外国籍住民の永住許可の取り消しや「育成就労制度」の創設などを盛り込んだ入管法・技能実習法改定案が6月13日の参院法務委員会で、自民、公明、維新、国民などの賛成で可決しました。日本共産党、立民は反対しました。
日本共産党の仁比聡平議員は改定案に対する修正案を提出しましたが、否決されました。修正案は▽故意に公租公課(税金や社会保険料)の支払いをしないことなどを永住資格の取り消し事由とする規定の削除▽国や自治体職員の入管への通報を定める規定の削除―などの内容です。(動画はコチラ)
仁比氏は修正案の趣旨説明で、改定案は最も安定した在留資格である永住許可について、「軽微な義務違反の摘発や通報を契機として取り消しうる不安定な地位へと百八十度変えようとするものだ」と指摘。政府から立法事実は最後まで示されなかったと批判しました。
仁比氏は「国家にとって好ましい振る舞いをしない永住者に対し、生殺与奪の権を握ろうとするものであり、深刻な外国人差別、抜きがたい排外主義の現れだ」「永住者の生活を萎縮させ、外国籍住民全体の地位を不安定にしかねない」と述べ、永住資格取り消しなどの削除を求めました。
改定案に対する反対討論で仁比氏は、育成就労制度について、深刻な人権侵害の温床となってきた技能実習制度の看板の掛け替えですらなく、「人権侵害の防止・是正の担保もない」と指摘。外国人労働者を食い物にする悪質なブローカーや監理団体を野放しにしたまま、育成就労に派遣形態を解禁することは「新たな搾取の仕組みになりかねない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2024年6月14日)
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