宮崎県の航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(新富町)に艦載型ステルス戦闘機F35Bが配備され、住民との約束に反して国が垂直着陸訓練を実施しようとしている問題で、日本共産党の山添拓、仁比聡平両参院議員は10月2日、現地を調査し、町や、爆音訴訟をたたかう住民から実情を聞きました。

 新富町との意見交換には阿萬誠郎町議会議長、出口敏彦副町長が出席しました。山添氏は、「国が一方的に態度を翻し、町や住民の批判に大臣がおわびする事態になっている。現在でも受忍限度を超え、さらに質の違う被害が加わる。説明やおわびでは済まされない」と強調。吉田貴行党町議も参加し、町が独自に続けている騒音・目視調査の成果や騒音区域、夜間飛行の問題を話し合いました。

 現地調査では、滑走路の東西で、誘導路での耳をつんざくエンジン音や、体を震わせる離着陸のごう音を実際に体験。米兵宿舎やF35B関連施設、PAC3訓練場の基地拡張予定地などを基地周辺から視察しました。

 新田原基地爆音訴訟原告団との懇談では、佐川嘉正事務局長が、原告全員の爆音被害を違法と認めた損害賠償請求訴訟や飛行差し止めの行政訴訟、今後の2次訴訟に向けた検討状況について報告。元原告らが、訴訟を起こした爆音のひどさや夜の緊急発進への恐怖、孫への思いを語りました。

 仁比氏は、「これは『騒音』ではない。裁判で『動きも思考も止まる』と陳述されたほどの爆音。みなさん一つひとつの訴えが司法や町当局を動かしている。基地交付金で爆音の人権侵害が回復されるものではない。次のたたかいへの発展が重要だ」と語りました。(しんぶん赤旗 2025年10月3日)