参院法務委員会は6月3日、入管法・技能実習法改定案について、静岡で地方公聴会を開きました。日本とブラジルの交流団体、建設業界など4人が意見陳述。日本共産党の仁比聡平議員が質問しました。
日伯交流協会の児玉哲義副会長は、日系ブラジル人コミュニティーとして子どもの教育支援などに長年とりくみ、共生してきた歴史を語りました。日本が日系ブラジル人の受け入れを拡大してからおよそ30年たつが、リーマン・ショック(2008年)などの経済危機のたびに「派遣切り」に遭い、「30年前と労働環境はほとんど変わっていない」と述べました。
仁比氏は、改定案は税金や社会保障が未払いの場合などに永住許可を取り消せる制度が盛り込まれるが、「日系ブラジル人の苦難の歴史の中には、税金や社会保険料が払えないことがあったのではないか」と質問しました。
児玉氏は「その通りだ」と述べ、当事者団体でありながら、改定案提出前に意見を聞かれなかったと批判。永住許可の取り消し制度について、条文の変更を要望し、「小さな犯罪で永住許可を取り消すのではなく、子どもたちの将来を考えてほしい」と訴えました。
静岡県建設産業専門団体連合会の北川雅弘会長は「派遣業」と言いながら、外国人労働者の“引き抜き”を行う悪質なブローカーによる人材紹介業が起こり得るとの強い懸念を表明しました。
静岡県行政書士会の平岡康弘会長は仁比氏の質問に対して、「(永住権取り消しは)極めてデリケートな問題で柔軟に考えるべきだ。日本人同様の罰則でいい」と主張しました。(しんぶん赤旗 2024年6月4日)
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