政府与党が「臨時国会の9月26日召集を決めた」と新聞が書いたと思ったら、もう永田町には「会期は短いのではないか」「巨額補正もTPP(環太平洋連携協定)も強行するのではないか」などとまことしやかな観測が飛び交っている。
いわく「米大統領選の11月8日までにはTPPは衆院を通したい」「12月ば総理外交も消費増税延期下の予算編成も忙しい」というのである。
とんでもない、といわねばならない。先の歴史的参院選で、安倍総理は、アベノミクスの自慢話と野党共闘の悪口しかしなかった。ところがその翌日からの暴走は枚挙にいとまがない。国会がいまやるべきは、国民の前で、安倍暴走政治の中身を徹底審議することである。
沖縄・高江で日ごとに激化するオスプレイ着陸帯工事強行の蛮行。民意も法の支配も、機動隊が実力で抑え込む環境破壊を国会が許していいはずがない。「県民の気持ちに寄り添いたい」などとカメラの前では猫なで声の安倍政権の正体がこれである。
安倍政権は、執拗(しつよう)に佐賀空港へのオスプレイ配備を進めようとし、九州を拠点にオスプレイが飛び回るルート案も明らかにした。内戦が深刻化する南スーダンでの戦争法発動など、具体化の一つひとつを徹底的に明らかにし、憲法改悪を許さない国民的たたかいを広げる国会にするときである。
参院選後の初登院。市民と野党共闘の統一候補として勝利した民進党議員が、私たちに駆け寄るように熱く事を握り、本会議場でおおらかに統一のたたかいを語り合う。参議院の雰囲気は野党共闘を経て大きく変わった。
多くの自民党議員が「勝った気がしない」と戦々恐々である。安倍政治を倒し新たな政治を切り開く道は、野党共闘の発展にこそある。
1年前のこの時期、国会は国民に完全に包囲され、私たちは戦争法廃案の徹底論戦に立ち向かっていた。この間の劇的な変化をつくりだしてきたのは市民、主権者国民の声と運動の力である。強行採決から1年。9月19日の大行動を、全国各地で成功させよう。(しんぶん赤旗 2016年9月7日)
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