自由法曹団の「5月研究討論集会」が5月21日、福岡市で始まりました。2日間の日程です。1日目は弁護士と事務所員、司法修習生ら約370人が会場やオンラインで参加しました。
開会あいさつで岩田研二郎団長は「大軍拡に突き進もうとしている岸田文雄政権にどう対峙(たいじ)するかが大きな問題だ」と強調し、戦争する国づくりを止めるたたかいの議論を呼びかけました。
記念講演で沖縄国際大学の前泊博盛教授は、南西諸島で対中国を想定した自衛隊の基地建設とミサイル部隊の配備が加速しているとして「基地のない平和な沖縄の実現とは程遠い状況だ」と指摘。米軍に日本の国内法が適用されない問題もあるとして「国民の権利を侵害している日米地位協定の壁を打ち破らなければ」と述べました。
分科会では「憲法」「刑事・治安」「差別問題」をテーマに、情勢を踏まえて団員の経験を交流しました。
憲法分科会で東京支部の森孝博団員は、安保法制(戦争法)に基づいて岸田政権が閣議決定した安保3文書について「日本が戦場になることも想定した戦闘遂行・継続のための軍事力強化の方針が盛り込まれた。私たちが平和的な対案と構想を打ち出して世論に訴えたい」と述べました。
来賓あいさつで日本共産党の仁比聡平参院議員は、入管法改悪を阻止するたたかいなど通常国会の論戦に触れて「全国で自由法曹団の若手団員が市民運動の先頭に立ち、学生や若者たちと一緒に声を上げていることに希望がある。そのことを確信し、岸田政権の動きをはね返そう」と力を込めました。(しんぶん赤旗 2023年5月22日)