熊本、新潟の両県の水俣病被害者や訴訟をたたかう原告らが6月7日、日本共産党国会議員団水俣病問題対策委員会に対し、全ての被害者を救済するための新たな枠組みを求め要請しました。16人が参院議員会館を訪れました。
要請書では、2009年にできた水俣病特別措置法によって被害者の約5万3000人が救済された一方で、多くの被害者が残されていることが明らかになったと指摘。同法に基づいて申請した被害者の情報は、水俣病の全貌を明らかにする重要な資料だとして、地域や年齢、症状などのデータを公開するよう政府に働きかけてほしいと求めています。
ノーモア・ミナマタ2次訴訟原告団の森正直団長は、国指定の地域外にも被害者が多数いると訴え、「健康調査で被害の広がりを確認しないと、全被害者救済にはほど遠い。政治の力が必要」。第2次新潟全被害者救済訴訟原告団の皆川榮一団長は、提訴した原告の中には亡くなった人もいるとして「何としても早い解決を望んでいる」と述べました。
応対した党副委員長の市田忠義参院議員は、水俣病は国と加害企業の責任であることは歴代の政府も認めざるを得ないとした上で「全ての被害者救済は、一党一派の問題ではない。超党派で力を合わせ、水俣病と認定する法的な基準を見直すたたかいを国会でも進めたい」と応じました。
共産党から市田氏のほか、田村貴昭衆院議員、仁比聡平、武田良介の両参院議員、赤嶺政賢衆院議員の秘書らが参加しました。(しんぶん赤旗 2018年6月8日)