沖縄県は5月15日、アメリカの占領支配から本土復帰を勝ち取って40年を迎えました。沖縄本島の約18%を占め、今なお全国の約74%が集中する米軍基地の存在が沖縄の経済発展を妨げ、県民所得も全国平均の7割程度にとどまるなど、基地も暮らしも課題が山積しています。
米軍基地前 抗議の集会
米軍普天間基地(宜野湾市)第1ゲート前では同日午後、普天間基地爆音訴訟団の呼びかけで抗議集会が行われ、「県内移設」が破たんに向かうもとでの同基地の「固定化」や海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備反対の声をあげました。
集会は、核・基地付き返還への“怒りの雨”“悔し涙の雨”と言われた40年前同様、途中から激しい雨となりました。島田善次訴訟団長は「『負担軽減』を口にしながら、オスプレイを押し付け、普天間基地は200億円かけて『補修工事』するという。県民を愚弄(ぐろう)するもので、もう黙ってはおれない。一人ひとりが立ち上がろう」と怒りを込めて訴えました。
日本共産党からは赤嶺政賢衆院議員と仁比聡平参院比例予定候補が参加。赤嶺氏は「復帰40年の日は、施政権返還を40年前に勝ち取った私たちが残された仕事である憲法の実現と安保条約廃棄へ立ちあがる日。新しい日本を切り開こう」と呼びかけました。
参加した女性(31)は復帰の日の5月15日生まれ。「私が生まれて30年もたつのに基地がなくならない。この現状を変えたい」と語りました。
沖縄人民党員・日本共産党員としてたたかい続けてきた古堅実吉さん(82)は「アメリカの野蛮な軍事的・植民地的支配のもとで、たたかいを全国に広げて勝ち取ったのが施政権返還です。基地撤去までたたかいを発展させなければなりません。復帰40年を新たな決意の年にしたい」。
「早期返還希望」式典で沖縄知事
沖縄県宜野湾市で15日、政府と県主催の「沖縄復帰40周年記念式典」が開かれ、揺るがない県民世論におされる形で仲井真弘多知事は、同市の抱える米軍普天間基地について「県外への移設、そして早期返還を県民は強く希望している」と式辞で表明しました。(しんぶん赤旗 2012年5月16日)