すべての水俣病被害者の救済を求めた「ノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟」で原告全員を水俣病と認定し賠償を命じた大阪地裁判決(9月27日)を受け、日本共産党国会議員団は10月3日、国会内で、伊藤信太郎環境相あてに国が判決を受け止め、すべての被害者救済に向け責任を果たすよう求める申し入れを行いました。山下芳生副委員長・参院議員、仁比聡平参院議員、田村貴昭、宮本岳志両衆院議員と、小池晃書記局長・参院議員の代理(秘書)が出席しました。

 申し入れでは、(1)国が控訴を断念し、解決のテーブルにつくこと(2)環境相が原告被害者と面会し、直接声を聞くこと(3)国が被害者「切り捨て」政策をあらため、すべての被害者を救済すること―を要請しました。

 申し入れにあたり、田村氏は、判決の重要な意義を認める専門家の声を紹介した新聞記事や、国が全面的な救済へ動き出すべきだとする社説を挙げ、国は判決を「精査」「検討」するのではなく「解決に踏み出すべきだ」と訴えました。

 山下氏は、伊藤環境相が実際に現場で苦しんでいる被害者に「会わずに判断することは絶対に許されない」と強調し、環境相の責任として、被害者の生の声を聞くべきだと主張。同省の担当者は「ご意見として承らせていただく」と答えました。(しんぶん赤旗 2023年10月4日)