的ではないということだ」と強調。川辺川ダム建設では流域などで53回の説明会を行っているとして、説明を尽くすよう求めました。ダムを建設しても熊本市の下流域でも洪水時に50センチの水位低下しか見込めないことが明らかになりました。
那須円・熊本市議、小林久美子・菊陽町議、荒木俊彦・大津町議らが参加しました。(しんぶん赤旗 2013年9月5日)