参院憲法審査会が5月8日に開かれ、「憲法に対する考え方」について意見表明・意見交換が行われました。日本共産党の山添拓議員は、改憲案のすり合わせを図る審査会は動かすべきではないと主張。憲法記念日を前にした共同通信の世論調査では、改憲の議論を「急ぐ必要はない」との回答が65%に上ったと強調し、「国民の声に逆行し、国会が改憲ありきで進むことは許されない」と述べました。

 山添氏は、衆院3補選で自民党が議席を失うなど裏金事件をめぐる国民の厳しい審判が下されていると指摘。憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する」としているが、裏金議員の議席は公正な選挙の結果とはいえない可能性が否定できず、「正当に選挙された国会における代表者」に値しないとの批判を免れないとして、「民主政治の土台を揺るがす事態を招いた法律を守れない議員に改憲を語る資格はない」と批判しました。

 山添氏は「憲法を変える議論ではなく、憲法とりわけ9条を壊してきた政治を改める議論こそ焦点だ」と主張。岸田文雄首相が日米首脳会談で自衛隊と米軍をシームレスに「統合」し、事実上、米軍の指揮下に自衛隊を置く事態まで容認するなど、70年来の日本の安全保障政策を根底から踏みにじっていると批判し、平和外交に力を尽くすことこそ9条を持つ日本の責任だと強調しました。

 日本共産党の仁比聡平議員は「豊かな人権の保障こそ取り組むべき喫緊の憲法問題である」と指摘。同性婚や水俣病、改悪入管法の問題をあげ、「こんな人権後進国のままでいいはずがないとの声を受け止め、憲法の実現に力を尽くすべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2024年5月9日)