菅直人首相が施政方針演説で表明した国会議員定数削減をめぐり自由法曹団は2月4日、東京都内で「衆院比例定数削減を許さない学習会」を開きました。参加者から、多様な民意が削られることへの批判や、日本の国会議員が世界でもトップクラスの少なさである実態などが語られました。

 団員でもある日本共産党の仁比聡平前参院議員も報告。経済同友会が提言で道州制と政治改革を打ち出し、定数削減を追っていることなどを紹介し、民主党が掲げる衆院比例定数80削減の狙いについて「財界・支配層の意がストレートに通るような国づくりにある」と指摘しました。

 山口真美弁護士は、4割の得票率で6割の議席を獲得するという「虚構の多数」を生む小選挙区制の弊害を解説。比例削減で「本当に削られるのは国民の声だ。多様な民意を制度的に消し去るものだ」と批判しました。

 長澤彰弁護士は、人口10万人あたりの国会議員数を比べると日本はイタリア、イギリス、フランス、カナダなどの2分の1以下となっていることを報告しました。

 質疑では、小選挙区の弊害として、政治家の劣化が起こっているとの指摘や「比例削減の目的が強権国家づくりにあることを腹に据えなければ」などの決意が出されました。(しんぶん赤旗 2011年2月5日)