「水俣病の苦しみを知ってください。被害者の声を聞いて!」――。国会前で抗議の座り込みを続けている水俣病公害の被害者らが30日、国会前で緊急集会を開き、「被害者を切り捨てるな」という怒りの声が国会を包みました。
緊急集会には、熊本県や新潟県から約120人が参加。被害者切り捨て、加害者救済の水俣病特別措置法案は「公害の歴史に悪しき前例をつくる」との緊急宣言をまとめました。同特措法案の今国会成立をもくろむ自民・公明の与党と民主党の修正協議に抗議の声を上げ、国会議員への要請行動にとりくみました。
つえをついて上京した新潟水俣病阿賀野患者会の女性(72)は「子どものとき、昭和電工が有機水銀を川に流したとは知らず、川魚をたくさん食べていた。手がしびれ、家事もできない。いまでは右手では握れない。こんな法案廃案にしてほしい」と訴えました。
同会会長の山崎昭正さん(67)は「まさか自分が水俣病だとは思わなかった。初めて水俣病と言われたのは4年前。水俣病と名乗り出られない人がまだまだたくさんいます。健康調査をやってすべての被害者を救済してください」とのべました。
緊急集会には、日本共産党のこくた恵二、佐々木憲昭、笠井亮、井上哲士、紙智子、仁比聡平の各議員が出席し、すべての被害者救済のための日本共産党の「水俣病被害者救済に関する法案大綱」を紹介し、「根本的解決のため全力を尽くしたい」と決意をのべました。
(2009年7月1日(水)「しんぶん赤旗」)