性犯罪の厳罰化を図る刑法改正案を審議した6月15日の参院法務委員会で、日本共産党の仁比聡平議員は、捜査の際に性犯罪被害者の尊厳が不当に傷つけられている実態を示し、被害根絶に向けた課題を指摘しました。
仁比氏は冒頭、憲法違反の「共謀罪」法を「中間報告」という禁じ手で強行成立させた政府・与党に厳重に抗議し、「適用を断固許さず、廃止するために全力を尽くす」と表明しました。
仁比氏は刑法改正案について、前進面がある一方で課題も残っていると指摘。3年をめどに見直しを検討するとの修正案(衆院で可決)を踏まえ、被害実態を政府や国会が調査・把握し、今後も必要な法改正を怠らないことが重要だと訴えました。
仁比氏は、課題の一つとして、捜査機関にうかがえる根強い性的偏見を指摘。元警察庁官房長が大学生による集団性的暴行事件について、「(被害者の)自業自得」だなどと書いた記事(「日刊警察」2006年3月7日付)を示し、「この認識が警察の現実ではないのか」と迫りました。
警察庁の高木勇人長官官房審議官は「退職後の個人的見解であり、警察としての考えとは異なる」と釈明しました。
仁比氏は、被害者に被害と無関係のプライバシーに関わる事柄を聞いている実態も告発。捜査機関の対応が二次被害を生み、泣き寝入りせざるを得ない被害者が多くいるとして、是正を求めました。(しんぶん赤旗 2017年6月16日)
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