自衛隊のトップである統合幕僚長が訪問先の米国で戦争法(安保法制)の成立を約束した議事録を“漏えい”させたとして違法な捜査とパワハラを受けた現職の陸上自衛隊3等陸佐の男性Aさん(51)が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審が2月17日、東京高裁(市原義孝裁判長)でありました。
問題の議事録は、河野克俊統合幕僚長(当時)が2014年に米軍高官らとの会談で「衆院選挙があり、与党が圧勝した。(ガイドラインや安保法制の整備が)与党の勝利により来年夏までには終了する」などの発言が記されています。戦争法の審議があった15年9月の国会質問で、日本共産党の仁比聡平参院議員が議事録を提示し、追及しました(関連記事)。
仁比氏の質問当日まで、議事録は防衛省内「取扱注意」となっており、防衛省情報本部内の端末で見ることができる状態にありました。ところが翌日、議事録は「秘密」指定され、警務隊が捜査開始。Aさんは、警務隊からポリグラフ検査や取り調べ、自宅や実家の家宅捜索を受け、「行政府の長が激怒している」と言われました。Aさんは不起訴(嫌疑不十分)となっています。
一審のさいたま地裁で、国側は議事録のどの部分が「秘密」なのか、明らかにしませんでした。しかし、一審判決は「『秘密』として保護すべきものは、非公表を前提とした会談における発言そのもの」として、捜査が違法ではないとして、棄却していました。
控訴審で、Aさんは「国会で文書が流出した後に秘密指定し、犯人を捜索するのは、違法な手続きによる人権じゅうりんだ」と強調。「違法捜査で15年以降、秘密を扱えない状態だが、注意文書は毎日、扱っている。一審判決は内規も実情も全く無視している」と一審判決の不当性を訴えました。控訴審は同日、結審しました。(しんぶん赤旗 2026年2月18日)
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