暑さ寒さも彼岸まで、とはよくいったもので、あぜ道には彼岸花がそろってすっかり秋ですね。庭では豪雨と日照不足でヒマワリがいま頃になって花をつけたり、次々キュウリがなったり。激しかった夏のたたかいをふり返りつつ、来週29日臨時国会がはじまろうとしています。この夏、安倍政権の地金がでた、と私は思うのですが、皆さんいかがですか。

 7月1日、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行した総理官邸を、前夜から数万人の人々が包囲し、深夜まで抗議と憤怒の声をあげたのはその皮きりでした。とりわけ10代、20代の若者たちの「ケン・ポウ・知ら・ない・総・理は・いら・ない!」というコールは印象的でした。3・11を目の当たりにし、原発再稼働反対、秘密保護法廃案と声を上げ続けてきた若者たちが、憲法は国民のもの― 国民の力で時の権力の手をしばるもの、と確信を固める姿に、ドンと背中をたたかれるようでした。

 その安倍総理が、長崎の平和式典で、被爆者の面と向かっての批判を目をつぶってやり過ごそうとし、万雷の拍手に仕方なくおざなりに3回だけ手をたたいた態度には、おともだちやとりまきではない圧倒的な民意にさらされた器の小ささが、期せずして示されたと思うのです。

 好循環どころか、日経新聞が「アベノミクスは苦境に陥っている」(8月15日社説)と書くほど、物価高と大増税で危険水域の国民経済。「消費税は福祉のため」とは真っ赤なウソであることも、現実に年金が減らされ、介護・医療・保育の切り縮めではっきりしました。「戦争をする国」へ暴走する政治が、福祉や雇用だけは大切にするなどあり得ません。

 そして沖縄。辺野古新基地反対、日本共産党の大躍進に沸き返ったいっせい選挙。民意を突き付けられながら「過去の問題。粛々と進める」(菅官房長官)と開き直る安倍政権の姿は、もはや虚勢でしかありません。

 安倍政権打倒。国民的共同のたたかいの、いよいよ正念場です。(しんぶん赤旗 2014年9月24日)