女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める集会が11月29日、参院議員会館で開かれました。各国の差別撤廃の進捗状況を国連で審査する女性差別撤廃委員会委員の秋月弘子さん(亜細亜大学教授)が「日本が選択議定書の一日も早い批准を」と講演。参加者は、164件(9月現在)にのぼる地方議会の意見書採択をさらに広げようと交流しました。

主催は幅広い女性団体でつくる「女性差別撤廃条約実現アクション」です。共同代表の浅倉むつ子さん(早稲田大学名誉教授)は、「国会で多くの議員が選択議定書について質問し、国際人権水準に照らして議論をすることこそ、司法の役割を強化するという考え方が共有できた」と述べました。

秋月さんは、個人通報制度(被害者救済制度)と調査制度をもつ選択議定書の締約国が115カ国にのぼると強調。「選択議定書は権利を侵害されている女性を救うための制度です。日本にいるからという理由で権利侵害が野放しにされているとするなら日本の恥です。来年はG7(主要7カ国)サミットもあり、先進国の一環として、日本は人権(侵害)にきちんととりくんでもらいたい」と強調しました。

1979年、国連公使として女性差別撤廃条約の採択に賛成票を投じ、のちに日本で初めての女性差別撤廃委員会委員となった赤松良子さん(元文部相)もかけつけ、選択議定書の早期批准を訴えました。

地方議会での意見書採択のとりくみでは、滋賀県議会や神奈川県中井町議会、東京都目黒区議会の経験が報告され、発言者は、「女性議員を中心にする」「全会一致での採択をめざす」努力が実を結んだと語りました。

 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党、沖縄の風、無所属の国会議員が参加しました。共産党から仁比聡平参院議員があいさつし、倉林明子、紙智子、井上哲士、山添拓の各参院議員が出席しました。(しんぶん赤旗 2022年11月30日)