長崎県と佐世保市が同県川棚町に計画している石木ダム建設事業で日本共産党長崎県委員会(交渉団長・堀江ひとみ県議)は10月9日、国土交通省に予定地内の住民の土地の強制収用をしないよう県を指導することなどを要請しました。田村貴昭衆院議員、仁比聡平前参院議員、真島省三衆院九州・沖縄比例候補が同席しました。
土地収用の対象となっている同町川原地区には13世帯約60人が現在も暮らしています。ダム建設で実際に住民が居住している土地の強制収用は過去に例がありません。
石木ダムは、利水・治水を名目に、1970年代初めから計画され、水需要や治水効果に疑問が上がるなか、県民の反対の声が広がっています。国交省は2013年9月、土地収用法の適用事業に認定。今年5月、県収用委員会が予定地の土地明け渡しを裁決し、家屋を含む明け渡し期限の11月18日以降、県の行政代執行による強制収用が可能となります。
川棚町の辻清人党町議候補は「佐世保市の水道はすでに水が余り、治水も知事はダムがなくても河川改修で対応できると説明している。科学的な再検討、事業認定の再検証をしてほしい」と訴えました。
国交省の担当者は「県・市の事業であり、行政代執行について指導するのは難しい」「事業認定の是非について、司法の場で係争中で答えられない」などと繰り返しました。
田村、仁比、真島の各氏は、強制収用の例がないこと、国交相が地元の合意が一番大事だと答弁していることなどを指摘。行政代執行はあり得ないとして、事業認定した国交省として県への指導などの対応を要求しました。(しんぶん赤旗 2019年10月10日)
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