外国籍住民の永住許可を取り消す要件や「育成就労制度」創設などを盛り込んだ改定入管法・技能実習法が6月14日の参院本会議で、自民、公明、維新、国民などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党と立民は反対しました。
日本共産党の仁比聡平議員は討論で、華僑や在日韓国・朝鮮人、日系ブラジル人などの当事者へのヒアリングもせず、自民党が永住許可取り消しの条文を突然持ち込んだとして、「自民党政治の外国人差別と排外主義はどこまで底深いのか」と抗議しました。
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改定案は、入管が国家にとって好ましい振る舞いをしないとみなした永住者を在留管理のまな板に載せ、生殺与奪の権を握ろうとするもので、深刻な外国人差別を世界に発信することに他ならず、「永住者の生活を萎縮させ、外国籍住民全体の地位を不安定にしかねない」と批判し、問題の条文の削除を主張しました。
また、育成就労制度は深刻な人権侵害の温床となってきた技能実習制度の看板の掛け替えでさえなく、「この5年間で4万人にのぼる失踪者の原因究明と再発防止があいまいだ」と指摘。職場を移る「転籍」の自由も制限しているとして、「外国人労働者を一人の人間、住民として受け入れるため、正面から職業安定・労働者保護にとりくむ根本的転換が必要だ」と主張しました。
仁比氏は、参考人質疑での曽徳深横浜華僑総会顧問の「人があって材がある」という言葉に「学ぼうではないか」と呼び掛け、苛烈な外国人差別と迫害の歴史、真の共生社会への強い要求を真正面から受け止めるべきだと主張しました。(反対討論要旨2面)(しんぶん赤旗 2024年6月15日)
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