ハンセン病国賠訴訟で熊本地裁の「ハンセン病隔離は違憲」との判決から10周年を迎え、「ハンセン病問題の現在と未来を問う」と題したシンポジウムが6月21日、東京都内で開かれました。主催は、同訴訟全国弁護団連絡会。
西日本弁護団代表の徳田靖之弁護士が基調報告。歴史を振り返り、ハンセン病問題に対する将来構想を築くために全力をあげると表明しました。
パネルディスカッションには、同訴訟全国原告団協議会の堅山勲事務局長と全国ハンセン病療養所入所者協議会の神(こう)美知宏会長、ハンセン病の患者・支援者らによって運営される国際ネットワークのIDEAジャパンの村上絢子事務局長、同連絡会事務局長の安原幸彦弁護士が参加。国宗直子弁護士がコーディネーターを務めました。
神氏は「要求しなければ、私たちの人権、尊厳、人間回復は実現しない」と強調。安原氏は、厚生労働省と検証・協議を重ね、当事者の要求を実現してきたことを振り返りました。堅山氏は「これから偏見・差別のない社会をどう築いていくかが課題だ」と述べました。村上氏は、療養所が社会へ完全に開かれたとき、当事者と一般市民の間に入って橋渡しをする支援をめざすと語りました。
シンポ後に開かれたレセプションは、スライドで10年間を振り返りながら、なごやかな雰囲気で行われました。各政党の国会議員らが参加。日本共産党からは高橋ちづ子衆院議員と仁比聡平前参院議員が参加し、高橋議員が激励のあいさつをしました。
(しんぶん赤旗 2011年6月22日)